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ハーレム?15 新ろだ240 ドンドンドンドン!! 扉を叩く音が聞こえる。 それに続いて俺の名を呼ぶ声が。 まどろむ意識に鞭を打って扉を開けたらそこには椛がいた。 「おはよう」 「……おはよう」 こちらとしてはたたき起こされたようなものなのでいささか不機嫌である。 知ってか知らずかそんな声にも椛は気にしてはいない様子。 後ろに見える風景はいわゆる銀世界。 幸いにして晴れているが、ここは山なのでいつ傾くかもわからない。 開けっ放しで話すと寒いので家の中へと入れることにした。 「で、用事は。っていうか仕事はどうしたんだ」 「仕事は休みをとった」 「ほう、珍しい」 仕事熱心な彼女にしては変わったことである。 そこまでの用事なのだろうか。 用件を促すと目の前の天狗は少々言いずらそうにキョロキョロと辺りを見ている。 しかし時間の無駄だと判断したのか(実際そのとおりである)意を決して口を開いた。 「クリスマスプレゼント、頂戴!」 吹雪は吹いていないし寒くも無い。 むしろ暖かいほうである。 だが、今確実にこの部屋は凍りついている。 ……こいつは何を言っているのだろうか。 「…………もみじぃ」 「な、何?」 「恥ずかしくないのか……?」 色々と思うところがあるがまずそこが聞いてみたかった。 いっぱしの天狗が、年下である人間に対してクリスマスプレゼントなどというものをもらいたいと思うだろうか。 わかっているのか椛も若干赤面している。 「も、もらえるものはもらっておく主義なの!」 「それはもらえるときに言うものであって自分から言うものではないんだが」 「う、うるさいわね。で、くれるの? くれない?」 この剣幕からしてあげないといったら酷い目にあいそうである。 だが悲しいかな、俺は現実を椛に伝えなければならない。 「今日は――クリスマスじゃないぞ」 「へ?」 さっきの剣幕はどこへやら、ぽかーんと固まってしまった椛。 「クリスマスイブ、いわゆる前夜祭。だからクリスマスプレゼントなんてあるはずがない」 「クリスマス……は明日……?」 「そのとおりだ。残念なことにな」 「そ、そんな……」 沈黙が部屋に満ちる。 椛はうつむいて喋ろうともしない。 内心嘘をつけばよかったのだろうか、とも思うがそれも遅い。 仕方が無いのでお茶を飲み続けることにする。 どうしてこんな朝から重い空気に晒されなければいけないのか。 「……――る」 「ん?」 「し、しし、仕事いってくる!!」 慌てたように叫ぶと、ものすごい勢いで扉を開けて飛び去ってしまった。 今度はこちらがぽかんとする番である。 今日は休みを取ったんじゃあなかったのか。 「…………なんだったんだいったい」 なんだか嫌なことがおきそうな朝であった。 体が震えたのは椛が出て行くときに開け放した扉から入り込んできた外気が原因だと思いたい。 あの後、特に椛の行動は気にせず(無駄なので)今日の予定であった買出しへ。 山の中で生活は色々と物入りなのである。 食料は困るものではないのだが、やはりもう少し色がほしいと欲が出てしまう。 というわけで時々河童の作り物や自分で作った工芸品などを持ってきては売ってお金にしているわけなのである。 無論帰りに河童たちにその分町の物(装飾品とかが好まれているが耐水性に難癖をつけてくる)をあげるのを忘れない。 ギブ&テイクってやつだろうか? そんなわけで売るものを売った俺は買うものを探し町をうろついているわけなのであった。 「くりすますぷれぜんと……ねぇ」 歩いている間浮かんでくるのは朝の椛の言葉。 色々と世話にはなっているし、あげてもいいのだが。 「問題は、何をあげるべきかだな」 クリスマスっぽいものもないし、前々からほしいなんて言ってたものもないし、何あげたらいいかわからないのである。 本来はサンタさんに願って、その願ったものをくれるんじゃあないのか。 ほしいのなら前から言ってくれればいいのに、と思っていると。 「……ん?」 路地の影に見覚えのある後姿。 黒髪と一本下駄、それとそばにいる烏。 「お前そんなところで何やってんだ?」 近づきながら声をかけると一瞬ビクッとして後ろを振り向く彼女。 なんて勿体つけなくても射命丸文そのものである。 文は俺の姿を確認するとホッとしたように息をつく。 「なんだ、○○か……ビックリさせないでよ」 「なんだとはまたご挨拶で。油でも売ってたのか?」 「失敬ね。新聞記者が休むはずが無いじゃない」 単にネタ探しよ。と彼女は続けた。 だがその顔を見る限り収穫はよくないようだ。 「……そういうあなたこそ何やってるのよ」 「俺は何時ものやつだよ」 「ああそう……」 つまらないのか大して興味がなさそうに呟いている。 あんまり見ない表情だ。 「まったく、周りは年末に向けて動いているっていうのにあんたときたら……」 「年末に向けて動いてるならネタにしたらどうなんだ? あと年末に向けてはしっかりと動いてるわアホ」 「できればいいんだけどね。皆去年と同じようなことばーっかりしてるのよ。バカにアホなんて言われたくないわ」 前と同じじゃあつまらない記事になるのよねぇとため息をつく。 愚痴る文はあんまり見たことがないので俺は少し驚いた(もっとも仕事中あまり会わないが)。 アンニュイな表情を見るとなんとか協力してやりたいと思うが同情するぐらいしか方法が無いのが悲しい事である。 まぁ彼女のことだ、同情されたらされたで怒るのだろうが。 「クリスマスイブってのに大変だな」 「…………なに?」 彼女の顔に若干の覇気が戻る。その顔は俺を向いていた。 「どうした?」 「いま、なんて?」 「『どうした?』?」 「そんなありきたりなギャグはどうでもいいわ。その一つ前よ」 「クリスマスイブ、か?」 「そうそれ! ……なにやらネタの匂いがしますねぇ」 まずい、なんかスイッチが入ってしまった。 気づいたら文の口調は丁寧になっていた。 つまりそれは仕事モードということで――! 「そ、そんなことはないぞ? あーきょうははやめにようじをすませていえでゆっくりしようかなー」 完全に棒読みなのが自分でもわかるが四の五の言ってる暇は無い。 とにかく一刻も早くここから離脱しなければ。 そう思い文に背を向け目指すは路地からの脱出! 「まぁまぁまってください。とりあえずお話だけでも」 ○○は にげだした! しかし まわりこまれた! 幻想郷最速は伊達じゃないってことなのか。 「言ってくれなければ体に聞くしかありませんねぇ……」 「なっ――」 そんなことを言いながら迫る文。後ずさりして逃げる俺。後ろは壁。尚をも迫り来る文。 逃げ場は―――なかった。 「大丈夫です。痛くしませんから……」 「エゴだよそれは――!!」 ~少女尋問中~ 「ふぅむ。そんな行事があったんですか……」 「うぅ……汚されてしまった……」 「しかも明日とは……これは急いで書きあげなければ!」 そういうと文はものすごい勢い(当社比200%)で飛び去っていった。 ……デジャヴを感じるのは気のせいだと思いたい。 その後気を取り直し、のんびりと買い物を続けているとこれまた山の住人に出会った。 妖怪の山での二人しかいない片割れである東風谷早苗その人である。 早苗はこちらに気づくと(あの二人には無い!)はにかんだ笑顔を見せてくれた。 「あ、○○さん。どうしたんですかこんなところで」 「それはこっちの台詞だ。お前こそどうしたんだこんなところで」 「勧誘ですよ?」 「ああそう…………」 いい子なんだがここのところは神社の子。 熱心に勧誘しすぎて怪しい宗教かと思われないか不安である。 「○○さんも信仰してくれればいいんですけど……」 「失敬な、一応信仰はしてるぞ」 「信仰パワーが足りないんですよぅ」 「なんだそれ」 「わかりませんか?」 わからねぇよ。 時たまこういう話に持って行きたがるのは勘弁してほしい。 しかもいたってまじめに話してくるからあしらうほうも大変なのである。 山での少ない人間同士、話はよく合うのだが。 「そういえば○○さん。明日、家に来ませんか?」 天狗や河童について話したり山の天気について話していると早苗が突然そう切り出した。 あまりにも突然なので一瞬すんなりと受け入れてしまいそうだった。 一抹の不安を抱え、平静を保ちつつ応える。 「なんだ突然?」 「ほら、明日はクリスマスじゃないですか。ちょっと豪勢なものでも食べようかと思ってまして。 でも家には私を含めて3人しか居ませんし、どうせなら○○さんもって思ったんです」 「天狗とか河童とか呼ばないのか?」 「あの人たちが来るとどうしても酒盛りになっちゃいますし」 困ったように言う早苗は下戸である。 そりゃ鬼のように飲む天狗やそれに応えて飲む神様のなかではそういう顔にもなるだろう。 だからといって3人ではいつもどおり過ぎて色が無い。 と、いうわけで同じ人間である俺を誘ったわけらしい。 「まぁ、別に予定は入ってないし……かまわんが」 「ほんとですか!? ありがとうございます!」 「いや、お礼を言うのはこっちなんだがな」 「それでですね――」 あ、まずい。そんな気がした。一抹の不安が一気に膨れ上がる。 だって恥ずかしそうにする早苗の顔はどこかで見たことがあるようで―― 「――クリスマスプレゼント、期待してもいいですか?」 案の定そのとおりであった。 内心ため息をつくが表には出さない。 流石に頼みごとにため息で返されたらカワイソウだし、見た目同様の年齢だしな。 「そんな豪勢なのは上げられないんだけどな……」 そんな風に応える卑しい俺に対しても早苗は笑顔であった。 出費+1、である。 早苗と分かれた後、町で適当に買い物をして、永遠亭で二日酔いの薬をもらった。 その頃にはすっかり日が落ちかけたので家に戻ろうとその帰路の最中。 「号外――! 号外だよ――――!!」 どこかで聞いたことがある声。 その声は空から降ってきた。 「あぁ○○。丁度よかった」 本日二度目の出会いである文は俺の姿を見つけると降下してきた。 手には大量の新聞紙。 彼女はその新聞紙を一部引っこ抜いて渡してきた。 「……新聞?」 「一応情報提供者ですし。見てもらおうと思って」 自分が教えたものが新聞になるなんてちょっと気恥ずかしいので拒否したのだが、 読めと急かされるので文句を言いながらも読むことにする。 細かいのは割愛するが最後の一文を見て思わず固まってしまった。 『クリスマスの贈り物は告白としても代用されるらしい。思いを伝えられず困っている方は一つ試してみてはいかがか――』 「……おい、なんだこれは」 こんなこと一言も喋ってない。抗議をするが文はあははと笑いながら、 「いやー、実用性が無いとつまらないですからねー」 「伝説に実用性を求めるんじゃねぇ」 「秋の空と乙女の心、ですよ?」 「何小首かしげて言ってんだ別に関係ねぇだろそれに今は冬だ」 「何よ、いいじゃない」 記者モードからフリーモードへと移行した文はむくれて言う。 「ゴシップ記事には面白さが必要なのよ」 「だからといってこれはないだろ」 「恋焦がれる乙女や少年がこれをきっかけに結ばれたらいいことじゃない」 「とらぬ狸の皮算用ってやつだな」 「そういうネガティブな考えは人としてよくないわね」 「天狗に言われたかねぇ」 「天狗だから言うのよ。おっと、私そろそろ行かないと」 確かに仕事の最中だ。 喋って引き止めるわけにはいかない(止まらないだろうけど)。 適当に返事をして二人別々の道へと進む。 「あ、そうそう○○」 後ろからかけられる声に振り返らずに立ち止まる。 本当は逃げ出したかった。 だがその後が怖いのである。 所詮人間とはこのような生き物なのだ。 「私にもクリスマスプレゼントちょうだいね」 嗚呼、悲しいかな予想は大当たりであった。 しかも拒否しづらい帰りの別れ際、絶妙のタイミングで文はそう言ったのである。 おそらくこちらが振り返らないのも計算のうちであろう。 咄嗟に振り返るが文の姿はもう見えなくなっており、ただ冬の景色が広がるだけだった。 結局のところ、三人からそういうお願いをされてしまったわけだ。 しかも最後にいたっては帰り際。この様子ではまた町へと戻る必要があるだろう。 どよんどとした気分から出たため息がむなしく空へと消えた。 新ろだ368 幻想郷の一人歩きを趣味としてからかれこれ何年経っただろうか。死のうと思って始めたことだが、生憎俺はまだ生きている。 思えば歩きだけで色んな場所を巡ったものだ。白玉楼の階段の途中で一夜を越えた事もあるし、永遠亭の竹林で一泊したら焼死しそうになった事もある。 もう少しでいい感じに死ねたのだが、ブレザー着た兔が必死に守ってくれた(死ななかったのに必死とはこれ如何に)おかげでなんとか生き延びた。 妖精を手なずけて凍らせた湖の水の上を歩いたこともある。そうして辿り着いた赤い館では主人と面会し、妙に気に入られて一泊の宿を借りたのはいい思い出だ。 あれ以来、あの主人は快く宿を貸してくれるようになった。宿を頼んでないときでも、時々使いのメイドが俺を館に誘いに来ることもある。メイドも、主人も、俺が訪ねるときはいつもご機嫌だ。 香りに惹かれて辿り着いた向日葵畑。一夜を明かそうと思ったが、寝るには匂いが案外キツくて撤収した。 夜中眠い目をこすってどこか塒を探していた時に出会ったのがその花畑の主人だった。俺の事を痛みが長引く方法で殺そうとしてくれたが、その最中に思い立ったかのように行為を止めて、また宿を貸してくれた。 近くを通りかかった時は一応顔を出すようにしている。「そうしないと死なない程度にいじめるわよ」と言われているからだ。 仲良くなった鰻屋の店主と話してるうちに辿り着いたのが山奥の神社である。 ここでも快く寝床を貸していただき、数日ほど滞在した。そろそろ出ようかと思い始めた日、二柱の神様に酒の席で「娘を幸せにしてやってくれ」なんて冗談を聞いたのが印象に残っている。 そういえば、ここの巫女とは今でもよく偶然に出会う。本人曰く、愛の奇跡だそうだ。 幻想郷の場所という場所は粗方見終えたかなあと思った俺の目の前に現れたのが地底の都。ここでは心を読めるという少女と会った。 彼女曰く、俺の心の中というのは普通の人と大分違うらしい。それで興味を持たれたか、ここでも数日宿を借りた。 滞在中、鬼などを交えて小さな宴会を行った。鬼と酒を飲めば急性アルコール中毒で死ねるかと思った。しかし俺は酒に強かったらしく、結果飲みっぷりで鬼を喜ばす事になった。 数日の後に別れた。また遊びに来ると言った時の少女の表情は、今でもよく覚えている。 今はただ、何処とも分からない森の中をとぼとぼと歩いている。 ───もう少しで日が暮れる。今夜は野宿になりそうだ。 「ふふふ…○○さんってば、我慢しないで神社に来てくれればいいのに…うーん、また奇跡の力で○○さんに会いに行きましょうか…」 「お嬢様の機嫌が良くないのは、きっと○○が来ないからね。どうせその内紅魔館の住人になるんだから、今回は妹様にも会わせてみようかしら」 「○○さん…わ、私と幸せになるまで、絶対に死なせたりしませんから!」 「……最近…アイツ来ないわね……こっちから迎えに行こうかしら……」 「遠く離れていても、○○さんの心の中はすぐに読めてしまいますね。…「さとりに会いたい」ですか。仕方ありませんね、もう…」 五人の女性が、一人の男めがけてやってくる。 この後の彼はある意味、死ぬよりも怖い目を見るのかもしれない。 新ろだ409 新ろだ403の続きです。 朝、味噌汁の匂いで目が醒めた。 この間の一件以来、小傘は料理を覚え始めた。 嫁になろうというのに料理の一つも出来ないのでは情けない、と言って。 最初は危なっかしかった包丁使いも、随分と様になっている。 味のほうもなかなかだ。 何でも、道具達が加減を教えてくれるとか何とか。 そのあたりは、さすが化け道具といったところか。 布団を片付け、着替えて顔を洗い、居間に向かう。 いい匂いがするせいで、腹がぐうぐうとやかましい。 早く駄々をこねる腹を黙らせたいところだ。 居間では、小傘と早苗ちゃんが朝食の準備を終える所だった。 そう、早苗ちゃんも朝から家に来るようになった。 そのためだけに、分社ワープを人の身で習得してしまった。 朝はいつも、おかずを一品持って来て一緒に食べている。 ……つまりは、朝からここは戦場と化すのだ。 「はい、○○さん、あーん」 「あーん」 もぐもぐもぐ ……美味い。 「○○、こっちもあーん」 「あーん」 もぐもぐもぐ ……こっちも美味い。 「それで、今日はどっちが美味しいですか?」 「もちろん私よね?」 「んー……今日は小傘かな?」 「やったー!」 「ううっ、今日は負けましたか…」 「○○、ほら、ほら!」 「ん、あ、ああ」 ちゅ 「ふふ、○○のキスいただき♪」 「あ、明日は私が貰います!」 「はは…」 朝の決闘、それは料理勝負。 美味しかったほうを俺が選び、勝者にキスをする。 最初に引き分けを宣言したときは、二人に揃って怒られた。 最後にもっと重たい判断が待っているのだから、このぐらいは毎回白黒つけなさい、と。 それ以後、毎回きっちり判定を付けている。 そのおかげで、俺は毎日美味しい物を食べられるのだ。 未だにキスするのは気恥ずかしかったりするが。 「さて、あとは普通に食べるか」 「そうしましょう、それじゃ、いただきまーす」 「いただきまーす」 「……むう、小傘、本当に腕を上げてる……」 「ふふふ、道具の声が私を導いてくれるのよ」 「それって、前の持ち主の作り方を教えてくれるってこと?」 「そういうこと。 でも、それで覚えた料理を○○好みに仕上げるのが愛情の見せ所なのよねぇ」 「なんて便利な能力…羨ましい」 「でも、鍋が口うるさくてねぇ。 やれ醤油が小匙一杯足りないだ二分煮過ぎだとか火力を一割落とせとか…」 「そ、それはめんどくさそうね…」 「まあ一長一短ってところよ。 それに、早苗も外の料理を色々と知ってるし、なんだかんだで五分よね」 「ええ、外の料理の知識なら絶対に負けませんよ。 ○○さん好みの物もまだまだストックがありますからね」 「ふふふ、そしてそれを私がラーニング…」 「やっぱり私が不利だー!?」 勝負が終わると、この二人、結構仲がいい。 今みたいに俺が置いてきぼりの会話になることも多い。 ……だが、それもいつかは終わらせることになる。 その時までは、この空気を堪能することにしよう。 「ところで○○さん」 「何だい、早苗ちゃん」 「山にアミューズメントパークが出来たんですけど、次の休みの日、一緒に行きませんか?」 「……え、何が出来たって?」 「カッパーランドです」 「……河童すげぇ」 「私も行きたいけど、次の休みは早苗の日かぁ……」 「わかった、次の休みはそこに行こう」 「はい、楽しみにしてます!」 休日は交互に二人と付き合うことになっている。 次は早苗ちゃんの番だが、普段は一緒に買い物したり紅魔館の図書館で珍しい本を探してみたりといった感じだ。 まあ、娯楽が少ない幻想郷だからね。 そんな幻想郷にも、ついにアミューズメントパークなんてものが出来たらしい。 初めてのデートらしいデート。 次の休みが楽しみだ。 ─────チルノの裏───── もう二人同時進行しちゃうことにした。 ─────チルノの裏───── 新ろだ456 つい先日、魔理沙が地下に行っていたらしい。 「地下には動物がいっぱい居たんだぜ!」 なんて嬉しそうに話しているが、ここは聞き流させてもらおう だって無理矢理連れて来られたんだもん! ちなみに現在午前2時半である そうやって紅茶を飲みながら適当に相槌を打っていると、気になる話が耳に飛び込んできた 「なんか地下には、研究とか言って色々な人に抱きついたやつがいるらしい」 ふーん、地下には抱き枕の研究などと銘打って抱きつく変態がいるのか。 変態も一線を越えれば英雄だよなー 今度魔理沙に送ってもらって会ってみようかな? そんなことを考えていると、魔理沙が不思議そうにこちらの顔を覗き込んできた 「どうしたんだ○○?そんな神妙な顔をして」 「ん?少し考えごt」 と言いながら意識を目の前に向けると…… 魔理沙の顔がどアップになっていた 少し驚いた。が、そこでふと先ほどの話が思い返された そういえばさっき言っていた研究員は、抱き枕について調べていたんだよな すこし真似して"研究"でもしてみるかな…… 何を血迷ったのかそんな考えに至り向き直ると、瞬きをする暇も与えずキスをした 最初はただ唇を重ね合わせるだけのキスだったが、何も言わないのをいいことに舌まで入れた ズキュウウゥン そんな音が聞こえた気がした さすが○○!おれたちにできない事をh「そこまでよっ!」 キスが終わって1分はたっただろうか? まだ魔理沙はこちらの世界に帰って来ていない 「おーい魔理沙さーん」 そういって手を目の前で振ってみるが反応が無い。ただのしかばn と思ったら急に魔理沙の顔は赤くなっていき、口をパクパクさせている わかりやすい反応だなー 「な、ななななな何をいきなりするんだっ!」 「何ってキスの研究だよ。さっき言ってた人みたいにね」 「って!研究…か……」 顔を赤らめていたと思ったら、今度は悲壮感に包まれて黙り込んだ 「おもしろいやつー」 暫らくして立ち上がったと思うと、魔理沙が仲間になりたs ではなく 「別に○○ならいつでもいいんだぜ?」 と顔を赤らめながら言ってきた あーなんだこの展開は?新手のドッキリか? 後ろにスキマ妖怪とか出歯亀なんていないよな? そう思って周りを見回してみるも誰もいない というか魔理沙の家だろここ! などと心の中で一人ツッコミをしていると、背後から急に声が聞こえてきた 「お熱いことで」 後ろを見ると、紫が口元を隠しながらニヤニヤしていた 「なんでこんな時に来やがるんだよ……」 「あらあら、ご挨拶ね」 そう言うが、顔はニヤニヤしたままだった クールな○○○め! などと心の中で悪態をつく 間違っても決して口にしてはいけない ふと魔理沙に視線を戻すと、わずかに震えていた どうしたんだと思い話しかけようとすると、震える声で喋り始めた 「どこから見ていたんだ?」 「「どうしたんだ○○」からね」 殆ど全部じゃねーか!と俺が即答した 「人の恋路を邪魔する奴は消えろおおおおおおおお!」 急にそう叫んだかと思うと、八卦炉を取り出した 「やばい!かつて無いほどシュウシュウ言ってるぞあれ!」 「貴方にデリカシーが無いからよ」 「んなわけあるかぁぁ!」 不毛な言い争いをしているとチャージが完了したらしく、魔理沙がスペル宣言をして…… 「マスタァァァスパァァァクッ!!!!」 「魔理沙!俺にも当たるって!」 本人は気が付いていなかったらしい。どうみても驚いた表情になり 「え?」 と言った 「え?じゃ無くて、うわ!命はお大事にぃぃ!」 そういって○○と紫は光の中に消えていった… と思ったのだが間一髪で紫に助けてもらったようだ まだ目の前がチカチカしている 「大丈夫かしら?"アレ"には当たってないはずだけれども」 「ああ大丈夫だ。そろそろ元に戻ってきた」 そう言って笑っている紫 アレを見て大丈夫なんて流石は○○○! 決して口にしてh(ry ようやく視力が戻ってきたなと思い、しっかり目を開けるとそこには…… 紫のどアップの顔があった なんていうデジャブ!等と考えていると紫が口を開ける 「キスの研究をするんでしょう、○○?」 面食らったがすぐに思い出し 「それもそうだな」 と言って笑い、キスをしようと顔を近づけた が、誰かがこっちに来ているらしくそっちを向いた 「ああもう紫様!あれ程お体を冷やしてはいけませんt」 そこまで言ったところで藍と目が合って、場の空気が凍りついた と思ったら思い出したように捲くし立てて走っていってしまった 「悪いことしたなぁ」 「後でおしおきね」 可哀想にと少しだけ心の中で同情した が、すぐに顔を向き直させられた 「今日は寝かせてあげないわ」 そう言ってまたキスをしようと… (もうスキマ送りにされています。続きを読むにはババァと3回言ってください) チラシの裏 初投稿だったりするが…文才ってなに?おいしいの? HとEROでは単なる変態だが H ( ゚д゚) ERO \/| y |\/ 二つ合わさればHEROとなる ( ゚д゚) HERO (\/\/ 俺の嫁ってパチュリーだよな? なんでこんなSSを書いt(ry どうみても抱き枕の人の影響を受けてm(ry 次回!実践編 ──────────────── 新ろだ458 八雲さんの家の家主が鬼ごっこを主催したんだな。 チームとかカップルとかでの鬼ごっこ。 最初は面白そうだなあっていう気軽な理由で参加したんだ。 それが仇になった。 ―幻想郷チーム鬼ごっこ― ・男女別のチームで鬼ごっこ ・男が逃げる 「それじゃあスタート(はぁと」 ルール無用の残虐鬼ごっこが始まった。 「逃がさないわよ!」 「私から逃れられると思ってんのか?」 「逃げる時間は与えないわ」 「あなたは私に捕まる運命よ!」 「最速の名は伊達じゃないですよ!」 「私から逃げられる者などあまり居ない!」 「あなたの鬼ごっこの腕前なんて私の二割八分六厘にも満たないわ」 「逃げられないのかー」 「棒が倒れたってことは……こっちね」 「目の前の男を消極的に捕まえる方法は、と」 「鬼ごっこだって最強よ!」 「どこに逃げるかなんて……心が自白してるわ」 「狂わして逃げられなくしてあげるわ!」 「私に捕まること、それがあなたの積める善行です」 「あなたを捕まえる奇跡だって起こして見せます!」 「あなたの境界なんて私の手の平の上よ」 ~以下時間の都合上省略~ 「うわああああああああああああ!!!」 一対幻想郷の少女全員。 「捕まえたわ!」 「もう逃がさないぜ?」 「あなたの時間はもう私のもの」 「逃げる運命なんてありえないわ!」 「逃げてもすぐに追いつくんですからね!」 「みょんなとこには逃がさないですよ!」 「百体の人形から逃げられると思って?」 「捕まえたのかー」 「いたただきまーす」 「今日は喘息の調子も良いからこれ以上逃がさないわ」 「捕まえたからもっと最強ね!」 「逃げる算段は無意味よ? 全部わかるもの」 「捕まえた! さぁ狂わしてあがるわ!」 「私から逃げないこと、それがあなたの積める善行です」 「鬼ごっこの常識に囚われすぎましたね!」 「ね? 言ったでしょ。あなたの境界は私の手の平の上」 ~以下時間の都合上省略~ 「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」 この後○○を誰が○○を捕まえたかを巡る幻想郷の少女全員による戦争が勃発。 結局勝敗はつかず、皆に美味しく召し上がられましたとさ。 おしまい。 ちゃんちゃん。 新ろだ466 引っ越しておいてなんですが、引越しそばネタはなかったよーな 気がしまして…折角だから流し蕎麦という形で導入しよう 「みなさん準備はいいですかー?流しますよー」 「さぁっ!彼のためにも張り切って食べるわよ!ズズズ…」 「お前にあいつの蕎麦は譲らん!負けないぜ、ズズズ…!」 「独り占めするんじゃないわよ魔理沙!上海、黙らせなさい!」 「あはは…慌てなくたってお蕎麦は逃げませんよ。忘れられない素敵な味です」 「喰ってやるー、喰ってやるー」 「こんな蕎麦、アタシが全部喰ってやるわ!」 「ルーミアちゃん、チルノちゃんお行儀が悪いよ…」 「フランドール様、お蕎麦ですよ。彼が作ってくれたものです」 「おいし~い!ほら、美鈴も食べようよ。彼が作ってくれたお蕎麦!」 「…やっぱり本で知るのと直接口にするとではわけが違うわね。美味しいわ」 「蕎麦つゆは鰹節が一番ですよ♪」 「どうぞ、お嬢様。彼の素敵なお蕎麦ですわ」 「ところで、ちゃんと蕎麦つゆに血は入れたんでしょうね?」 「あら、春告精が私の元に来るなんて珍しいわね」 「…」 「あら、差し入れ…?彼から…?ありがたく頂きましょう」 「…♪」 「藍さまー、お蕎麦美味しいです!」 「そうだね、彼に感謝しよう」 「…おいし」 「おいしー♪」 「ふーん、結構いけるじゃない」 「幽々子様、紫様、お蕎麦をどうぞ」 「あら、あなたも食べなさいな。早くしないとなくなっちゃうわよ?」 「ほらほら、彼の手作りお蕎麦がなくなっちゃうわよ~」 「うん、美味しいけどもうちょっと甘口のお汁だといいな」 「今度、屋台にも新メニューでお蕎麦を導入しようかなぁ」 「生きてみるものねー。こんなお蕎麦が食べられるなんて」 「だから、お前には絶対食べさせるもんか!」 「…はぁ。お前らここまで来て食べ物で喧嘩するんじゃない」 「ため息つくと小皺が増えちゃうわよ?あんな二人なんかほっておいて食べなさい」 「よーし、ここで取れるだけ取って後で売却売きゃk…」 「だからやめなさいってば。んー?何でもない、何でもないわー」 「お人形でも食べられるお蕎麦?スーさん、やったね!」 「ふーん、まぁいいわ。私の機嫌を損ねない程度には食べられる蕎麦ね」 「流石にこれに酒は無粋かねぇ…」 「ゆっくり、じっくりと味わいなさい小町。彼の善行の象徴であるお蕎麦を」 「この素敵なお蕎麦への添え物は紅葉がいいかしら穣子」 「あら、添え物なら私にかかれば秋の味覚で何でもごされよ姉さん」 「お蕎麦の美味しさで私の中の厄が洗われていく…すごいわ」 「来てよかったでしょー?人間、もっとちょーだい♪」 「食べ終わったら、彼に詳しくレシピを聞きに行くわよ椛」 「それ以外にも何か目的があるんじゃ…ああっ、お蕎麦取らないでください!」 「蕎麦寄越せ諏訪子!あんたさっきから食べ過ぎじゃない、この牛ガエル!」 「あんだとー、ただじゃやらないよ神奈子!胸にばっかり栄養が行くくせにー!」 「お二人ともお行儀が悪すぎです!折角のあの人の手作りお蕎麦なのに…はぁ」 「今度蕎麦つゆに有頂天の桃の果実を混ぜてみようかしら」 「総領娘様、それは無粋すぎます」 「キスメ、ちゃんと食べてる?遠慮しなくていいんだよ」 「うん…ツルツル」 「妬ましいわ、美味しすぎて」 「ほーれ、酒と一緒に頂こうかね」 「よーし飲め飲め、ほれほれ歌え歌えー!」 「いやぁ~、こいつは美味しいねぇお空」 「ズズズズ…んぐ!?んぐ、んぐぅ、んぐぐぅ~!!」 「こいし、慌てずによく噛んで食べるのよ」 「でもこれ、ほんとに美味しいのよお姉ちゃん!」 番外 「ねぇここなの?例の人間が人妖にお蕎麦を振舞ってる現場って」 「ここよ、間違いないわ!ほらいるいる、個性と言うか灰汁の強いメンツが…」 「作戦開始ね。お蕎麦いただきます作戦、行くわよ!」 「下界でもそれなりの料理人がいるとは思いませんでした…」 「依姫、頬が緩みすぎよ。まぁ、私も気に入ったんだけど」 新ろだ478 「○○、やったね!」 「おめでとうおにーさん!」 「ああ、これも二人のおかげだ!ありがとう!本当にありがとう!」 橙とお燐、そして俺。三人で喜びを分かち合う。 ついにこの能力を獲得することができた。これで色々できる! で、それが何かと言えば。 『猫に変化する能力』である。 思えば長かった。数ヶ月に及ぶ修行の甲斐あってとうとう自在に猫に変化するところまできた。 ただ、欠点もある。 猫に変化していられるのは最長10分である。 これは仕方がない。そもそも俺はただの人間である。こんなことができるだけでも奇跡に近い。 というか、最初に三人で修行し始めた時はほぼ何の成果も上げられなかった。 ある時紫さんが現れて 「おまじない☆」 とかなんとか言って指をくるくる回してなんかポーズとってた。バックに星が散ってた気がする。演出? 多分何かの境界をいじったんだろう。 それからというもの、次第に猫に変化するコツというか、何かをつかむことができた。 はじめは1分ももたなかったが、うまくコントロールできるようになり、10分間の変化が可能になった。 そして今に至る。 「ところでおにーさん、猫になれるようになったのはいいとして。それを一体どういう風に使う気だい?」 「そうそう、それ聞きたい!」 「そういえば言ってなかったな。俺は猫に憧れてたんだよ。自由で、気楽で。もちろん猫には猫の苦労があるだろうけどね。ま、これは表向き」 「で、ほんとはどうしたいのさ?」 「ん、悪戯」 「…は?」 「だから、い・た・ず・ら☆」 「…○○、紫さまに変な境界もいじられちゃったんだね」 「…なんのためにこんな苦労したのかわかりゃしないよ」 「「はぁ~…」」 「何その顔。猫ってそういうもんじゃないの?第一悪戯云々は最初から俺の意志だ」 「余計タチが悪い!」 「ふふっははは。まぁまぁ、今度気の済むまで遊んであげるからさ」 「それだけじゃ足らないよ。一週間くらいはずーっと遊んでもらうんだから!」 「う…。まあ仕方ないか…」 これだけ手伝ってもらったんだから当然か。 約束をして別れた。 いやーしかし、これで色々できるなぁ。別にそこまでよ!みたいなことするわけじゃないくてな、ほんとにただの悪戯心だ。 まあ多少はやるかもしれんが。ていうかやります、グレイズギリギリまで。 さーて、明日から実行に移しますか。 翌日。昼前に家を出て博麗神社へ向かった。 「おーい霊夢ー」 「あら○○、いらっしゃい」 「今日はちょっと見せたいものがあってきたんだ」 「何かしら?」 「霊夢さん…見ててください、俺の…変身!」 「な、何?」 決めポーズをとり、あたりが煙に包まれる。 「にゃあ(ふはは、どうだ)」 「…猫? ていうか、○○なのね?」 「にゃ!(もちろん!)」 当然人間の言葉は今は話せないから鳴き声で応えるしかない。ちなみにアメショに変化した。普通の雑種でもよかったが幻想郷にいない種類のほうがいいかな、と思ってのことだ。術は意思の力である。シャムも捨てがたかったけど。 すると突然抱き上げられた。 「にゃ!?(うおっ!?)」 顔を指でつつかれたり腹を撫でられたりする。気持ちいいけどこそばゆいな、これ。 っとと、このまま懐柔されるわけにはいかん、リベンジだッ! 舌で霊夢の頬を舐めてみる。 「きゃっ!?」 突然のことに可愛い悲鳴を上げる。 「にー(俺の舌技はいかがかね)」 「あ、あんたねえ…。あー、その姿だとちょっと怒れない…」 続けて鼻同士をくっつけてすりすりしてみたりとか肉球で頭をぽふぽふしてみたりした。 しばらく悪戯したりされたりの時間が続く。 で、すっかり忘れてた。持続時間。 瞬間、人間の姿に戻った俺と霊夢の鼻同士がくっついたまま、至近距離もいいところである。 「あ、あ、あ」 「あー」 「あーーーっ!!」 全力で殴られた。愛が痛いぜ。 「なぜ殴るか」 「殴るわっ!」 おぉ、ひどいひどい。 まあいいや、これで猫になっていれば俺だと知っていてもあまり乱暴なことはできない、と。 しかし持続時間には気をつけなければ。 しかし猫化中の時の霊夢の顔、可愛かったなあ。 あんな表情見たことなかったぜ…。迂闊にも見とれてしまったのは内緒にしとこう。 さあ次だ次。 次はえーと、地霊殿方面でも行ってみるか、こっから近いし。 「あっ、ちょっと待ちなさいよ、どこ行くの!」 「じゃーなー霊夢、愛してるぞー」 「え、あ……」 ボーッとし始めた霊夢を後にして地霊殿へと続く穴へ向かう。 相変わらず寒いな、ここ。 しばらくまっすぐ歩き続ける。 やがて橋が見えてきた。と同時にお目当ての人物を見つけた。 「おーい、パルパルー」 「変な呼び方しないでちょうだい、気さくに呼ぶなんて妬ましい」 「まあそうカリカリするな、今日は是非見てもらいたいものがあってな」 「何よ?」 「ふふふ、見て驚け」 「変…身!」 煙と共に猫が姿を現す。 「…○、○なの?」 「(こくり)」 そして一目散にパルスィの胸に飛び込む。目標ぱるおっぱい! 「ちょっ!」 パルパルさんあったけぇ。霊夢に負けず劣らずいい匂いするし。妬ましい! 「…○○?」 「んむー?(なんだ?)」 「あなた猫になってまで私にこうしたかったのかしら?妬ましいわ、あなたの情熱が」 「にゃ!?(い、いや、確かに悪戯はするつもりだったがあくまで猫になるって手段が(ry ていうかどうしたんだ急に?)」 え、ちょ、なんで頬紅いんですか?腕に力入っちゃってるよ! 逆にパルスィが俺を離そうとしてくれない。このままじゃまずい、変化が解けたらまた痛い目に合う。俺の頬に紅葉が浮かんでしまう。 そして抵抗もむなしく変化が解けてしまった。 「ふふ、○○……」 「あの、パルスィ」 「なぁに?」 「嬉しいんだけどそろそろ離してもらえないかな……」 「嫌よ、このまま離したら手を離してしまった自分が妬ましくなるもの」 「あ、あー…」 「私はね、○○。あなたがここに来る日がいつもいつも、待ち遠しかったの」 「パルスィ……」 「ふふ、でもたまには猫もいいわね」 ミイラ取りがミイラになった、とは違うが。ううむ。 しかしパルスィがここまで積極的だとは思わなかったし、今こうして彼女に抱きしめられているとどうでもよくなる。 あったかい。寂しかったのかな、俺は。 もっと強く、パルスィをこの身で感じていたい。 その頃の霊夢 「ちょっと何よあいつら!人が追っかけてきてみたらあんなとこで堂々とイチャついて!妬ましい!」 あとがき 途中で力尽きた。誰メインなのかわかんないし。 糖分は少ない、と思う。
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ハーレム?22 新ろだ891 エロゲ脳万歳! 一回目 不意に、立ちくらみがした。 その場に立っている事すら出来ず、思わず膝を付く。 グワングワンと世界が揺れる。 一応言っておくが、飲みすぎたなどという事は無い。 酒は飲んでも飲まれるなが座右の銘な俺に限ってそんな事は起こり得ないのだ。流石に鬼や天狗に絡まれれば話は別だが。 数分後、少しはましになったとはいえ今尚揺れる頭を幻想郷生活で培われた根性で抑えつける。 この程度なら屁のツッパリにもならんですよ。鈴仙の無差別にばらまかれる狂気に比べればな……。 それに自室でいつまでもしゃがみ込んでるとなんか俺の右腕よ……静まれ! みたいでアレじゃないか。 そんなところをブン屋こと文にすっぱ抜かれて悶死したくないので、気合で立ち上がる。 健気極まりない俺の目に飛び込んできたのは、一瞬にして余りにも大きく変化していた景色だった。 俺の家から、俺の家へ。 こう書くと日本語で話せ。ここは幻想郷だとか言われそうだがこの言葉に嘘はない。 幻想郷での俺の家から、向こう側での俺の家へ。 細部こそ記憶のそれと違うところはあれども、ここは間違いなく俺の実家の俺の部屋だった。 二十年近く住んだ家であり部屋だ。見間違うはずも無い。 つまりこれはそういう事なのか。 問答無用の強制送還とか聞いてないっすよ紫さん! こっちに帰るのは嫁さんを見つけてからって決めてたし、それを無しにしてもせめて皆に別れの挨拶くらいしてもバチは当たらな いと思う。ご丁寧に服まで新調してくれちゃってまあ。学ランとか嫌がらせ以外の何者でも無いだろ。 あー、結構な期間蒸発してたから家族に会うのも気まずい……。 「……さん、起きてる?」 とまあこんな感じで凹んでいたら、ノックの音と共に聞き覚えのある声が聞こえた。 声は女性のものだが、流石にお袋って事はないと思う。 幾らなんでも声が若すぎるし、向こうは俺が戻った事を知っている筈が無い。 そも俺が向こう側に迷い込んだのは一人暮らしを始めてからだ。この家にいる時期じゃない。 そう、俺の耳が木偶になったのでなければ、この声は。 「咲夜か!?」 「あら、起きてたのね。目覚ましも無しに起きるとか明日は槍でも降るのかしら」 紅魔館が誇るぱーへくとめいど、十六夜咲夜嬢がそこにいた。ただしブレザー着用。 メイド服じゃない姿を見るのは初めてじゃなかろうか。 普段と違い年相応に、もとい外見年齢相応に見える。実年齢何歳なんだろうな。 ……いやいやいやいや。なんでコイツがここにいる。 まさか俺の部屋だけ紅魔館に持ってきたとかそういうオチなのか。すごいよゆかりん! 「なるほどなるほど、そういう事か。流石の俺も自室を召還とは恐れ入ったね。しかしなんで俺に一言もなしに? ていうかなんで 紅魔館に? これからここで住めばいいの? それはともなくブレザー可愛いな」 「義兄さん……寝ぼけてるの?」 「兄さん? 咲夜の? 誰が? どこに?」 続いて衝撃の事実発覚である。咲夜の兄。文でなくとも興味の沸くキーワードだ。 やっぱり銀髪で時間操作とか出来るんだろう。 そして当然の如くイケメン。世界は平等なんかじゃない。 「何言ってるの? 義兄さんは義兄さんでしょ、○○義兄さん」 「……俺かよ。しかも義兄かよ」 「他に誰がいるのよ。それとも私の義兄さんはいつの間にかプラナリアよろしく増殖でもしたのかしら? 私は一人いればそれで十 分なんだけど」 とても嘘や冗談で言っているとは思えない。 義兄という微妙なイントネーションを聞き分ける俺も正直どうかと思うが、咲夜は一体どうしたんだ? 言うまでも無く俺にはリアル妹すらいないのに義妹とかいう珍しすぎる家族を持った覚えは無いし、そんな事実も無い。 それを顔見知りが言ったのだからその驚愕度は倍率更にドン。場所が俺の部屋って事で更にドン。 あ、俺テンパってる。 「……悪い、理解出来ない。罰ゲーム? ドッキリ? なんで咲夜がブレザー着て俺の部屋に?」 「はぁ、珍しく早起きだと思ったらこれだものね。ご飯用意出来てるから早く顔洗ってくること。新学期早々遅刻なんて私は問題無 いけど義兄さんのせいで私がからかわれるのは御免だわ」 そう言って咲夜は出て行ってしまった。 聞きましたか奥さん。遅刻ですってよ遅刻。 ハハッ、ワロス。 俺に学ランまで着せて、最近の流行はそういうプレイなのか? 「こちとら学生生活はとっくにそつ……ぎょ……」 苦笑しながら窓の外に目を向けてみればそこは自然豊かな、どころか自然しかない紅魔館周辺ではなく、閑静という程では無いが どこにでもあるような住宅街。 当然そんなものが幻想郷に存在する筈も無く。 理解不能理解不能。デデデデストローイナーインボー。世界は核の炎に包まれた。 どうしよう、まったくもって意味が分からない。 考えるのを止めれば幾らか楽になれるのかもしれないが、まだ諦めるには早すぎる。 俺達の戦いは始まったばかりなのだから。 そうだ、こんな時こそ魔法の言葉の出番だ。 これ一つで大抵の問題は解決する素敵な魔法。 「なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ」 ……。 「えーりんえーりん助けてえーりん!」 ……。 「あのぉ~、ちょっとぉ~、こういう事止めてもらえませんかぁ~? 僕困るんですけどぉ~、まったくぅ~もぉ~」 …………。 自分を捨ててまで祈ったのに反応が無い。欝出し脳。 もういい、知らない。 強制送還とか咲夜が義妹とかいう超展開も傷心の今はどうでもいい。寝よう。 目が覚めたら全部元に戻ってるだろ、多分。 ああでもブレザーの咲夜という希少価値の高すぎるものを見れたのは少し嬉しかった。 魔理沙辺りにでも自慢するとしよう。流石にブレザーは幻想郷に流れてきてないだろうしなー。 「ではお休みなさい。今日も○○が一日をお送りしまし……オーケー冗談だ。冗談だから首筋にナイフを当てるのは止めてくれ。俺 は実は人間だから頚動脈切られたら死ぬんだ。ルミノール反応で部屋中が綺麗になっちゃうんだ」 「……いきなり変な叫び声が聞こえたから何事かと思えば」 背後から溜息と共にこれだから義兄さんは……という咲夜の呆れた声が届いた。 この世界は現実逃避すら許してくれないのか。鬼畜にも程があるだろ。 ええはいはい認めます。認めますとも認めりゃいいんでしょうが。 ここはどういう訳か幻想郷の外でここは俺の家で咲夜が学生でしかも何故か俺の義妹になっていて俺は○○なんですね。 もーなんだよこれ。しまいにゃ泣くぞ。 「で? 親父とお袋は?」 「義父さんと母さんならテーブルで義兄さんが来るのを待ってるわよ」 え、義父さんって……再婚!? なんてこったい。俺はまたてっきり養子か何かとばかり思っていたんだがそっか、再婚か。 親父に限って不倫とかはまず無いだろうし問題無いな。義母さんが美人だと俺によし。 ただまあ……お袋の顔が見れないってのは少し、寂しいな。 ――。 何てことの無い普通の朝食の席。 今日の献立はアサリの味噌汁に焼き鮭にほうれん草のおひたしにおきゅうと。 ……豪勢すぎる。なんだこれは。咲夜の罠か。 だがそれ以上にテーブルの、しかもちょうど俺の対岸で激しく自己主張するものがあった。 それは一組の夫婦のものであろう、遺影と遺牌。 ただどっちも知らない顔な訳ですが。 貴方達は一体どちら様でしょうか。 良かった。本当に良かった。 これが実の両親の遺影だった日には流石に平静を保っていられる自信がない。 「義父さん、母さん、遅くなってごめんなさい……じゃあ、いただきます」 「……いただきます」 遺影にどう反応してよいのか分からないまま炊き立ての白米を口に入れる。 刹那、魂が警告を発した。これは毒だ、と。 これは心を犯し、体を腐らせ、魂を堕落させんとす猛毒だ。 あまりに危険すぎる。これを世に放ってはいけない。 これが……これが紅魔館が幻想郷に誇る完全で瀟洒な従者の力だというのか! 「義兄さん、どうしたの? いきなり立ち上がって」 「ご飯おかわり」 「もう!? どんだけ早いのよ……」 いや実際やばいです。凄い美味しいです。メシウマとかそんなレベルじゃありません。 このままでは俺が咲夜に餌付けされるのも時間の問題かもしれません。 ――ピンポーン。 「ん……出てくるわ」 「ああ義兄さん、気にしないで大丈夫よ」 え、いいのか? まあ咲夜がそう言うのならそうなのだろう。 「しかしなんだな、流石は咲夜と言うべきか」 「どうかした?」 「どれもこれも抜群に美味い。……うん、美味い」 「そう? いつもと同じだと思うけど。まあ義兄さんは起きるのが遅いから味わって食べる機会は少なかったかもしれないわね」 ――ピンポーン。 「いやいや、こんな美味い飯を朝から味わって食えるなら毎日だって早起きしようじゃないか」 「そりゃどうも。褒めても何も出ないしおかずもわけてあげないわよ」 ――ピンポピンポーン。 「これからも毎日俺の為に味噌汁を作ってくれればそれでいいよ」 「……考えておくわ。ていうか偶には義兄さんも手伝いなさいよ」 「別にいいけど、俺が手を加えると折角の晩餐がもれなく漢の手料理になるぞ」 「ふふっ、期待しとくわ」 ――ピンポピンポピンポーン。 「……なあ、本当に出なくていいのか?」 「ええ、また新興宗教の勧誘とかそんな所でしょ。ほんと毎日しつこいわよね。ナイフじゃ足りないのかしら」 ――ピピピピピピピンポピンポピピンピーンポーピピピピピンポピンポピンピピピピピピンポーン。 うわ連打してる。凄い勢いで連打してる。 幾らなんでも宗教勧誘にしちゃしつこすぎる。 まさか俺の家って張り付かれてるのか? 確かに咲夜は時間停止とか並じゃない力持ってるけど。 にしたってこれは折角の飯が不味くなる。 「○○さーん! 起きてくださーい! 朝ですよー!」 ちょっとガツンと言ってくるか、という決意と共に立ち上がった瞬間、またもや聞き覚えのある大声がご近所に響き、咲夜の持っ ていた箸が手の中でベキリと音を立てて真っ二つになった。 声の主の名は恐らく東風谷さん家の早苗さん。 現人神でありながら魑魅魍魎の集う幻想郷では常識的という言葉を体言するような……そう思っていた時期が俺にもありました。 どこをどう間違ったのか、ある日を境に彼女はちょっとアレな子になってしまったのだ。 普段はまともなんだけどな。ミラクルフルーツ。ライスシャワー。 そしてこの世界でもやっぱり彼女はちょっとアレな子らしい。 奇しくも宗教の勧誘といった咲夜の言がある意味間違ってないのが泣ける。 でもきっと彼女の根は優しくて素直ないい子なんだ、そうに決まっている。そうであってくれ。頼む。後生だ。 「○ー○ーさーん!」 「……兄ちゃんちょっと行ってくるわ。勧誘員さんは俺をご指名みたいだし」 「私が出るから義兄さんは座ってご飯食べてて」 そう柔らかく微笑んで咲夜は消えた。咲夜のあんな表情を見たのは初めてだ。 不覚にも見惚れそうになったのは俺だけの秘密にしておこう。 が、消える瞬間の彼女は目が赤かった気がする。 ……念仏でも唱えておこうか。手と手の皺を合わせて幸せ。南ー無ー。 「あ、お早うございます十六夜、さ、ん……? えと、どうしちゃったんです? 私の目がおかしくないのなら、十六夜さんの目の 色が怒り狂う王蟲の如く危険色なんですが」 「お早う、東風谷さん。分かる? 貴女に今の私の気持ちが分かる? 分かってくれるわよね? じゃあさようなら。皆には東風谷 さんは故郷の風の谷に帰ったって伝えとくわ」 「そんな他人行儀に畏まらなくても。いずれ姉妹になるんですから、私の事は早苗お姉ちゃんって呼んでくださいっていつも言って ちょ、待っ、ナイ……多……避っ……無……死!?」 妙に盛り上がってるな。え? 止めろって? またまたご冗談を。軽く10回は死ねるから。 しかし今度は早苗さんと来たか。 いよいよもってどういう世界なんだ。 事ここに至っては俺も鬼札を投入せざるを得ない。このままでは俺の脳がオーバーフローでリミッター解除でAMSから、光が逆流 する……! ギャァァァァァッ! で大変な事になってしまうからだ。 今から俺が曝すのはブン屋との賭けでイカサマを使い巻き上げたとっておきの極秘情報。 これを幻想郷中にばらまけばそれこそ全てが崩壊しかねないほどのもの。 そんな事が俺に出来るのか? 出来るか出来ないかじゃない。やるしか無いんだ。 やぁーってやるぜ! ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 「大妖怪、八雲紫女史の年齢は――」 ――ピチューン。 ご愛読ありがとうございました。○○先生の来世にご期待ください! 「……はっ!?」 なんだなんだ、今何が起こった!? 確かに俺は何かを言おうとした、いや言った筈なのだが、そこから先の記憶が無い。 この事態を打開するためのとっておきの切り札を使った筈なのに。 果たして俺は一体何を言ったのか。ブン屋から何を巻き上げたのか。今となっては全く思い出せない。 残ったものはポケットの中に入っていた「次は殺す。必ず殺す」と血文字で書かれたメモのみ。 どうやらさっきの俺は恐ろしい事をしでかしてしまったらしい。 ……この件は無かった事にしよう。忘れるんだ。俺の身の安全の為に。 俺が我が身に襲い掛かった戦慄に身を震わせていると、気づけば咲夜は席に戻っており、早苗さんがぷりぷりと頬を膨らませなが ら茶の間に入ってきた。 ……早苗さんもブレザーか。流石は現代っ子とでも言おうか、見事に違和感が無い。 頭に数本ナイフが刺さっているのはきっとスルーでいいんだろう。見たところ血も出てないし。 「酷いですよ十六夜さん。軽いお茶目じゃないですか」 「まあ大変、痴女が不法侵入してきたわ。義兄さん、110番通報お願い」 ういういラジャー。 「○○さん! 何受話器手にとってるんですか!? 十六夜さんも十六夜さんです! 兄妹揃ってそういう笑えない冗談は止めてく ださいっていつも言ってるじゃないですか!」 「え、冗談だったの?」 「まさか。本気も本気よ」 「ああ、諏訪子様、神奈子様、世俗の風は早苗には少しだけ冷たすぎるようです……」 ヨヨヨと泣真似しながら力なく崩れ落ちる早苗さん。 なんだこのテンション。朝からこれはちょっとついていけない。 まさか酔ってんのか? いやでも早苗さん下戸だし。 今の彼女を見ればまさか彼女が現人神という尊い存在だとは誰も思うまい。他ならぬ本人が楽しそうだからいいけどさ。 しかし、比較的まともと言えるこの二人がこんな調子じゃ、他の癖のありすぎる他の連中はどうなってる事やら……。 ○○ 主人公。という設定。 トップクラスにアレ。 十六夜咲夜 ○○の義妹。という設定。 ちょっとアレ。 東風谷早苗 ○○の幼馴染。という設定。 結構アレ。 八雲紫 ??? これ以上無いってくらいアレ。 新ろだ923 「だから~やっぱりあの講義での課題は……」 「そうですかね? あの課題はこの観点から見れば……」 「あら、もしかしたらこうなるかも知れないわ」 早朝、何時もの様に電車待ちの列最先頭に立ちながら大学の課題について話し合う私達。 蓮子は自分の主張が正しいと持論を曲げず、私は蓮子の理論の弱点を突く。 そうするとマエリベリー(メリー)が蓮子を助けながら持論を展開させる。 何時もの大学生の登校風景、私にとって何でもない日々の始まり…… それが誰かの悲鳴によって壊されるまでは。 「だからですねぇ蓮子「キャァァァ!!」……なんだ?」 悲鳴が上がった方を見ると、線路に誰かが転落していた。 ホームの調度中間辺り、階段があって一番混雑する場所だ。 「ちょっと……あれまずいんじゃない?」 「嘘でしょ……いや、まずいとかの問題じゃ……」 落ちたのは子供らしく、半分呆然としている。 ホーム上にいる大人達はうろたえるだけで、誰も助けにいく気配も無い。 間もなく電車が参ります との声が無情にもホームに響く。 「ママー!!」 子供が訳が分からないのか泣き出した。 母親は母親でうずくまるだけで何かする気配も無く、子供の名前を言っている。 押してしまった大人達は俺じゃない! 等青い顔で責任逃れに全力を上げている。 「蓮子、荷物頼みます」 「え、ちょっと○○!?」 ああ、周囲みたいに慌てていれば助かるのに。 自身でも驚く程頭は冷静な呟きを残す。 ただし体だけは意思と切り離された様に走り出していた。 「メリーは非常停止ボタン!!急いで!」 「わ、分かった!」 ホームをかけながら指示を出し、うろたえるだけの大人達を尻目にホームから飛び降りる。 「びぇぇぇ……!!」 「ほらほら……安心しろ、助けてあげるから」 安心したのか、強く泣き出した子供を咄嗟に抱え上げ、 砲丸投げよろしく子供をホーム上にぶん投げる。 よし、後は自分が逃げるだけ…… 「○○!! 横!!」 「っ!?」 急停車しようとブレーキを全力でかけた電車が迫る。 車輪とレールが摩擦で火花を散らせながら抗うが、スピードはそう簡単には落ちない。 退避用の窪みも後ろにあり、今から飛び込むのも無理だろう。 「蓮子! メリー!」 咄嗟に叫んだ言葉は悲鳴でも、断末魔の叫びでもなく、何時も隣に居てくれた彼女達だった。 「ありがとう! すまない」 こんな時まで某ゲームのチャットを言ってしまう私に呆れながら、 迫り来るライトに目を眩ませ…… 世界が真っ黒になった。 翌日の新聞には大きな見出しで 『神隠し? 勇気ある青年、少女を救い忽然と消える』 『目撃者が語る、 空間の歪みとは?』 『現代科学で説明出来ない、大勢の目の前で人が……』 ……生きているよね? あんた、こんな事で死んだりしたら駄目なんだからね? 私……諦めないから、あんたがちゃんと死んだって分からない限り諦めないから。 ……早く帰ってきなさいよ……○○……! 良くやったとか、大変だったねとか、そんな言葉…… 上辺だけで、あの時何もしなかった人達の言葉なんて嬉しくもなんともないよ…… だから、とっとと帰ってきて、お疲れって一言で良いから言ってよ、その方が何万倍も嬉しいよ! 蓮子の願いも空しく、○○はその後も姿を現す事は無かった。 ○○の両親は、訪れた蓮子やメリーを攻める所か、日頃良くしてもらった事に礼を述べ、 彼女達と同じ様に○○の生存を信じていた。 なに、信じていればひょっこり帰ってくるさ。 私達の息子だ、そうそう簡単に死にはしないさ…… だから蓮子ちゃん、マエリベリーちゃん、あいつの事、あんまり気にしないで良いのよ。 そう、○○は生きている。 ただ、彼女達の信じている世界では無く、他の世界に迷い込む形で…… 「あら、何の音かしら?」 そう呟いたのは館の住人。 時の流れに取り残されて、人と違う自身を呪い、そんな世界を捨てた人間。 「何? 今の音……全く、また魔理沙かしら?」 椅子から立ち上がり、糸を手繰り寄せて数体の人形を従える。 人里離れた森の中、あまり他人に干渉せず、一人人形の研究を続ける魔法使い。 「……? 何か物音が……」 走らせていた筆を止め、縁側から見える空に目を向ける。 幻想の出来事を書き留め、見た物、聞いた物を延々と書簡に纏める人間。 さあ、死にゆく運命だった者よ。 貴方の中に見えた『ナニカ』を私は見出したわ。 そのナニカを気に行って、私は貴方をこの世界に連れ込む事で助けたわ。 後は……貴方が…… 言い訳という名のあとがき 正直ごめんなさい、思いつきで書いたらこんなことに…… さ~て、メインヒロイン考えた所上記三人が出来てました。 早苗さんも入れようか迷った所、流石に四人書くのは無理、という事で…… 見ている早苗ファンの方、居たらごめんなさいorz さあ、次回予告逝ってみようか~ 死ぬ筈であった○○、痛みに耐えて木が付くとそこは見慣れぬ天井…… 気が付きましたか? その声に導かれ顔を動かすとそこには居たのは、物静かそうな少女。 果たしてここは何処なのか、そして自分はどうなってしまったのだろうか? 次回第一話 「迷い込んで ここは何処?」 さて、風呂敷広げちまったぞ…… 新ろだ926(新ろだ863続き) 「ほら、早くしなさいよね」 「はいはいわかってるから慌てないの」 「そうやって子供扱いしないでよね!今日はデ、デートなんだから!」 「あー……わかりました」 「それじゃあ、いってきまーす」 「いってきます」 「……いいの?」 「妹に譲るのは姉の務め、でしょ?先手くらいはあげなくちゃ、それ以降は知らないけど」 「そう」 果たしてこの先どうしたものか。 3日前に決められた彼女達とのデート。 最初はリリカちゃんとのデートとなった。 紅魔館でのコンサートに何かしらの影響があるかと思ったが 普段と変わらぬ盛況で安堵した、気になる事といえば 「音が少し変わったわね。最近何かあったでしょ?」 と十六夜さんに言われた事だろうか。 言えるわけがないので適当にはぐらかしたが判るものなのか…… マネージャーとしている癖にそういうのがわからないんじゃ駄目だよなぁ俺。 とか思っていると 「いたっ!?」 腕を抓られた。 無論抓った相手は隣で頬を膨らませているリリカちゃんだ。 明らかに不機嫌そうなのは誰にでもわかるだろう。 「デート中に何を考えてるのよ!」 「す、すみません……ってリリカちゃん!?」 ぶすーっとしつつもぎゅっと俺の腕を抱きながら歩き始めるリリカちゃん。 その手には何やらバスケットが、何が入っているのか。 顔は真っ赤で今にも火でも噴き出さん勢いではある。 しかしぎゅっと俺の腕を掴む力は強い、離さないといわんばかりに。 「い、今は他の事は考えないで私だけを見て。 見てもらえないのは、聞いてもらえないのは……寂しいんだから」 リリカちゃんの表情が曇った。 この表情を見るのは2度目だ、初めて彼女達と会って間もない時と今回。 彼女達の音楽は特殊で3人まとまって初めてまともに人が聴ける物となるらしい。 それ故場所を選び、そしてリリカちゃん自身の演奏もまた技術は高いが心に響かないと酷評を受けた。 そんな時に俺は彼女達と出会った。 俺は音楽の事はわからない、けど彼女達の演奏を聴いて俺は感動した。 何故だかは俺にもわからない。しかし俺は涙ながらに感動したのだ。 それからというものこの感動を誰かに伝えたい、彼女達にどこでも演奏をしてほしいという思いからマネージャーとして行動を決意した。 今では人里での公演も可能となり、彼女達は人に聴かせられる曲を制作している。 酷評を受けたリリカちゃんも今は認められているそうだ、一重に彼女の努力の賜物だと思う。 「○○のおかげだよ?私達がこうしていられるの。 思えばあの時私を元気づけてくれた時から好きになったのかもしれない」 元気づけた……あぁ、あの時か。 霧の湖で一人座り込んで湖面を見ているリリカちゃんを見つけ、声をかけた時の事だ。 彼女は悩んでいた、技術だけでは駄目、でもどうすれば心に響く演奏が出来るのかと。 俺は頭を撫でながら確か…… 「相手の事を思いながら演奏すればきっと伝わるよって言ってくれた時、私は気付いたんだ。 何時の間にか自分の為だけに演奏してた事に。だからそんなのが聴いてくれてる人の心に何か響かない事に」 そうだ、そんなような事を言った。 その時は子供扱いしないで、って手を払い除けられてどっかに飛ばれてしまったけど…… 俺の言葉は彼女に通じていてくれたのか……よかった。 「俺は自分が思った事を言っただけだよ。 そこからはリリカちゃんが頑張ったからさ」 「いいの、○○のおかげで。 それと……今はリリカちゃんって呼ばないで」 真剣な眼差しでこちらを見つめてくるリリカちゃん。 「ねぇ○○……あなたにとって私は妹みたいなものでしかないの?」 末っ子だからという理由ではない。 そう、自然とリリカちゃんをまるで妹のように俺は接していた。 当然彼女は俺を兄のように、とはおそらく思っていなかっただろう。 彼女達の言葉が真実なら、彼女はずっと俺を一人の男として見てきた事になる。 彼女からすればそれは……叶わぬ恋と言われるかもしれない問いである。 しかし、しかしだ。 「……俺は今まで君の事を妹のように思ってたのは事実だ。今更否定しないよ。 でも、ね。この前言った通り今はわからないんだ、自分の気持ちが」 だからこそ、ちゃんと答えてあげないといけない。 「だから、リリカちゃ……リリカを好きなのかも今はよくわからないんだ。 ごめんね?せっかくのデートなのに」 「ううん、そうやって真面目に答えてくれるのも○○のいいところ。 それに、これから私を好きになってくれるかもしれないんでしょ? その為のデートだもん、だから今日はいっぱい甘えるよ?」 笑顔で俺の腕を抱くリリカちゃんに俺は安堵と嬉しさを覚えた。 彼女は強い、これからどんな答えが出るかわからないのにこんな笑顔を見せてくれるんだから。 そんな強さに俺は今惹かれ始めていた。 ……何か節操無く3人に惹かれそうで困る。 「あぁ、どんとこいだ。 素直なリリカを見るのもいい機会だしね」 「むっ、私のどこが素直じゃないのよ」 「……ノーコメントで」 「酷いー!」 はははっと俺も笑う事が出来た。 うん、もう大丈夫だ。 彼女達は真剣に、純粋に俺に告白してくれたんだ。 ならば俺はそれに真面目に答え、そして答えを出せばいい。 それが例えどのような結論であろうとも、出さなきゃいけない事だから。 「○○?何また考えてるのよー!」 「痛いって!ちょっと決意を新たにしただけだから!」 「そういって姉さんとかの事考えてたら許さないんだからぁ!」 腕を離してあっかんべーと先を行くリリカちゃん。 本当なんだがなぁ、と言いながら追いかける俺。 これがデートなのかどうなのかはわからないがこういうのが俺とリリカの場合はちょうどいいかもしれないな。 「はい到着」 「おぉーこんなところが」 リリカちゃんに案内されて来たのは妖怪の山に近い丘だった。 そこは幻想郷の風景を一望できる素晴らしい場所だった。 「いいでしょ?ここは私のお気に入りの場所なの」 「あぁ」 丘の上にちょうど良く立っている木に寄りかかる様に二人で座る。 「ふぅ……なんかようやく落ち着いた感じだ」 最近コンサートの予定だったり家での事だったりであまり落ちつける時間を持てなかった気がする。 「最近コンサート多かったからねぇ……あ、そうだ。そろそろお昼にしない?」 「?あぁ、腹が空いたとは思ったけど食べ物なんて……」 というとリリカちゃんがふっふっふっと言いながらバスケットを取りだした。 そしてじゃーんと言いながらふたを開いた。 中身は何とサンドイッチとサラダなどの料理の数々。 形が崩れていたりしているものの頑張って作ったんだという感じがする。 「もしかしてこれ、リリカちゃ、リリカが?」 「もっちろん!……少しだけルナサ姉さんに手伝ってもらったけど」 少し……じゃないなんだろうなぁ。 リリカちゃんが料理しているところを俺は一度も見た事無いし。 まぁでもわざわざ用意してくれた事には変わらない。 「じゃあさっそくいただかせてもらって」 「ど、どうぞ……形は悪いけど……召し上がれ」 とりあえずサンドイッチを取ってみる。 真っ赤な顔で凝視してくるリリカちゃんが可愛いと思いながら口に運ぶ。 もっきゅもっきゅ…… 「うん、美味しいよリリカ」 「ほ、本当!?よかったぁ……」 ホッと胸を撫で下ろすリリカちゃんにどうぞ、という意味で別のサンドイッチを出す。 「はい、あーん」 「ちょ、そ、そんなはずかし……あう……あ、あーん!」 楽しい昼食は食べさせ合いで流れていった。 真っ赤な顔で食べたり食べさせてくれたりなリリカちゃんは凄く可愛かった。 「ふぅ……いい景色だなぁ本当に」 「一度見せたかったんだ、○○に」 昼食を終え、二人でとりとめのない話をしながらまったりと幻想郷の風景を見ていたら何時の間にか夕暮れに。 こんなまったりと時間を過ごしたことなんてなかったなぁ。 「○○……」 「ん?何だい?」 改まってリリカちゃんの顔を見ると何やら真剣な顔だった。 「あの、その……私は○○が好きです。 だから、あなただけに送る演奏、聞いてほしいの」 真っ赤な顔であるものの、真剣な顔でこちらを見るリリカちゃん。 無論、 「喜んで」 俺が断る理由なんて無かった。 「……」 そして始まったリリカちゃんの演奏会。 幻想の音を演奏できるという能力を持ったリリカちゃんらしく今まで聞いた事がない音による演奏だった。 しかし俺は落ちついて彼女の音に耳を傾ける。 彼女の思いが調べとなって俺に届いてくるのがわかる。 彼女の思いを俺はしっかりと受け止めなくてはならないから。 そして彼女の演奏が終わる。 俺は拍手で彼女を迎えた。 「私の気持ち……受け取ってくれてありがとう」 「礼を言うのは俺だよ、ありがとう。 確かにリリカの思いは受け取ったよ」 「それじゃ最後にもう一つ……んっ」 奇襲的にリリカちゃんに口付けをされた。 絶対に離さないと言わんばかりに俺の頬をロックしながら。 甘んじて俺は彼女の口付けを受ける。 おずおずと舌を入れてくるリリカちゃんに答える。 「んっ……んちゅ、ちゅ、んん…ぷはぁ…これで私の番は終わり」 「ん……積極的になったなリリカ」 「誰のせいだと思ってるのよ。 ○○が気付いてくれないから私達が積極的にならないといけないんじゃない」 面目次第もない。 俺は苦笑しながら頬をかくことしかできない。 「さ、帰ろ。 本当はずっといたいけど約束だものね」 「あぁ、帰ろうかリリカちゃん」 「あー!またちゃんづけ!」 「あーごめん!いや痛い!痛いから!」 ぐーで殴りかかってくるリリカちゃんから逃げるようにして丘を下っていく。 無論リリカちゃんも俺を追いかけて下がってくる。 けれどお互いに笑顔だ。 俺達はこんな感じがあっている。 彼女への好意が果たしてどういったものなのか。 リリカちゃんの思いを受け取り、考える事が増えた今夜は眠れない夜になりそうだな…… 新ろだ1003 プロローグなのに長くなってしまったのは秘密 ※この小説の登場キャラは大抵ショタコンです 覚悟がある人は少年の気持ちになって読み進めてください 劇場版ショタ化○○ 登場人物 ○○ 何のことはない、一般人であるそれだけ 命蓮寺に居候の身である 理由・家が火事で燃えた 寺の善意でお部屋借りてる その他東方キャラ御一行 説明いらねぇ 朝起きたら…ってのはよくあるけど僕はそうとは思わない なにも朝起きた時以外にも自分の体にとてつもない変化は訪れるものだ ○○「あー…よく寝た…」 チュンチュンと小鳥の鳴く声でさえ起きるほど浅い眠りになっていた 上半身をゆっくり起こして、うーんと伸びをする あれ?おかしいな…僕の声が高くなってる、風邪ひいたか? ○○「…ふぁぁ…永遠亭に薬でも貰うか?」 ナズ「失礼するよ、○…○…」 と、ガララっとふすまを開けてナズーリンが入ってきた 僕を見て完全に硬直している、そんなにひどい顔してるのか…? ナズ「…え?君は…○○の子供か誰か?」 ○○「は?何を言ってるんだ?僕に息子なんかいないぞ?」 ナズ「…じゃあ君が○○だって言うのか!?」 なんだなんだ?しっかり者のナズーリンがまだ寝ぼけてるのか? 星「なんですかさわがしいで…す…」 騒ぎを聞いて星さんも来て、僕を見てまた固まった ○○「…え?何?」 さすがに不安になってきた 星「…○○さん…?あの…鏡を見てはどうですか…?」 ○○「はぁ…そうですか…」 さっぱり意味がわからない…とりあえず僕は立ち上がった そして違和感を感じた… ○○「あれ?この部屋こんなにでかかったっけ?」 ナズ「はい○○、鏡」 ○○「え、ああ…え゛!?」 鏡を見て呆然とした… まるっきり少年の顔になっている僕、あわてて体を見たら身長が明らかに低くなっていた まさか俺が朝起きたらの典型的パターンに(以下略 今僕はいつものようにみんなで朝飯食ってる、いつもの風景だ… ○○「…」白蓮「…」ぬえ「…」星「…」一輪「…」水蜜「…」ナズ「…」 みんなが無言で僕を見つめて、僕が少年になったことを除けば ○○「なんで僕小さくなってるんだ…?」 白蓮「さ、さあ…?かわいいからいいんじゃないですか?」 ピシっと…空気が凍った ○○「カワイイ?ハハハゴジョウダンヲ」 男が可愛いといわれるとはこれいかに 白蓮「い、いやその…と、とっても愛らしい姿だと思いますよ!?」 ナズ「聖、追い打ちです」 男のプライドが音を立てて崩れ去った ぬえ「…!(いじめチャンス!)…ほんとかわいいよね~…今のか弱い○○なら食べちゃいたいかも」 プライドが粉になった 水蜜「な、何を言ってるのさ!…あ、でも…里の子たちと比べてみても相当可愛いかも…」 プライドが水に溶かされた 星「やめてあげてください!…しかし、○○が子供の頃、こんなにも愛らしかったのですか…」 プライドが卵と混ぜられた 一輪「純粋にかわいいですねぇ、つやつやの肌でうらやましいです」 プライドがフライパンで焼かれてホットケーキになった 白蓮「ま、まぁ、解決策はそのうち見つかりますし!気を落とさないでください! 私たちが生活の不便はサポートしますから!」 ああありがとう聖さん、ただ落ち込んだのはあなたたちがプライドを料理したからです… ぬえ「ああそれはそうと…○○が元に戻るて言うならそれを私は邪魔するよ?」 ぬぁんだと?聞き捨てならねぇ ぬえ「いや邪魔するのがすきだし、なにもかわいい○○から戻さなくてもいいんじゃない?」 星「一理あるかも…」 一輪「言えてるかもですねぇ…」 ナズ「…ごめん○○、主のほうにつかなくちゃいけないんDA☆」 白蓮「それは駄目です!あるべき姿に戻すべきですよ!」 水蜜「白蓮のほうに賛成ー!」 まさかの二対四で多数決が傾いてしまった 主に俺が不利なほうへ ○○「…え、なにこれ?新手のいじめ?」 白蓮「気にしないでください○○さん!きっとすぐ戻りますよ!じゃあまずは、永遠亭の薬屋さんに状態を聞いてみましょうよ!」 言われるがままに僕は白蓮について行った 白蓮「軽くて楽でした♪」 ○○「…おんぶされるとは思いませんでした」 恥ずかしさで俺死んじゃう 永遠亭のお医者さんの診断結果 スキマパワーで介入できません あのスキマに解除する気がないなら一生このままです ○○「…orz」 白蓮「だ、大丈夫です!あの人もきっとすぐ戻してくれますよ!」 ああ励ましの言葉が温かい、今さっき永遠亭で心が凍った僕に何よりも温かい言葉 具体例 永琳さんの目はまさに肉食動物が獲物を見つけたそれだった うどんげさんが頭をフル活用してくれたから部屋から逃げだせた、が、こんどはうどんげさんが 僕を部屋に連れ込みおしたおされた。そして今度は黒髪のお姫さまっぽい人に連れ去られて あわやあれの危機と思われたその時うさ耳少女が助けてくれた お礼としてお小遣い上げたらセンキューといって安全な白蓮さんのもとまで送ってくれた あのうさ耳少女は名前は知らないけどきっと名高い親切少女に違いない な、なにをいってるか(ry ○○「なんでみんな僕を狙ってきたんだろう…?」 白蓮「それは小さい子がかわいくてついうっかりとか…?」 ○○「…」 ついうっかり押し倒すとな?まさか永遠亭の一部の人以外、ショタコン・・・? おおこわいこわい シャレにならない 寺に戻りました 永遠亭にはもう近寄らないことにしよう ○○「さて…仕事どうするかな…?もう予約はいってるから今日中に届けないといけないんだけどなぁ…」 僕の仕事は運送屋である 重い荷物を遠いとこに運んだりする 本日は大量の紅茶を紅魔館の人たちに頼まれてるからお届しないと… 白蓮「でも今の状態じゃ重いものは持てないし、速く走れない、妖怪の格好の的ですよ」 ○○「でも仕事キャンセルしたらあの館はもう仕事くれないだろうなぁ…」 お得意様だから断りたくないし、風邪でもない以上仕事は休んだらあかん。 ぬえ「なら、私がついてってあげようか?」 ○○「…疑わしい。何か企んでるな?」 ぬえ「いや、今回ばかりはなにも、だって○○に死なれたら白蓮がかなs「わあああああああああ!!!」…」 ○○「…?」 白蓮「な、何でもありません!お、お仕事のほう、だれか手伝いをつけてみればいいのではないですか!?」 ○○「ほう…でも手伝ってくれる人いるかな…」 一輪星ナズ水蜜ぬえ白蓮「はーい、私イイですよー」 ○○「わーいいっぱいいるよでも皆さんに手伝っていただくわけには…だれか一人でも全然構いません」 一輪星ナズ水蜜ぬえ白蓮「私が手伝います!!」 ○○「え…?一人で十分…」 一輪星ナズ水蜜ぬえ白蓮「じゃんけんで!じゃーんけーん…」 数百回のあいこ そし勝者は… ぬえ「というわけで今回は私が手伝います。よろしく!」 ○○「え、あ、ああ…よろしくね。」 その他の方々がひどく落ち込んでいるのが気になったが… まあともかく僕は運び屋さんの仕事を今日はぬえと行うことになったわけです ―続けてほしくないだろう―
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ハーレム?11 うpろだ1322、1389 「唐突だけど○○、一つ聞いていいか?」 「本当に唐突だな」 「気にするな。それで聞くが、胸は大きい方と小さい方どっちが好みだ?」 「………また随分な質問だな。何で急にそんな事聞いてくるんだよ?」 「実は今日、仕事の仲間内で貧乳派と巨乳派による論争が起きたんだ」 (………何でそんな論争が起こるんだろう?) 「そして数時間の間激しい意見のぶつかり合いとなったんだが、結局平行線のままでな」 (数時間………力を注ぐべき部分を明らかに間違ってる) 「そこで日頃から多種多様な美女美少女に接しているお前の意見を聞こうと思った訳だ」 「それは個人の趣味趣向の話だから僕の意見も何もないと思うんだけど……」 「とにかく答えろ! お前が答えないと話が進まないんだ」 「強引な奴………あくまでも個人的な意見だからな? 僕は…」 友人とそんな会話をした翌日、僕は買い物に行くため人里へと向かっていた。 「こ、こんにちは、○○さん」 その道中、何の前触れもなく妖夢さんと遭遇した。 ほぼ必ずと言っていいほど幽々子さんの傍にいる妖夢さんが一人で出歩いているのは結構珍しい。 幽々子さんから買い物か何かを頼まれたのだろうか? 「妖夢さん、こんにちは………ん?」 そんな訳で挨拶を返したのだが、妖夢さんの様子がどうにもおかしい。 まるでペンキでも塗りたくったかように真っ赤になっている顔。 そわそわとしていて落ち着きがなく、時折こちらの方を向いては目が合いそうになると顔を逸らす。 いつもの彼女とはまるで別人のようだ。 「………………○○さん」 一体どうしたんだろうと思いながらしばらく待っていると、妖夢さんの方から声をかけてきた。 真っ直ぐ向けられた顔は依然として赤いままだが、その表情は何かを決意したかのように真剣そのもの。 しかし、その瞳は清廉潔白な彼女からは考えられないほどに艶のあるものだった。 (妖夢さん、こんな顔もするんだ……) 普段の妖夢さんとはあまりにもかけ離れたこの姿。 僕はまるで金縛りにでもあったかのように身動きがとれなくなってしまう。 それを知ってか知らずか、妖夢さんは次なる行動に出た。 自由自在に刀を振り回せるとはとても思えない小さな手を伸ばし、僕の右手を掴む。 そしておもむろに自身の方へ引き寄せると、僅かなの躊躇の後にそこへ押し当て………え? 「よ、よよよよ妖夢さん?!」 何? 何だ? 一体何が起こったんだ? 何で僕は妖夢さんの胸を触ってるんだ? 何で妖夢さんは僕に胸を触らせてるんだ? もしかしてこれは夢? しかしこの掌から伝わってくる僅かだが確かな柔らかさは? 温かさは? もうなにがなんだか全然わからない。 「……○○さん。○○さんが好きなら、私は……」 って、なんか妖夢さんが聞いてしまったら後戻り出来なくなりそうな事を言おうとしてる!? 「あらあら、随分と大胆な事してるのね」 えっ、大胆? そんな言葉で済むようなレベルじゃないですよ! 大体、妖夢さんの事を一番よく知ってるのは貴女じゃないですか! そんな暢気な事言ってる場合じゃない事くらい解るでしょうに! そもそもなんでいつもと変わらない笑顔でいられるんですか幽々子さ……… 「………もしかして、幽々子さんですか?」 「もしかしなくてもそうよ、○○」 その瞬間、僕は血の気が引いていくと言う比喩表現が現実的に起こりえる現象だと知った。 こういった状況を何も知らない第三者に見られた場合、 それまでの経緯がどのようなものであろうとも99%以上は男性側が悪いとみなされる。 しかも幽々子さんは妖夢さんにとって仕えるべき唯一の主。 つまり僕はこの状況を一番見られてはいけない人物に見られてしまったのである。 だが、意外なことに幽々子が矛先を向けたのは僕ではなく妖夢さんの方だった。 「ゆ、幽々子、これはその…「まったく、妖夢ッたら油断も隙もないわね」…ひぅ!」 即座に僕の手を離し、凄く動揺しながら幽々子さんに弁解を始める妖夢さん。 しかし、幽々子さんは言い訳など許さないと言わんばかりに一刀両断。 いつもと同じほんわかとした笑顔が今は果てしなく怖い。 「悪かったわね、○○。妖夢が迷惑をかけたみたいで」 得体の知れない恐怖によって妖夢さんが完全硬直した後、 幽々子さんは空恐ろしい笑顔を浮かべながらこちらに謝罪してきた。 それを見ただけで背筋が凍りついてしまう。 「い、いえ、別に気にしてませんから」 「そうはいかないわ。従者の不始末は主人である私の責任なんだから」 「でも、役得もあり…「何か言ったかしら?」…何でもありません」 余計な事をいいかけた僕は即座に謝罪。 半端な発言は死を招くと本能が告げていた。 「とにかく、今回のお詫びは後日必ずさせてもらうから」 幽々子さんは硬直している妖夢さんの首をグワシッ! と掴み、そのまま空へと舞い上がる。 その体勢だと妖夢さんの生命に間違いなく危険が生じるだろうがツッコまない。 僕だって命は惜しいのだ。 そんな事を思っていると、ふと幽々子さんがこちらの方を振り向いた。 「本当なら私が妖夢の後押ししてあげないといけないんだけど、私もまだ諦めたわけじゃないのよね」 「えっ、何をですか?」 「だから○○、今度会ったらゆっくりと良さを教えてあげるわ。期待しててね」 イマイチよく解らない事を言いながら今度こそ飛び去っていく幽々子さん。 最後のは一体どういう意味だったんだろう? 思いがけないハプニングに遭遇した後、僕は改めて人里へと向かっていた。 「やっほ~、○○~」 その道中、何の前触れもなく萃香と遭遇した。 相変わらず昼間から酒を飲んでいるらしく、既に出来上がっているのか顔が真っ赤だ。 でも、何となく酔っ払っているのとは違う気がするのはどうしてだろう? 「やぁ、萃香。こんな所で会うなんて珍しいね」 「実は○○を探してたんだ。一緒に飲もうと思ってね」 人懐っこい感じの笑顔を浮かべた萃香はどこからともなくそれを取り出した。 いつもながら一体どこから出てくるのだろうと思う。 まぁ、そんな疑問はどうでもいい。 今考慮すべきなのは萃香の取り出したそれ……封の切られていない瓶についてなのだから。 「前にも言ったと思うけど、僕じゃ萃香のお酒は飲めないよ」 一応言っておくが、僕はお酒に強い方である。 仕事仲間と飲んだりしたときも酔い潰れるような事はまずない。 だが、それはあくまでも一般的な人間を基準とした場合。 人外の方々、まして幻想郷一の酒豪である萃香など比較にもならないのだ。 それを知らずに過去彼女の用意した酒を飲んだ僕は地獄を見たのだから。 「大丈夫。自分用に持ってきたお酒は別にあるから」 僕の返答は予想済みだったのか、別の瓶を取り出す萃香。 どうやら今回は僕が飲めるお酒を別に用意してくれていたらしい。 萃香にしては珍しく気が利いてるな。 「そういう事なら喜んで付き合うよ。 でも、今から買い物に行かないといけないからその後でいいかい?」 「うん、いいよ」 そう言って両手に持っていた瓶を何処かにしまう萃香。 なんだか今日の萃香はみょん…妙に素直だな。 いつもなら『ダメ! 今すぐ飲む!』とか言って駄々をこねる所なのに。 そんな事を考えている隙に萃香は僕の目の前から消えていた。 「あれ? ちょっ…おっと!」 次の瞬間、背中に大きな何かが圧し掛かってきたような衝撃を受ける。 と言うか考えるまでもなく萃香だ。 いきなりの事に焦ったが、それでも飛び乗ってきた萃香を落とすわけにはいかない。 僕は素早く背中に手を回して彼女を抱えあげる。 「おいおい、いきなり飛び乗ってきたら危ないだろ?」 「えへへ。それじゃあ買い物にしゅっぱ~つ!」 何故か萃香をおんぶする羽目になってしまった。 しかもこのまま人里まで行けと? 確かに萃香はそれほど重くないけど、それでも人里までとなるとかなり距離が……… 「ほらほら、早く行こうよ○○♪」 そんな笑顔で言われたら降りろなんて言えないじゃないか。 オマケにがっちり手を回してきて、意地でも離れないって感じだ。 何がそんなに嬉しいのか解らないけどこのまま行くしかないみたいだな、これは。 「まったくもう、仕方がな……あれ?」 苦笑しながらも了承の意を伝えようとしたその時、背中にかかっていた重さが消える。 驚いて振り向くと、つい今の今おんぶしたばかりの萃香が忽然と姿を消してしまっていた。 「萃香? 何処行った?」 慌てて辺りを見回してみるが、萃香の影も形も見えない。 能力を使って霧になったのかとも思ったが、それにしてはあまりにも不自然。 そもそも萃香は何も言わずに消えてしまうような真似は絶対にしないはず。 あんなに嬉しそうにしてたんだし、尚更だ。 「あら、○○さん。こんにちは」 「え?」 誰かが僕を呼ぶ声。 萃香を探していた僕は反射的にそちらの方を向く。 そこにいたのは萃香ではなく、紅魔館メイド長の咲夜さんだった。 「あっ、咲夜さん。どうも、こんにちは」 レミリアさんの御付である彼女が一人で外出しているのは珍しい。 何か用事でも頼まれたんだろうか? って、妖夢さんの時も同じ事考えてたな。 「こんな所で会うなんて奇遇ですね」 完全で瀟洒という二つ名に相応しい素敵な笑顔の咲夜さん。 その笑顔に流されてつい世間話に興じてしまいそうになるが、萃香の事を思い出し我に返る。 「咲夜さん、萃香を見ませんでした?」 「…あら、どうかなさったんですか?」 ん? 一瞬咲夜さんの顔が強張ったような気がしたけど、気のせいかな? 「実はついさっきまで一緒にいたんですけど、急に何処かに行ってしまったみたいで」 「そうなんですか。○○さんを放っておくなんて、もう本当に生きる価値のない屑なんですね」 「え?」 「そんな薄情な鬼の事なんて忘れてしまった方が○○さんのためですよ」 何だか萃香に対して棘…どころではなく確実に悪意の篭った発言をしている咲夜さん。 前の宴会の時はそんな感じしなかったんだけど、咲夜さんって萃香のこと嫌いなのかな? 「いや、でもそういう訳には……」 「あんなアル中にまで優しく接するなんて、さすがは○○さんです。でも……」 そう言って咲夜さんは何故かこちらに接近してくる。 僕は何となく身の危険を感じて距離を取ろうとするも、気付けば抱きつかれ地面に押し倒されていた。 勢いよく倒れこんだので背中がちょっと痛い。 いや、気にするべきところはそこじゃない。 「あの、咲夜さん?」 「○○さん。今はその優しさを私だけに向けてください」 僕の言葉をスルーして事態をどんどん進めていく咲夜さん。 その表情は先に出会った妖夢さんの見せたそれと酷似していた。 そして彼女は僕の服に手を掛けて素肌を……って、ちょっと?! 「咲夜さん?! いくらなんでもまずいですって!」 「うふふっ、愛する二人の前には些細な事です」 真昼間でいつ人が通るとも知れない道のど真ん中での暴挙の何処が些細な問題ですか! それに愛する2人って何です?! 別に咲夜さんの事は嫌いじゃありませんけど、だからって愛す……違う違う! 問題はそこじゃない! 混乱して冷静さを失うな! 「と、とにかく離れてください!!!」 何とかこの状態を打開せんと必死にもがくが、一向に咲夜さんを引き剥がす事が出来ない。 それどころか咲夜さんはより一層身体を密着させてきており、 これでもかと言わんばかりに女性特有の柔らかさやら何やらを意識させられ続けていた。 やばい、妖夢の比じゃないぞこれは! 「咲夜さん、お願いですから離れてください!」 急速に消滅しつつある理性を必死に奮い立たせる僕。 男として情けないけど、腕力で勝てない以上は何とか言葉で説得するしかない。 「それは無理です。予定とは少々違いましたが、こんなチャンスは滅多にありませんので」 しかし、完全にトリップしている様子の咲夜さんには全く通じなかった。 「予定?! それにチャンスって何ですか?!」 「据え膳食わぬは何とやらです。それではいただ…「○○から離れろッ!」…ッ!」 もはやこれまでと諦めた瞬間の出来事だった。 咲夜さんの欲情にまみれた瞳が一転して鋭さを帯び、いきなり僕の上から飛びのく。 直後に僕の真上を通過していく紅蓮の火の玉。 咲夜さんが離れるのが僅かでも遅ければ、それはきっと彼女に命中していたであろう。 「○○、大丈夫!?」 そして火の玉が飛んできた方を向くと、 そこには僕の(ついでにスレ的な意味の)危機を救って恩人、萃香が立っていた。 「ああ。萃香、ありがと…って、ナイフ刺さってるぞ?!」 が、萃香は僕とは違った意味で危機的な状態だった。 簡単に言うと全身のいたるところにナイフがぶっ刺さっていたのである。 しかしこのナイフ……もしかして、萃香を何処かにやったのは咲夜さん? 「これくらい平気だよ、○○。それにしてもやってくれたな」 そんな僕の心配に笑顔で答える萃香だが、 その顔は咲夜さんを見ると同時にたった一つの感情のみを宿したものへと変化。 ついでに口調まで威圧感たっぷりなものに変わっていた。 「あらあら、せっかく○○さんと二人っきりだったのに。無粋な鬼だこと」 まるで萃香に呼応するかのように咲夜さんの様子もまた変化する。 僕を押し倒していたときの名残など微塵も感じさせない氷のような冷たい表情。 しかしながらその本質は萃香と同じ……すなわち『相手に対する絶対的な怒り』のみ。 「最初に邪魔をしたのはそっちだろう? しかも白昼堂々○○に無理矢理関係を迫るという暴挙。 そんな浅ましい女には○○の傍にいる資格などない」 「あら、自分に色気の欠片もないからと言って僻むのは見苦しいわよ。 貴女じゃ精々、兄にじゃれついてるうっとおしい妹ですものね。 単に成長が足りてないだけのチビ鬼さん?」 「日頃から見栄を張って真実を偽ってるような奴に言われたくないね。虚乳メイド」 「………そう、どうやらお仕置きが必要みたいね」 「………人間風情が調子に乗るなよ」 そこで言葉のやり取りは終わった。 代わりに飛び交い始めるのは大量のナイフと火球、そして弾幕。 加速していく事態は留まるところを知らず、ついに一般人の踏み込める領域を飛び越えてしまった。 「………………早く人里に行こう」 そんな人外の争いを目の前にして僕が事はたった一つ。 自分がいなくなった場合に起こるであろうリスクを無視し、全力で立ち去る事だけだった。 早々に脱出を計り人里へと向かった僕だったが、それから後がまた大変だった。 まるで狙ったかのようなタイミングでチルノやらルーミアやらてゐやら輝夜さんやらと次々に遭遇。 オマケに全員が全員と言うわけではないものの、大半が妖夢さんや咲夜さんのような暴走状態だった。 おかげでここに至るまでに多大なる精神的疲労を負う羽目になってしまった。 「………あぁ、やっぱりお店閉まってる」 それでもどうにか里に到着した僕だったのだが、到着時間は予定よりも大幅に遅れていた。 当然買い物をするはずだった店の営業時間は過ぎ去っており、もはや手遅れ。 無理を言えばお店を空けてもらえるかもしれないが、さすがにそれは気が引ける。 「それにしても、どうやって帰ろう?」 そして目的が果たせなかった事以上に問題なのが帰路だ。 既に時刻は夕方から夜へと差し掛かっており、今人里を出たとしても帰り着くのは真夜中。 妖怪の領域でもある夜間の外出は僕のような一般人にしてみれば死を意味していた。 いくらなんでも自分から妖怪達のご飯になりにいくつもりはない。 「こんばんわ、○○さん」 どうしたものかと途方に暮れていたそんな時、思いもよらない人物から声をかけられた。 四季映姫・ヤマザナドゥ様である。 「どうも、こんばんわ」 反射的に挨拶を返したものの、僕は意外な人物の登場に驚いていた。 閻魔という役職上、常に多忙な日々を送っている映姫様。 そんな映姫様がこんな時間に人里にいるなんて考えもしなかったからだ。 「今日はお仕事はお休みなんですか?」 「ええ。大切な用事が出来たので今日から一週間休みを取ったんです」 映姫様の答えで更に驚く。 あの仕事熱心な映姫様が一週間も休みを取るなんて、余程大切な用事なんだろう。 どんな用事か聞いたら失礼かな。 「ところで○○さん。一つ質問をしてもよろしいですか?」 「えっ? あ、はい、どうぞ」 ん、また随分と唐突だな。 映姫様が僕に質問って一体なんだろう? 「この記事の内容は本当ですか?」 そう言って映姫様が差し出してきたのは今日付けの文々。新聞だった。 その一面にデカデカと掲載されている記事を見て僕は絶句。 『驚愕! 外界人○○さんは貧乳フェチ?!』 見も蓋もないどころか侮辱罪で訴えてもよさそうな見出しで始まっているその記事。 それは驚くべき事に昨日友人としていた会話をさらに脚色したものだった。 しかしどこからこの話を聞きつけたのか知らないけど、いくらなんでもあんまりだ。 大きな胸なんて胸じゃない? 貧乳はステータス? 貧乳こそ究極にして至高の存在? 見出しの段階で既にアレなのに、書かれてる内容なんてまるっきり僕の事変態扱いしてるじゃないか。 しかもこの辺の発言は全部僕じゃなくてアイツなのに…… 「○○さん。それでどうなんですか?」 おっと、悲観してる場合じゃなかった。 今はまず確実に誤解しているであろう映姫様に真実を説明しないと。 万が一肯定でもしようものなら徹夜でお説教されかねない。 「あのですね、映姫様。 率直に言いますとこの記事は射命丸さんが面白おかしく大げさに書き散らしているだけです。 確かに僕がスレンダーな体型の方が好みというのは事実ですが、 だからと言ってここに書かれているような事は断じてありません」 「そんな事はどうでもいいのです。 いえ、本当はどうでもよくないのですが、今は置いておきます。 私が聞いているのはこの記事の一番最後に書かれている一文についてです」 「最後の一文?」 映姫様の言葉を受けて僕は記事の一番最後を見る。 そして再び言葉を失った。 『なお、○○さんは現在恋人募集中。 御本人のコメントとして『僕と付き合ってくれるという人はいつでもどこでも大歓迎!』との事です』 確かに今の僕には恋人なんていないけど、だからってこんな事は一言も言ってないぞ? てかなんだこのアホ丸出しなコメントは。 射命丸さん、僕に何か恨みでもあるんですか? 「これは完全に射命丸さんの捏造です。僕はこんな台詞を口にした覚えなんてありません」 ここは完全に事実無根なのでキッパリと否定しておく。 「そう、なんですか………」 が、僕の答えに何故か落ち込んでしまう映姫様。 そして落ち込んだまま、まるで一縷の望みでもかけているかのような目でこちらを見つめてくる。 「ですが、○○さん自身恋人が欲しいと思っている事は間違いではありませんよね?」 「……それはまぁ、やっぱり恋人は欲しいですよ」 懇願するかのような映姫様にクラッときた僕は、おそらく映姫様が望んでいるであろう答えを返した。 もっともこれは嘘ではない。 何しろ昨日僕と話していたアイツにさえも恋人がいるのだ。 この歳になって独り身なのはいい加減に寂しいというか空しい。 「そうですか。それを聞いて安心しました」 今度は一転して嬉しそうな笑顔になる映姫様。 それにしてもどうして僕の言葉でここまで一喜一憂するんだ? 今日の映姫様はどこかおかしい……ハッ、まさか映姫様まで妖夢さん達みたいに?! 「それでは○○さん、行きましょうか」 いつの間にか僕の腕を掴んでいる映姫様。 マズイ、このまま良からぬ場所にでも連れて行かれたら今度こそ本当にアウトだ!!! 何が何でも断らなければ!!! 「あの、映姫様? お気持ちはありがたいのですが僕はもう家に帰らないといけませんので…」 「はい。ですから私が○○さんのお家まで送っていきますよ」 「……え?」 「この時間だと○○さんお一人で帰るのは危険ですから。あっ、それともご迷惑ですか?」 「い、いえ! そんな事ありませんよ!」 映姫様の厚意を勝手に邪推して変な事を………完全に疑心暗鬼に陥っていたな。 すみません、映姫様。 僕の家に着いたらキチンと謝罪させていただきます。 「それじゃあ映姫様、申し訳ないですけどよろしくお願いします」 「いえいえ、お気になさらないでください。それでは行きますよ」 そんな訳で僕は映姫様に手を引かれ、闇に染まっていく空へと舞い上がった。 何にしても無事に帰りつけそうで良かった良かった。 きっと、そんな暢気な事を考えていた所為だろう。 「そうですよ、○○さん。気にする必要なんて何処にもないんですからね……フフッ………」 映姫様がまるで獲物を捕らえた肉食獣のような笑みでこんな事を口走っていたのに、僕は全く気付かなかった。 ──────── 人里で偶然出会った映姫様の厚意に甘え、僕は自宅へと送って貰っていた。 大切な用事のために休暇を取ったという映姫様に余計な面倒をかけてしまい、 僕は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 そう、申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが……… 「映姫様。一つお聞きしたい事があるんですけど、いいですか?」 どうしても腑に落ちない、というか聞かずにはいられない事がある。 「どうしてこの状態で飛んでるんでしょう?」 それは現在の僕達の状態…というか体勢。 人里から出発した当初はただ手を繋いでいるだけだったのに、 いつの間にやら真正面から抱き合うような格好で空を飛んでいるのだ。 おかげで映姫様の綺麗な顔がすぐ目の前に迫っており、 また映姫様の身体がこれ以上ないほど密着しているため、僕は邪念を鎮めるので大変だった。 「この方が安定するんですよ」 微笑みながらさも当然の事のように言う映姫様だが、 自力で飛ぶ事の出来ない僕でもそれはありえないと思う。 どう考えても手だけ引いてもらっていた時のほうが飛びやすいはずだ。 とは言え送って貰っている以上、映姫様の行動に文句をつけるわけにはいかなかった。 映姫様がそう言うのならばそうなのだろうと納得するしかないのである。 「きゃ♪」 「ッ!!!」 そう、咄嗟に身体を押し付けられたりあわやキスされそうになったとしても耐えるしかないのだ。 「ゴメンなさい○○さん。何だか急にバランスが崩れてしまって♪」 「い、いえ。大丈夫です」 映姫様、そう言いながらも悲鳴とか台詞とかが妙にワザとらしい気がするのは何故ですか? 結局そのままの状態で運ばれる事約三十分。 何とか自宅まで耐え切る事が出来たものの、精神的疲労はピークに達していた。 出来る事なら今すぐにでも布団に入って泥のように眠りたい。 だが、その前にわざわざここまで送ってくれた映姫様にお礼を言わないと。 「映姫様、わざわざ送っていただいてありがとうございました」 「気にしないでください、○○さん」 ああ、映姫様の笑顔が眩しい。 こんなにも温かくて純粋な笑顔の出来る人がワザとあんな事をするはずないじゃないか。 そもそも街で会った時だって、映姫様が他の人みたいに変な暴走してるんじゃないかって勘ぐったし。 僕は心の中で映姫様に対する勝手な想像への謝罪を行った。 「……あれ?」 と、ここで僕は足元のある物に気がついた。 それは僕が外出前に描けておいた南京錠の存在。 その鍵が何故か真っ二つにされた状態で転がっていたのである。 「どうかしましたか?」 「いえ、その……これが」 とりあえずボロボロになったそれを拾い上げ、映姫様にも見せた。 周囲に人が住んでいないため、僕は万が一を考えて必ずこの鍵を掛けてから外出している。 それが壊されていると言う事はつまり、何者かが僕の家に無断で侵入したという事だ。 いや、もしかしたら未だに僕の家の中に居座っている可能性だってある。 「有罪です」 「え?」 そんな感じの説明を終えた後、映姫様のそんな呟きが聞こえてきた。 「○○さんの家に忍び込むなど言語道断ッ! そのような不貞の輩はこの四季映姫・ヤマザナドゥの名において見過ごすわけにいきません!!!」 「え、映姫様? ちょっ、落ち着いてください」 「落ち着け? 落ち着けですって!? 何を言ってるんですか○○さん!!! 誰とも知れぬ者が○○さんの家に不法侵入したのですよ?! これが落ち着いていられるわけ無いじゃないですか!!! ○○さんの家に無断で進入するなど、どんな理由があっても許されません! それにもし家の中を物色でもされていたらどうするんです?! いえ、間違いなく物色されているでしょう。 何しろ○○さんの私物という超激レアアイテムの宝庫、見逃す手はありませんよ!!!」 げ、激レア…何だって? 映姫様の口から物凄く違和感のある単語が……いや、きっと疲れてる所為で聞き間違えたんだ。 そうに違いないという事で納得しておこう。 「あの、映姫様? 僕の私物なんて盗んでもどうしようもないですよ?」 「何を暢気な事を言ってるんです!!! もしも犯人が盗み出した○○さんの私物で善からぬ事をしていたらどうするんです!!! そんな羨ましい事断じて認められません! 私だっていつも我慢しているのに!!!」 あ、あれ? 映姫様がさらにトンでもない事を口走った気が……いや、これもきっと聞き違いだ。 今日の僕はどうしようもないくらいに疲れているし、うん、きっとそうに違いない。 清廉潔白を地でいく映姫様が日頃から変態じみた犯罪行為を妄想しているなんてありえない。 「とにかくまずは犯人に繋がる証拠を見つける事が先決ですね。○○さん、行きますよ」 などと軽く現実逃避している間に家へ突入しようとしている映姫様。 それに気付いた僕は慌てて映姫様を止める。 「映姫様、それは危険ですよ! まだ犯人が家の中に居るかもしれないのに……」 「それこそ好都合と言うものです。 神聖な聖域を汚した屑がどんな目にあうのか、魂の奥深くにまで刻み込んであげます。 安易な死など絶対に与えてやるものですか!!!」 だが、今の映姫様にはそんな制止など無意味だった。 むしろ犯人が居た方がいいとまで言い放つ始末。 それ、絶対に閻魔様が言っていい台詞じゃないですよ。 「○○さんの家に侵入した不届き者!!! 居るのならば出てきなさい!!!」 そうこうしている間に映姫様は玄関の扉を開け放って家内に突入してしまった。 仕方なく覚悟を決めた僕も映姫様の後について自宅へと足を踏み入れると、 「お、お帰りなさいませ、○○さん」 「「………………は?」」 何故か三つ指ついて待機していた妖夢さんを前にして言葉を失ってしまうのだった。 全く予想だにしていなかった人物の登場にしばし放心状態だった僕と映姫様。 妖夢さんの呼びかけで我に返った後、彼女に事情の説明をお願いした。 「……なるほど、そういう事だったんですか」 「お騒がせして申し訳ありませんでした」 正座して深々と頭を下げる妖夢さん。 当たり前だが、南京錠を破壊したのは彼女だった。 その理由を要約すると、 『白玉楼に強制連行された妖夢さんは今日の件で幽々子さんと盛大な喧嘩を繰り広げた。 その後カッとなって勢いのまま家出したものの、行く当てがなかったのでとりあえず僕の家に。 しかし鍵が掛かっていて中に入れなかったのでやむを得ず』 との事。 どうして最後がやむを得ずに繋がるのかはさておき、 入った後は鍵を壊してしまったお詫びに掃除や洗濯などの家事をしてくれていたらしい。 しかし、妖夢さんが幽々子さんと喧嘩するとは驚きだ。 今日の事は2人にとってそんなにも大きな問題だったのか。 「ですが、器物破損と住居不法侵入に変わりはありません」 僕の横で映姫様が無表情で言い放つ。 先程までの興奮状態から一転して氷のように冷たく感じられる映姫様。 自分に向けられているわけではないと解っているのに、一言一言聞く度に反応してしまう。 「映姫様。妖夢さんなら知らない間柄でもないですし、僕はもう気にしてませんから」 「○○さん。罪は罪です」 「でも掃除や洗濯とかの家事をしてくれた訳ですし、それでチャラという事にはなりませんか?」 「………………○○さんがそう言うのでしたら仕方ないですね」 明らかに納得していない感じの映姫様だったが、最終的には僕の意見を尊重してくれた。 「ありがとうございます、映姫様」 「ッ!? べ、別にお礼を言われるような事ではありません」 とりあえず笑顔でお礼を述べると、顔を真っ赤にして思いっきり目を逸らされてしまった。 もしかして照れたのかな? 普段は凛とした雰囲気で格好いいけど、こういう仕草は素直に可愛らしいと思う。 まぁ、可愛いなんて口にすると怒られそうだから実際には言わないけど。 「それでは○○さん、私は夕食の準備をしてきますね」 「あ、僕がやるからいいですよ」 「いえ、後は温めるだけですから。 それに私は今日から居候の身なのですから、お気遣いは無用ですよ」 そう言って台所に向かう妖夢さ……ん、居候の身? ひょっとして妖夢さん、このまま僕の家に住むつもりなのか? 「あの、妖夢さ…「貴女が○○さんの家に住むなど、断じて認めるわけにはいきません!!!」……ん」 僕の台詞を掻き消して妖夢さんに詰め寄る映姫様。 さっきまでの冷徹さが一転し、表で騒いでいた時のように熱を帯びていた。 「これは私と○○さんの問題ですので、別に四季様に認めていただく必要はありません」 しかしながら妖夢さんは怯まない。 幽々子さんが相手だった時とは比べ物にならない程の覇気を放ちながら映姫様と対峙している。 「○○さんの身の安全を考慮した上での至極真っ当な意見です!!!」 「身の安全を考えたのならば、私が一緒に居た方がより効果的だと思いますが?」 「戯言を! 二人きりという状況を利用してか弱い○○さんを襲おうという魂胆が見え見えです!」 「お、襲うなんて破廉恥な事言わないでください!!! 私はただこの機会に既成事実を…」 「同じ事です!!! そんな抜け駆け許しません!!!」 何だか男として情けなくなってくる2人の言い争いだが、この流れは非常に危険だ。 このままヒートアップしていけば間違いなく萃香と咲夜さんの二の舞になってしまう。 この二人に暴れられたら僕の家なんかひとたまりも無いだろうし、それ以前に僕の命が危ない。 「ふ、二人とも冷静に、ね? とにかく落ち着いて話し合いましょうよ」 僕は可能な限りの笑みを浮かべて2人の説得に入る。 結論を先延ばしにするだけのような気もするけど、まずは2人を落ち着かせないと。 「○○さん! ○○さんは同居を認めるというのですか?!」 「○○さん! ○○さんは私に出て行けというんですか?!」 しかし、余計な横槍は自らの死期を早めるだけの結果となってしまった。 二人の矛先が揃って僕の方に向けられ、何の覚悟も出来ぬまま究極の選択を突きつけられてしまう。 「「どうなんですか!? ハッキリしてくださいッ!!!」 どうして僕が責められないといけないんだろう、と心の底から思う。 だが、こうなってしまった以上は理不尽な現実を嘆いても意味が無い。 この状況を切り抜ける返しを考えなくては。 何か無いのか? 全てが丸く収まるようなアイデアは…… 「それなら私達皆で○○の家に泊まればいいんだよ」 「……は?」 えっ、何で萃香がここにいるんだ? 萃香は咲夜さんと殺し合いスレスレの弾幕ごっこをしてたはずでは? ハッ、まさか咲夜さんを亡き者に?! 「全員一緒ならば不用意な抜け駆けは出来ません。 もちろん不満は残りますが、○○さんと一つ屋根の下という状況を考えれば妥協できるレベルです」 あっ、咲夜さん死んでなかったんだ。 よかったよかった……じゃなくて、何で咲夜さんと萃香が揃ってここに?! 全然気配とか感じなかったけど、いつの間に入ってきたんだ?! それに映姫様も妖夢さんもどうして驚いてないんですか?! 「そういう事ならば仕方ありません」 「不本意ですが、ここは引き下がった方が良さそうですね」 すっかりパニックな僕をそっちのけで4人は話を進める。 そして僕が我に返ったとき、僕にとって最悪と言って過言ではない条件で話がまとまっていた。 いや、ひとえに最悪というよりは天国と地獄のせめぎ合いという方が正しいかな。 「そういう訳だからさ、○○。今日は宜しくね~」 「「「宜しくお願いしますね、○○さん」」」 「………………はい」 とにもかくにも、こうして僕の長い夜が始まったのだった。 続く
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♪君がいない未来 作詞 森月キャス・井上華乃 作曲 大西克己
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目次 【概要】カテゴリージャンル シナリオあらすじ 登場人物主人公 ヒロイングループ知り合いグループA 知り合いグループB 知り合いグループC 知り合いグループD 知り合いグループE 学院Aグループ 学院Bグループ 学院Cグループ 学院Dグループ お嬢グループ エンドパターン個別エンド グループエンド 全員エンド 【参考】モチーフ 関連項目 タグ 最終更新日時 【概要】 カテゴリー 構成 エピソード 思い付き ジャンル 18禁 ハーレムミステリー SF ロストテクノロジー 宇宙・未来 孕ませ 処女 着衣エッチ スカトロなし Wピースなし 白目なし シナリオ あらすじ 主人公はロストテクノロジーの回収に失敗し、ロストテクノロジーと一体化してしまう。 分離させるために40人の美処女とH・孕ませる。 その後毎日子作りH。 主人公は不審がって誰か黒幕がいるのではないかと探るようになる。 登場人物 主人公 男性。 ロストテクノロジーを回収する仕事に就いている 極度の処女厨。 童貞卒業は40人との時。 ロストテクノロジーと一体化することで絶倫になる。 人間不信。 ヒロイングループ 知り合いグループA 主人公の幼馴染。 4人 知り合いグループB 主人公の義理の家族たち。 4人 知り合いグループC 主人公の習い事仲間。 4人 知り合いグループD 主人公のバイト仲間。 4人 知り合いグループE 主人公のサークル仲間。 4人 学院Aグループ 主人公の通っていた学院と同系統の分校。 4人 学院Bグループ 4人 学院Cグループ 4人 学院Dグループ 4人 お嬢グループ 令嬢1人 付き人2人 友人1人 エンドパターン 探り方によって行きつく黒幕(ヒロイン)が変化。 個別エンド グループエンド 全員エンド 主人公以外全員が共謀していた。 【参考】 モチーフ ギャラクシーエンジェル 関連項目 項目名 関連度 備考 創作/シリーズF ★★★ ファンタジー系 創作/ハーレムミステリー ★★★ ジャンル 創作/そうしてこんな嬉しいハーレム応援になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム商談になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム護衛になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム奉仕になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム撮影になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム手術になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム部活になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム監獄になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム看病になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム留学になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム研修になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム遭難になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム監禁になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム式典になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム花見になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム事故になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム聖夜になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム作戦になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム団地になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム挙式になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム要塞になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム戦艦になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム農場になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム事件になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム会社になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム修行になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム冒険になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム合戦になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム喫茶になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム契約になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム学園になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム寄席になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム抗争になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム拷問になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム挙式になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム教会になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム旅館になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム決闘になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム病院になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム神社になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム神話になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム苗床になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム賭博になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム迷宮になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム道場になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム部隊になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム集会になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム集落になった。 ★★★ 創作/どうしてこんな嬉しいハーレム面接になった。 ★★★ 創作/ハーレム工作員 ★★★★ 職業・種族 創作/ハーレム大臣 ★★★★ 創作/ハーレムエンジェル ★★★★ 創作/ハーレム星人 ★★★★ 創作/ハーレム妖精 ★★★★ 創作/学院A ★★★★ 登場組織 創作/学院B ★★★★ 創作/学院C ★★★★ 創作/学院D ★★★★ 創作/モテキスター ★★★★ アイテム 創作/銘酒・鬼孕ませ ★★★★ 創作/ハーレムゲーのシナリオ案 ★★★ タグ 構成 最終更新日時 2013-03-31 冒頭へ
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【分類】 思いつき 独自研究創作 目次 【分類】 【概要】ハーレムメインシナリオタイプ イントロダクションパターン 主人公タイプ メインヒロインタイプ サブヒロイン ライバル エンドパターン 純愛メインシナリオタイプ イントロダクションパターン 主人公タイプ メインヒロインタイプ サブヒロイン ライバル エンドパターン 複合シナリオタイプ イントロダクションパターン 主人公タイプ メインヒロインタイプ サブヒロイン ライバル エンドパターン あれこれシナリオについて イントロダクションについて 主人公について メインヒロインについて サブヒロインについて ライバルについて エンドパターンについて 【参考】モチーフ 関連項目 タグ 最終更新日時 【概要】 ハーレムメイン 基本的に多人数H。 凌辱メイン?バカバカしくすれば和姦ぽくなる? シナリオタイプ カマボコやハンバーグのような感じ。 イントロダクションパターン 主人公タイプ 鬼畜・ゲス? メインヒロインタイプ 顔見知り。 ダブルヒロインを基本にする。幼馴染と義理の家族。 幼馴染と従姉妹。 従姉妹と義理の家族。 サブヒロイン 多人数H・個別Hともにメインヒロインとほとんど同じ量。 顔見知りじゃない方がいい? ライバル なし エンドパターン グッドエンドならハーレムエンド。 バッドエンドならメインヒロインとの純愛エンド。実質バッドエンドが存在しない? 純愛メイン 基本的にメインヒロインとの一対一。 シナリオタイプ フカヒレやステーキのような感じ。 イントロダクションパターン 主人公がメインヒロインと出会い、何かをする。ヒロインがロボットやアンドロイドで開発・修理する展開? セックスをしてヒロインの魔力を回復させる? 主人公タイプ 真面目・熱血?メインヒロインへの執着心があるなら、ストーカーでも可能? メインヒロインタイプ 主人公と接点がないタイプ?暗殺者 護衛 姫の婿探し アンドロイド 悪魔 サキュバス サブヒロイン 多人数Hのみ? 個別H無し? そもそも登場しない? ライバル バトルメインならあり。 部下や上司などに様々なタイプの男キャラが出せる? 好まれる男性キャラ・異種姦の調査も可能? 体型別中肉中背 マッチョ チビ ノッポ デブ ガリ 造形別イケメン 奇形 ダンディ 年齢別少年 青年・アラハタ 半熟・アラサー 中年・アラフォー 初老・アラフィフ 年配 性格別豪快 陰湿 変態 狡猾 無骨 種族別怪人 触手 スライム ロボット 獣人 宇宙人 悪魔 天使 エンドパターン グッドエンドならメインヒロインとの純愛エンド。 バッドエンドならライバルにメインヒロインを寝取られる? 複合 同時攻略は難しい?失敗・死亡しやすい? シナリオタイプ イントロダクションパターン 主人公が顔見知りじゃない方のヒロインと出会う。 顔見知りの方のヒロインが対抗してくる。 主人公タイプ 鬼畜・ゲス? ヘタレ? メインヒロインタイプ 片方が主人公と接点のないタイプ。暗殺者 護衛 婿探し アンドロイド 悪魔 サキュバス 片方が主人公と接点のあるタイプ。幼馴染 義理の家族 従姉妹 サブヒロイン 多人数H多め。 個別H少なめ。 ライバル いてもいなくてもいい。 エンドパターン グッドエンドなら和姦エンド。個別とハーレム。 バッドエンドなら強姦エンド。主人公が闇落ちしてハーレムエンド? 敵にメインヒロイン含め仲間が寝取られ蹂躙されるハーレムエンド? あれこれ シナリオについて イントロダクションについて 話が動くきっかけ。主人公が意思決定をする。 ヒロインやライバルに出会い巻き込まれる。 童貞卒業や処女喪失をここでやってしまえば、細かいことを考えず楽になる?シナリオ管理でどの段階まで童貞・処女かを把握しなくて済む? Hシーンの使い回しがしやすい? 主人公について メインヒロインについて テーマに沿ったキャラであること。 テンプレ的でありながら実験的な要素も盛り込む? 一人だと空気になりやすい?ライバルがいるならあり? 二人だとキャラがハッキリして丁度いい? 三人以上だとキャラがハッキリしなくなる?都合が良過ぎて萎える? ビッチ臭くなる? サブヒロインについて オリジナル性の強い個性的・実験的なキャラに挑戦できると思う。 場合によってはメインヒロインより人気が出てしまう? 同時にオリジナル性の弱いテンプレキャラでわきを固める? ライバルについて 寝取りを意識した場合、必要? 一方的に寝取れる場合はライバルとして扱わない? 特定のヒロインを際立てるのに効果的? エンドパターンについて 【参考】 モチーフ 炎の孕ませシリーズ 昇龍戦姫 天夢 icon ラブリーラブドール 関連項目 項目名 関連度 備考 創作/エロいシナリオ計画 ★★★ 創作/エロコンテンツの評価基準 ★★★ 創作/ハーレムゲーのシナリオ案 ★★★ 創作/セクハラシステム案 ★★★ 創作/産み分け指数 ★★★ 創作/エロゲ向けシステムの相性 ★★★ 創作/パンツ予報システム ★★★ 創作/チェーン・ハーレムHシステム ★★★ 創作/エロ対戦カードゲーム ★★★ タグ 創作 最終更新日時 2013-11-27 冒頭へ
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ハーレム?20 トライアングルその2(新ろだ739) 懐かしい音が聴こえる。 まな板を打つ音と、自分を呼ぶ声。 いつものように談笑しながら朝食を摂り、いつものように行ってきますの挨拶。 通い慣れた道を行き、代わり映えの無い講義を受けて。 その後の予定は決まっている。 馴染みの二人のいる、あの場所へ――― 意識が現実に引き戻される。 我ながら単純だ。里帰り前夜に昔の夢を見るなんて。 遠足前夜の子供か、と一人ごちて眼を開ける。と、 息のかかる距離、 最愛の人の顔がそこにあった。 おいおい、これは恋人の距離だぞ。…ああ、恋人だった。 しかもご丁寧に目も瞑ってる。これじゃあこれからキスしますよって 言ってるようなものじゃないか。 考えている間にもゆっくりと近づく唇。 このまま受け入れてもいいが… 「…魔理沙?」 言った瞬間、跳ねるように顔を離す魔理沙。 その驚きようを見るに、俺の眠っている間に済ますつもりだったようだ。 「お、おはよう」 「ああ、おはよう魔理沙」 体を起こす。窓の外には雲ひとつ無い青空。いやいや、晴れて良かった。 せっかくの旅行だってのに曇天じゃあ気分も盛り下がる。 「で、何で魔理沙が我が家に?」 昨晩泊めた記憶は無い。 問われた魔理沙はあっはっはーと頭をかきつつ、 「今日はいつになく早くに目が覚めちまって」 子供かお前は。いや、人の事は言えないが。 「旅行の事を考えたら居ても立っても居られなくなって」 それで来た、と。 鍵は?とも思ったが、ドアノブのあったはずの所に空いた穴を見て考えるのを止めた。 「まあいいや。コーヒー淹れるからちっと待っとけ」 言って立ち上がろうとする俺を魔理沙が慌てて押し留める。 「私がやるって。起きたばっかで頭働いてないだろ?」 そんな事よりドアノブ直せよ、という言葉を飲み込んで素直に従う。 道具の場所を教えてやると、 「ついでに朝ご飯もご馳走するぜ」 そう言って魔理沙は台所に向か…おうとした足を止めこちらに向き直り、 ちう、と。 キスされたと気付いた時には既に魔理沙は台所に向かっていた。 真っ赤になった耳を見れば照れているのは丸分かりなわけで。 「……結局するのかよ」 鏡を見るまでも無く、自分の顔も赤いんだろうなと思った。 「到着!外・界!!」 朝食を平らげ支度をし(もちろんドアも直させた)、主催者である八雲紫の案内で、外界にやって来た。いや、帰って来たと言うべきか。 数年ぶりに吸った故郷の空気は幻想郷と比べるとお世辞にも美味いとは言い難いが、懐かしい味がした。 「期間とか集合場所とかはさっき渡したしおりに全部書いてあるから。それじゃね~」 そう言い残してスキマに消える紫女史。あれもこれから旦那と外界ツアーを堪能することだろう。 「○○、まずはどこに行くんだ?」 隣に立つ魔理沙が問う。色々見て回りたい所、見せてやりたい所はあるがまずは、 「実家に帰ろうと思う」 二年も連絡一つしなかったから心配してるだろうし、何より魔理沙を家族に紹介したい。 「そか、それじゃあ早速行こうぜ。こうしてる時間も勿体ない」 ついこの間行くのを渋っていたとは思えない張り切りようだ。原因は俺だが。 「……やっぱやめようか」 「ここまで来て何言ってんだよ」 今目の前に、懐かしき実家があるわけなのだが。 ここに辿り着くまでに、靴紐は両方切れ、黒猫一家が三度前を横切った。コーヒーカップも真っ二つに割れたっけ。 正直いやな予感しかしない。しかしまあ魔理沙の言う通り、ここまで来てバックれるわけにも行くまい。 意を決し呼び鈴に手を伸ばし、 「じゃあちょっと出掛けてくるねー」 呼ぶまでも無くドアが開いた。心の準備くらいさせてくれよ神様。あの神々じゃあ期待できないか。 出てきた人物、我が妹といえば俺の顔を見て静止している。そんなに見つめられるとお兄ちゃん照れちゃうよ。 数秒の沈黙の後、 「兄さん…?」 動揺しているのが見て取れる。謎の失踪を遂げた人間が突然目の前に現れれば、誰だって動揺もするか。 「久しぶりだな。相変わらず胸は薄いままか」 俺の声に我に返る妹。と思ったら手を引かれて家の中に連れ込まれる。外見もそうだったけど、中も全然変わってn ……… …… … あ…ありのまま今起こった事を話すゼ! 『俺は久しぶりに妹の顔を見たと思ったらいつの間にか逆さ吊りにされていた』 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… 「久しぶりねえ、○○」 「……お久しぶりです、母上」 頬に手を当て微笑む母。相変わらず笑顔が素敵です、目が笑ってないけど。 それより頭に血が昇るんですが。 「降ろして頂けるとうれしいです」 「それは無理な相談ねえ」 何故にWhy?いや、わかるけどさ。 「二年も連絡一つ寄越さなかったオシオキ♪」 妹が続く。余計な所ばかり似やがって。 自分の頭上、いや、逆さになってるから正確には頭の下には水を張ったバケツが。そして母の手には俺の体を吊るすロープ。これはつまり… 「あら、手が滑ったわ」 「がぼがぼガボ!?」 ちょ、止めて!陸で溺れるとか無いから!! 「何か言う事は?」 引き上げながら問う母の笑顔は絶えない。俺はこの笑顔が怖い。 「す…すんませがぼガボ」 「それだけ?」 上げて!ちゃんと言うから上げて!! 再び引き上がる俺の体。うぁ、鼻に水入った。 「げほっげほっ…はぁ…」 「何か言う事は?」 繰り返される問い。 「……心配かけて、ごめん」 その瞬間、母の手からロープが離れるのを見た。 三度水没する俺の顔。と言っても支えであるロープが放されたからバケツが倒れ、溺死の危険から開放された。 周りは完全に水浸し。逆さ吊りからは開放されたが体は縛られたままなので、さながら芋虫のように体をくねらせながら起こす。 「おい!急に離す…な…」 言い終わる前に、母に抱きしめられた。 今さっきまで水に浸かっていた所為か、ぬくもりが余計に暖かく感じる。 「心配……したんだから」 言葉が胸に刺さる。そりゃそうだ。二年という時間は笑って済ますにはあまりに長い。 だから俺は、心配をかけた事への謝罪と変わらずに受け入れてくれた事への感謝を込めて、 「……ただいま」 「……おかえり」 「そういえば父さんは?」 タオルで髪を拭きながら聞いてみる。 妹がいた事からもわかるが今日は日曜日。てっきり全員いるかと思ったのだが。 「たまたま仕事よ。帰ってきたらちゃんと謝りなさい」 母の返答に唸る俺。雷が落ちない事を祈るばかりだ。 「それで、今までどこで何やってたの?」 妹の問いに、どう説明したものかと考え…… 「あ」 慌てて玄関に向かいドアを開けるとそこには、 「………」 最愛の人(笑)が玄関先で体育座りしていた。 いかん、すっかり忘れていた。 「あの……魔理沙さん?」 無言でこちらを向く。目に光が灯ってない。 「私は……いらない子じゃないよな?」 「……すまん」 不可抗力だけどとりあえず謝っておいた。 「どうしたの兄さ…って、どちらさま?」 奥から顔を出した妹に俺は少しだけ考えて、 「えっと……嫁です」 目が点になるってこんな顔なんだろうな、と思った。 翌朝、目が覚めて最初に目に入ったのは懐かしい天井だった。 嫁と紹介した魔理沙を家族はすんなり受け入れてくれた。馴れ初めだのファーストキスはいつだのやる事やったのかだのまくし立てるように聞く母や妹に呆れたが、真っ赤になった魔理沙が可愛かったのでよしとする。 ちなみに父とも話したが、「後悔していないのならよし」とだけ言われた。全く、感謝してもし足りない。 現在時刻は午前五時ちょうど。 こっそり隣の、妹の部屋を見ると、魔理沙と二人仲良く夢の中。どうやら自分以外誰も起きてないようだ。 わざわざ起こすのも躊躇われるので、散歩にでも出る事にする。 珍しく朝早くに目が覚めた。 今日の講義は三限からなので、自宅で昼食と摂る余裕さえある。だというのに妙に目が冴えてしまい、二度寝は出来そうにない。 降って沸いた空き時間に戸惑ってしまう。友人に電話でもしようかと考えたが、 「こんな時間じゃメリーも寝てるか」 自己解決。しかし現状は変わらない。 「散歩でもしようかな」 考えていても仕方が無い。早朝散歩というのもたまには悪くないか。 十月に入った事もあり、外は随分と冷える。けれど天気はいいので日中はそれほど寒くはならないだろう。 時間が時間なので、辺りは閑散としている。通い慣れた道なのに人気が無いだけで新鮮に見える。 見慣れた建物が見えて来た。意識せずに大学まで来てしまったようだ。そんなに勉学熱心なつもりは無かったけど。 当然のように正門は閉まっている。ため息一つこぼし、踵を返そうとした所で人影に気付いた。こんな時間に変わった人だ。 「はは、変わってないなーここも」 時間が止まった気がした。 忘れるはずが無い。何度も聴いた声。もう一度聴きたいと思っていた声。 息が詰まる。言いたい事が沢山、たくさんあったはずなのに。 それでも声を絞り出す。呼び止めるように、縋るように、求めるように。 「○○!!」 振り返る。二年ぶりに見た彼は、少し大人びて見えた。 「……蓮子、か?」 止まっていた時計が、再び動き出す。 違う時を刻む為に。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺は続かないつもりで書いていたと思ったらいつの間にか続きを書いていた。 な…何を言ってるのか(ry 書き終えるまでに、霊夢とアリスと聖おばあちゃんとゆうかりんと咲夜さんに浮気してました。聖さんの膝枕は幻想郷一。 新ろだ780 ――やや、そこにいるのはロリコンと名高い○○さん。 誰がロリコンだゴシップ大好き鴉天狗めッ。 ――あや。でも…… なンだよ、ニヤニヤしやがって。 ――貴方の交友関係を見直してみてはいかがでしょうか。 あン?交友関係……ねぇ。 ――きっと否定はできないはず、ですよ? 神社に行くのは萃香と酒飲むのが目的だし、 ミスティアの嬢ちゃんが酒代メシ代タダにしてくれるっつーから、 よく3バカ+ミスティアの嬢ちゃん相手に遊んでやったりもしてるな。 紅魔館では館主の嬢ちゃんに入場料代わりに血くれてやって、 図書館よるついでに妹ちゃんと遊んでやって。 そういやァこの前は地獄猫の嬢ちゃんに連れられて地底遊びに……あ、あれ? ――ね? いやまて。こ、これはあくまで遊んだりとかする交友関係であってだな! 俺自身は清純なお姉さん系が大好きなんだぞ!? ――ほほーう。例えを出すならどなたが? 例えか……これ、オフレコにしてくれるか? ――えー……折角の美味しいネタを…… 水道水、3本。 ――仕方ないですね、それで手を打ちましょう。 ……チッ、割に合わねぇ。 ――まま、運が悪かったと思って。それで、誰なんです? そうだな、寺小屋の慧音先生とか、以前宴会で見かけた白玉楼の主とか…… ――……それはまた、高嶺の花ばかりですね。 五月蝿ェよ。理想くらい高く持ってたっていいだろうが。 ――思うだけなら自由ですもんねー。 いちいちトゲのある言い方する奴だな、お前。 俺ン中で好感度ランキングがちょっと下がったぜ。 ――あや。ちなみに今私はどれくらいです? ケツから3番目。 ――レディに対してそれはちょっとひどいんじゃないですか。 冗談だ。冗談だからその団扇を下ろせ。 ――もっと誠実に生きれば死後が楽ですよ? 殺す気かよ!俺は理想の恋人と大往生を遂げるんだ! ――……そうですか。で、結局私はどのくらいの順位なんですかー? ……さーて、そろそろ晩飯の準備しなきゃいけない時間だ。それじゃあな! ――あっ、ちょっと、○○さーん!?……行っちゃった。 ――結局私って何番目くらいなんだろ。 トライアングルその3(新ろだ806) 正直、戸惑っていた。 予期せぬ再会。暇つぶしに散歩に出た先で、古い友人に出会ってしまった。 別に会いたくなかったわけではない。むしろどちらかと言えば会いたかったのではあるが。 それにしてもあまりに唐突だった。まさかこんな早い時間に外出しているなんて思いもしなかった。 これがB級恋愛映画のワンシーンならここから二流作家の書いたシナリオのようなラブストーリーが展開されるだろうが、こちとら純100%混じりっけ無しの現実である。そんなラブコメ展開は期待できるはずも無い。そもそも俺には既に嫁が居る。 そんな腹の足しにもならないようなくだらない事が頭の中を駆け巡る間、目の前の少女からは何の声も発せられていない。いつまでもだんまりでにらめっこというわけにもいくまい。 「よお。久しぶり」 右手を挙げて話しかけた。けれど相手は何の反応も無い。聴こえなかったと言うには周りが静か過ぎる。 リピートしようと口を開いたところで、向こうからこちらに歩み寄ってきた。何だ、聴こえてるじゃないか。 元々の身長差と俯いている所為で表情が読み取れない。とりあえず笑顔で話そう。 が、言葉を発する前に頬を叩かれた。痛いじゃないか。 思わず睨んだ蓮子の顔は俺の顔を見上げていて、目にはうっすら涙が溜まっていた。 女とは思えない力で俺の胸ぐらを握り締め、 「馬鹿!!!」 最初に言い放った言葉は罵倒だった。 「いきなり何も言わずに居なくなって!何様のつもりよ!!」 捲くし立てるように言葉を吐き出し続ける。 「それも二年よ!?ふざけんじゃないわよ!!一言ぐらい残していきなさいよ!!」 真っ直ぐ俺の目を見て怒鳴り続ける様から、どれだけ怒っているかが伝わってくる。 いや、怒りだけじゃない。 「心配…したんだから…!」 二回も同じ台詞を言われてしまった。 それだけ心配かけてたんだと申し訳なく思ったがそれ以上に、心配してくれたことに対する嬉しさが込み上げて来た。 相手に失礼だと思っていても、思わず笑みが毀れてしまう。 「……ただいま」 「……おかえり」 所変わってここはメリーことマエリベリー・ハーン宅。 感想の再会の後蓮子は俺を強制的に拉致り、その足でメリー宅へ。携帯電話でたたき起こして家に上がり、現在に至る。 見ればメリーはまだ寝足りないのか、時折欠伸をかみ殺している。こんな時間に起こされたんじゃ無理も無い。 それにしても女の子の部屋というのはどうも居心地が悪い。 「で、今までどこで何をしていたのかしら?」 コーヒーを啜りながらメリーが俺に問う。ちなみにコーヒーは蓮子が淹れた。悔しいが自分で淹れたのより美味しい。 さて、どう説明したものか…… 「……旅?」 「家族にも言伝無しに?」 今度は蓮子が俺を問い詰める。 「タイミングを逃した、というか」 俺の言葉にメリーが呆れたようにため息を零す。 「まあ、誰しも秘密の一つや二つあるものね」 誤魔化せてない。けど全部まるまる話すわけにもいかないし、まあ納得してくれたならいいか。 ふと時計を見ると、短針が七を指している。家の連中も起きてるだろうし、いい頃合か。 「んじゃ、俺はそろそろお暇するわ」 席を立って玄関へ行こうとしたが、何かに躓いてすっ転んでしまった。位置関係と感触から蓮子の足だとすぐに解った。 「どこに行くつもり?」 悪びれた様子も無く話す蓮子。 「いや、そろそろ帰ろうかと」 「却☆下」 そんな笑顔で言われても困るんですが。メリーの方も当然だと言わんばかりに頷いている。 「二年も行方晦ましておいて謝罪の一つも無いのかしら?」 メリーの言葉でこの二人にはまだ謝ってない事を思い出し、二人の前で膝をついた。 「あー、心配かけてごめん」 「私達が欲しいのはそんな上辺だけの言葉じゃないの」 おいおい蓮子さんや、土下座までしたって言うのにそりゃないぜ。 「今日一日私達に付き合って貰うくらいしてくれないと」 「割に合わないわね」 それを実行に移した場合の財布の中身の減り具合を想像したりもしたが、それより俺は 今外界旅行と称してこっちに来ている。つまりこっちに滞在できる期間は限られている。 そんな貴重な一日をこの二人と過ごしてしまったら、肝心の魔理沙との外界巡りの時間が減ってしまう。 最近構ってやれなかった魔理沙への埋め合わせの為でもあったというのに、その上また待たせるというのは流石にまずい。 かといって断ろうにも二人がそれを許すとは到底思えない。 助けて神様。いや、あの神達は当てにならない。 時間だけが刻々と過ぎていく。 「今日は先客が……」 「こっちが優先」 「二年も待たされてるんだから」 ですよねー。 「……家に連絡いれてきます」 怒るだろうなー、魔理沙。 一度外に出て、携帯電話を手に取る。そういえばこれを使うのも久しぶりだ。 電話帳から実家の番号を呼び出して耳に当てる。 一回、二回、三回。 四回目のコール音が途中で途切れ、聞き慣れた声が聞こえた。 「母さん?魔理沙呼んで」 程なくして、 「どうした、○○?」 「実はかくかくしかじかで…」 今日は案内できない旨を伝えた。どんな罵詈雑言も覚悟していた。 が、魔理沙の声は予想に反して優しいそれで、 「そか、じゃあ私は今日は家に居るよ」 「怒ってない……のか?」 「一日くらいで怒るような狭い懐の持ち主じゃあないんだぜ」 それに、と言葉を続ける魔理沙。 「信じてるから、さ」 その一言が胸に響いて。なんか、うん。 「魔理沙の事好きになって良かった」 自然とそう口から出た。 「こんな事でそれを実感するなよ~」 そんな拗ねた声も愛おしく聞こえる。 「じゃあそろそろ切るな」 「ああ。明日から期待してるぜ?」 それじゃ、と通話を切った。 せっかく魔理沙が一日我慢してくれたんだ。旧友との一日を全力で楽しもうじゃないか。 講義の後、私達は繁華街に足を運んだ。午前中は大学で昔話に花を咲かせたので、外に繰り出そうという話になったからだ。 久しぶりに話して改めて感じたけど、背こそ伸びてはいても○○は変わっていなかった。 二年という短いようで長い時が経っても、彼の中身はあの頃のまま。私が好きな彼そのもの。 そう。私は○○が好きだ。 ずっともやもやと朧げな気持ちだったけど、再会して、話をして、確信した。 彼の言葉や仕草、その一つひとつが私の心を掴んで離さない。二流小説のような陳腐な感情が心を駆け巡る。 「蓮子?」 「ひゃ!?な、何?」 「だから、これからどこに行くんだ?」 「えと、どうしようかメリー?」 考えが纏まらずに親友に話を振ってしまう。 自分でも呆れるくらいの狼狽ぶり。暇潰しに読んだ恋愛小説でもこんなやり取りはあったが、まさか実体験することになるなんて思いもしなかった。 「そういえば、欲しいCDがあるって言ってなかったっけ?」 気に入っているアーティストの新譜が最近発売したことを思い出した。 メリーからも○○からも異論は無く、あっさり目的地は決まった。 店内に流行の曲が響いている。 目的の物は新作コーナーですぐに見つかり、今はそれぞれ物色している。 今私の隣には○○が。メリーは少し離れた所でDVDを見ているから、実質二人きり。 嫌が応にも意識してしまう。 「こーゆー音楽も久しぶりだな……」 彼の言葉に驚いてしまった。常にウォークマンを持ち歩く程の音楽好きだった○○が久しぶり、だなんて。 「最近聴いてないの?あれだけ好きだったのに」 「ああ、ちょっとな」 「だったらほら、聴いてみる?」 持っていたウォークマンのイヤホンの片割れを差し出した。○○はそれを左耳に、私は空いた方を右耳にかける。 聴こえてきたのはさっき買ったアーティストの別の曲。 お気に入りの音楽を楽しみながら、ふと思った。 一つのウォークマンを二人で使う。傍から見れば恋人同士に見えるんじゃないだろうか。 「仲のよろしいことで」 「ひゅい!?」 驚いて後ろを見ると、親友が買った物を提げて立っていた。 「め、メリー。もういいの?」 「ええ。掘り出し物も買えたしね。○○は?」 「ああ、俺もいいよ」 満場一致で店を出る事に。ほっとしたような残念なような。 その後も、本屋、ゲームセンター、アクセサリーショップ、エトセトラエトセトラ。色んな所を巡った。霊能サークルらしからぬ活動だったけど、久しぶりの三人での活動は本当に楽しかった。 けれど、楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。 「あら、もうこんな時間。そろそろお開きかしら」 メリーがそう切り出した。言われて空を見ると、二十二時四十七分三十秒、三十一、三十二…。 夜更かしは肌の大敵なのよ、というメリーの言葉に苦笑しつつ、今日はこれでお開きに。 メリーとは途中で別れて、○○と二人で歩いている。 夜風が心地いい。 またも二人きり。二年ぶりに再会して、自分の気持ちに気付いたとたんにこんなチャンスが転がり込むなんて。 手でも繋いでしまおうか。 「そういえば、さ」 ○○の言葉にこっそり伸ばした手を引っ込めてしまう。もう少しだったのに。 「どしたの?」 「いや、こうして久しぶりに話して、遊んで思ったんだけどさ。……変わってないよな、二人とも」 「あれから成長してないって言いたいの?」 「そうじゃなくてさ。あの頃と変わらずに接してくれた事が嬉しかったんだ」 当たり前だ、と言おうとしてはたと気付いた。 二年という時間を不安に思うのは何も待つ側だけじゃない。 自分が居ない間に、自分が居た世界が変わらずにいてくれる保障なんて無いんだ。 自分のことを忘れているかも知れない。自分の居た場所に自分じゃない誰かが居るかもしれない。 不安だったんだ。○○も。 そう思うと、自然に○○の手を取れた。 「何言ってるのよ。私達三人で秘封倶楽部、でしょ」 「……ああ」 程なくして、私の家と○○の家のその分かれ道に着いた。 「じゃ、またね」 このやり取りも久しぶり。そう、これからはいつでも会えるんだ。 だと言うのに、 「ああ……またな」 そう言って背を向けた○○から言いようの無い違和感を感じた。 また○○が消えてしまう。そんな根拠の無い焦燥感。 このまま帰しちゃいけない。理由もなくそう感じた。 「○○!」 言葉よりも体が先に動いて。 振り返った○○に飛びついて。 彼の唇を、自分のそれで、塞いだ。 <謝罪会見> 間に合わなかったよ畜生!!!その上まだ続くとか……。 もうむりぽ。書くけど。 その前に豊ねえとちゅっちゅしてくるノシ 新ろだ829 「うむ、こんなものか」 今朝の朝食はじゃがいもと豆腐の味噌汁とだしまき卵、そして沢庵と。 味噌汁の味も中々だ。 プリズムリバー3人に拾われてマネージャーとして居候させてもらって早1年くらい。 今では料理当番も任されてしまい主夫みたいな立場にもなりつつある、独身だが。 まぁ毎日大変だけど楽しくもあるから今の状態に不満はないんだがな。 さて、と。後は…… 「困ったお嬢さん方を起こさないといけないんだよなぁ……」 ため息をつきながら俺は彼女たちの部屋へ向かうのだった。 *ルナサの場合 「ルナサさーん、起きてますかー?」 …………反応がない、珍しいといえば珍しい。 いつもは一人で来てくれるのだが…… 「入りますよー?」 ドアを開けてみる。 さすがというか何というか部屋は綺麗に片づけられている。 楽器の本や道具がしっかりと仕舞われており、 どこぞのお嬢さん二人にも見習ってもらいたいところ。誰とは言わないが。 ベットを見ると膨らみと多少の動きが。 どうやらまだ夢の中のようだ。 とりあえずどんな様子かと顔を窺って見る。 「すぅ……すぅ……ん……」 「……」 どうしたものだろうか、何か幸せそうに寝ていらっしゃる。 これは起こすのを躊躇わされるが朝食が冷めてしまう、どうしたものか。 「ん……○○……」 「うぇ!?」 いきなり自分の名前が出てきてびっくりしてしまう。 その声によってかルナサさんの目が開く。 ちなみに今の状況は顔と顔が結構近い。 覗きこんでいる態勢のままなぜか動けない。 じーっと寝ぼけ眼でこちらを見つめてくるルナサさんの視線から逃れられない。 そして何を思ったか俺の両頬を掴み、 「ん…」 「!?」 キスをしてきた。 突然の出来事に俺はびっくりして何も対応ができなかった。 ただルナサさんの柔らかい唇の感触を感じることしかできなかった。 温かさなんて感じるはずがないのに温かい。彼女の心の温かさを感じているからだろうか。 そしてルナサさんの目が徐々に正気を帯びてきて…… 「!?あ……ご、ごめんなさい!」 ルナサさんの顔が離れる、どうやら寝ぼけていたようだ。 それにしても普段のルナサさんからは想像もできないほどに積極的だったが。 互いに顔を真っ赤にして何も言えない空気になってしまった。 「えーっと、その……朝食、出来てますので」 「あ、うん、ありがとう……」 どうにも気まずい空気をなんとかしようと考えるが今の俺の頭にはいい考えは浮かばなかった。 しかし何かを喋らないといけない、そんな状態だ。 「あ、そういえばファーストキス……」 おい待て何を口走ってる俺。 「……私も」 そうかールナサさんもかぁー……っておいぃ!? 「す、すいません、俺みたいなのが初めてだなんて……」 ルナサさんみたいな綺麗な人(騒霊だが)にはそれ相応な人が似合うと思う。 それなのに俺みたいなのがファーストキスの相手だなんて悪い気しかしない。 「い、いいのよ……夢が現実になっただけだし」 「はい?」 後半が聞こえなかったのだがもじもじとしているルナサさんに聞くのも躊躇われる。 「え、えーとじゃあメルラン達を起こしてきますね?」 「え、えぇ、お願いね」 お互いぎくしゃくしながらも俺はルナサさんの部屋を出てドアを閉めた。 無意識に自分の唇を触っていた。 ……柔らかかったなぁ……っといかんいかん! 両頬をぱんと叩いて気持ちを落ち着かせ、次の目的地へと向かうことにした。 「彼の初めてと私の初めて……か。 駄目ね私、今本当に嬉しくてしょうがないなんて……」 *メルランの場合 「メルラーン、起きてるかー」 ノックをするも返事は無い。 ルナサさんとは違い、これはいつもの事だ。 はぁっと一度ため息をつき、部屋に入る。 相変わらず部屋は荒れていた、この前一緒に掃除したのに…… そして件の子はぐーぐーと熟睡中。 「ほら、起きろメルラン。 もう朝だぞ、朝食が冷めちゃうぞ」 ゆさゆさと揺すると薄目を開けてこちらを見て深く布団の中へ逃げ込むメルラン。 これもいつもの事。どんどん手強くなっていくから困る。 「後10分~」 「駄目だ、もうルナサさん起こしたんだからお前も早く起きろ」 「姉さんが寝てたなんて珍しいわね~後5分~」 「そ、そうだな……ってまて寝るな」 先程の事を思い出してしまった。 いかんいかん今は忘れないと。 「ねぇ、今何でどもったの?」 顔だけ出してこちらを見るメルランの表情が何故だろう、凄い怖いのだが。 ていうか起きてるなら早く起きろと。 「い、いや別に何もないぞ」 駄目だ……これじゃあ何かあったと言ってるようなもんじゃないか。 その証拠にメルランの目尻がさらに下がっている。 そしていきなり布団から出たかと思うと抱きつかれてベッドに押し倒された。 「言わないとこのまま寝ちゃうんだから、姉さんと何があったのか言いなさい」 むふふ~と抱きつかれたままどうしたものかと考える。 朝からテンションが高い事だがこうなると言わないと本当に離さないのがメルランだ。 それにこんな格好他の二人に見られたらどう思われるか…… 「あーその、ルナサさんを起こそうとしたらちょっと事故があってな……」 「どんな事故?」 「起きようとしたルナサさんと……その……キス、しちゃってだな」 覚悟を決めて告白する。 この後殴られるのだろうかそれとも弾幕だろうか…… 「ふーん姉さんのファーストキス奪っちゃたのね」 「は、はい……」 俺も初めてだった、とは言えない。 何か考えるそぶりをし、そしてにこりと笑いながら 「じゃあ私も奪われても……いいよね?」 そういってメルランは俺にキスをしてきた。 おまけに舌まで絡めてくる始末。 離そうと思えば離せたかもしれない。 しかし俺の顔はメルランの手で固定され、俺の意思は彼女の情熱的な舌に持っていかれていた。 「ん……ちゅっ、あむっ……んんっ、はぁっ……」 「んむ・・・はぁっ、はぁっ……なんで?」 彼女の意図がわからない。 責められるならまだしもどうしてこんな…… 「そうしたかったから、じゃ駄目?」 熱っぽい視線でこちらを見るメルランにドキリとさせられる。 今になって彼女の肌蹴た胸元も意識してしまう。 まずい、このままだと何か非常にまずい気がする。 踏み込んだら帰ってこれない領域にまで入ってしまう気がする。 言うならば……そこまでよ? 「さーてと、それじゃあ着替えるわね~」 メルランが立ちあがった。 助かった、とでもいうべきなのだろうか? どこかでこの先に行けない事に残念がる自分もいたが彼方に葬り去ることにした。 「ふぅ……メルランの考える事はよくわからないな」 「……鈍感」 「え?」 今何か言われた気がしたが聞き取れなかった。 「なんでもないわ、それより私の裸に興味あり?」 ウインクしながらちらちらっと胸元を見せるような仕草をするメルラン。 あまりの展開の変わり様に茫然としていたがそういえば着替えるって言ってたな。 「あ、あぁごめん。それじゃあ下で。俺はリリカちゃんも起こしに行ってくるよ」 「姉さんの時みたいに襲っちゃだめよ~」 「襲ってないから!事故だから!」 今の俺の顔は真っ赤だろう、とにかく恥ずかしいのでメルランの部屋から急いで出た。 まったくメルランにはペースを崩されまくりだ。 何か今日は下で二人とまた顔を合わせるのはとにかく気まずいぞ…… 朝から少し憂鬱になりながら最後の目的地へ。 起きてくれていると面倒がないんだがなぁ…… 「本当に鈍いんだから○○は……でもそんな彼だからこうして一緒にいるわけだしね。 それにしても初めて、あげっちゃったなぁ……姉さんには負けないんだから」 *リリカの場合 「リリカちゃーん、起きてるかー?」 「ん~おき~てる~わ~て、いう、か~ちゃんはやめ、なさ~い~」 コンコンとドアをノックしてみたら反応がある。 しかしこの反応は起きてるかどうかわからない、むしろ寝ている可能性が高い。 仕方ない、と思いながら部屋に入る。 すると、目の前にはまさに着替え中のリリカちゃんがいた。 「「あ」」 今まさにパジャマのズボンを脱ぐ瞬間であった。 上のシャツも肌蹴ており胸周りはばっちり見えていた。 さっき起きたばっかりで反応が悪かったのかと気付く俺。 そして今日の下着はピンクか、可愛いのを穿くなと思う俺。 最後に今日は俺の命日かなぁと自分の迂闊さを呪う俺。 リリカちゃんは着替えを中断してパジャマを着直し、ドアをポルターガイストによって閉めた。 この家の防音処理は完璧で、結構な音がしても隣には聞こえないようになっているそうだ。 つまり、この後何をされても気付かれない、というわけで…… 「ばかあああああああああああああああああああああああああああ!!!」 彼女の特大のボディーブローをもろに喰らうのであった……どこにそんな力が…… 「信じられない、着替えを覗くなんて最低っ!」 「はい、すいません……」 正座をさせられ、時折少しグーが飛んでくる。 とりあえず見ないようにと後ろを向かされ、彼女は着替えを再開した。 これはこれで衣擦れの音とかが聞こえてアレなのだが…… 「着替え終わったからこっちを向いて」 向きを直すといつも通りの赤を基調とした服を来ているリリカちゃんの姿があった。 ちなみにまだ顔は少し赤く、いかにまだ怒ってますな感じである。 これはどうやって詫びればいいのか…… 「反省してる?」 「もちろん」 「それじゃあ……一つ、私の言った事をやったら許してあげる」 「何をすればいいんだ……?」 この時俺は絶対に厄介な事だろうと思った。 悪だくみに関してはリリカちゃんは結構な物でその被害はよく貰っていたりする。 そんな彼女が一つ何かしろというのだ、何をやらされるかわかったもんじゃない。 内心びくびくしながら彼女の言葉を待つと…… 「えーと、その、わ、私を抱きしめて」 「は?」 予想外すぎる言葉に俺は間抜け面をしていると思いながらポカーンとしてしまった。 今彼女は何て言った?私を抱きしめてと言ったか? ……なんで?どうして?ホウラーイ?じゃないホワーイ? 「ま、漫画でそういうシーンがあってこういうのっていいのかなぁーて思っただけよ! ほら!さ、さっさとやってみてよ!」 うーむ……まぁ彼女がやれと言うんだからやるけど……いいのかなぁ? 少し戸惑いながら彼女を優しく抱きしめる。 真っ赤な顔をして緊張しているリリカちゃんが可愛い。 不意に目があった、すると何かを考える素振りした後背伸びをして俺の首に手を回し、そして……キスをしてきた。 軽く触れるようなキスだった、それでも彼女を感じるには十分だった。 直ぐに唇が離れると彼女は俺の胸に顔を埋めてきた。 「こ、これも漫画であったからやってみただけなんだから。ファーストキス、だけど…… い、いい?この事は姉さん達には内緒よ?絶対だからね!」 「あ、あぁ……」 言えるわけもないのだが。 しかし頭の悪い俺には彼女の行動の真意がわからない。 漫画で読んだから実行してみたっていうのは本当なのだろうか? うーむ・・・・・・わからない。 そして少ししてリリカちゃんがもういいというまでずっとこの体制のままだった。 先に下に下がらせてもらったが離れてからもリリカちゃんは真っ赤だった、恥ずかしいのならやらなければいいのに。 まぁ格言う俺も凄い真っ赤な顔をしていそうなんだがな。 「や、やっちゃった、どうしょ!?どうしょう!? 抱きしめて貰えればよかっただけなのに抑えられなかった……あうぅ…… い、いやでもこれで私が一歩前進よね!?ふ、ふふふ、姉さん達には悪いけど○○は私のものにするんだから!」 朝食は女3人もいればかしましいと思うかもしれないが比較的静かである。 今までのルナサの方針がよかったのかあまり色々と喋りながら、というのはない。 今朝の朝食も静かではある、あるのだが…… 「……」(顔を真っ赤にしてこちらをちらちらと見て目が合うとすぐに目を背けてしまうルナサさん) 「……」(少し顔を赤くして幸せそうに食べるメルラン、えへへ~とか時折言ってたりする) 「……」(一番顔を真っ赤にしてこちらを睨むような視線を向けつつもどことなく嬉しそうな気配がするリリカちゃん) 何だこの状況は。 いや確かに今朝は色々とあったわけだがこうも妙な感じだと空気が…… 何かとてつもない事をしでかしてしまったような気がする。 彼女たちのファーストキスを貰った事によって何かが動きだしてしまった気がする。 これからの生活に何も起きませんようにと願いながら俺は自分の作った料理を食べるのであった。 夢でルナサとイチャついていたと思ったら3人分書いていた、何を言っているかわからねーと思うが俺もわからない!
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ハーレム?21 トライアングル4(新ろだ847) 家に帰ると、母が出迎えてくれた。 夕食を外で済ませた事を告げて、そそくさと風呂へ。 上がった後は妹との会話もそこそこに布団に入った。 頭の中にあるのはさっきの光景。 「キス……されたんだよな」 あんな事、と言ったら失礼か。あれだけの事をされておいて気付かないほど鈍感には出来てはいない。 ある程度の、親しい友人程度の好意を持っていて欲しいとは思っていたし、 俺自身も二人にそういった感情を抱いていた。 けれど、まさか異性に対するそれだなんて思いもしなかった。 正直に言えば、嬉しかった。 二年もほったらかしにしていた俺を変わらず好いてくれることが、素直に嬉しいと思う。 けれど、俺はその想いに応えることは出来ない。 何よりも、誰よりも愛している人がいるから。 その場でその事を伝えられれば良かったのだが、当の蓮子は顔を離すと 真っ赤な顔で話しかける間もなく走り去ってしまった。 いずれちゃんと伝えなきゃ、と考えながら俺の意識は沈んでいった。 目を開けると、目の前に魔理沙の顔があった。 非常にデジャヴっている気がしたのだが、前との相違点が二つある。 一つは今の時間が深夜二時過ぎだという事。 もう一つは、 「よ、おはよう○○」 布団が剥がされ、馬乗り状態だという事。 寝間着は妹から借りたようで、パジャマ姿が新鮮で可愛い。じゃなくて。 「おはようには早すぎると思うんですが」 「いやさ、明日まで待ちきれなかったんだ」 そう呟く魔理沙の顔は仄かに上気していて。 好きな人のそんな姿と布越しに伝わるぬくもりに、嫌が応にも反応してしまう。 ちょうど上に腰掛けているから、すぐに気付かれてしまった。 一層魔理沙の顔が赤くなって、 「……いいよな」 そう言って顔を近づける魔理沙に抗うことなど出来るはずも無く。 第二ボタンまで開いた胸元に手を伸ばして、 ……… …… … 「いやー、今日もいい天気だぜ。これも日頃の行いの賜物だな」 絶好のデート日和という奴だ。だっていうのに、 「そーだな……」 愛しの旦那様の声にハリがない。心なしか頬も少しこけているように見える。 「出掛ける前からそんなんでどうするんだ○○!」 「あれだけ搾り取られたら元気も出なくなるっての」 ○○の言葉に昨夜の光景が蘇る。 顔が熱い。傍から見たらさぞかし赤くなっていることだろう。 確かに昨夜はいつも以上に盛り上がったけど、○○が一日お預けにするからだ。 「お前だって途中からノリノリだったじゃないか!あんな格好でするなんて、 恥ずかしかったんだからな!」 「そりゃしてる時の魔理沙があんまり可愛かったから!」 そこまで言い合って、はたと我に返って周りを見ると、道行く人達が何事かとこちらを見ていた。 その内の何人かはニヤニヤと生暖かい視線を送っている。ように見えた。 人の往来で痴話喧嘩をしていたことに気付いて、そそくさとその場を後にした。 「おおー、これが“ゆーえんち”って奴か!」 こちらの世界の娯楽施設らしい。 話には聞いていたけど、百聞は一見に如かずとは良く言ったものだ。 想像していたのよりずっと広いし、何より楽しそうだ。 「おし、今日はめいっぱい遊ぶか」 さっきより幾分回復したのか、気力の篭った○○の声。 待ちに待ったこの日なんだ、言われるまでも無い。 ○○の手を取って、引っ張るように歩き出す。 「このジェットコースターってのは何度乗っても面白いな」 まさかこっちで弾幕勝負並みに風を感じられるとは思っていなかった。 弾を避ける楽しみは無いものの、速さは中々にスリルを感じた。 もう二、三回乗ろうと思ったけど、○○の提案で別の場所に行く事に。 「ここなんていいんじゃないか?」 指差した方を見ると、おどろおどろしい洋館がそこにあった。 どうやら客を怖がらせるのが目的のアトラクションらしく、出てくる客の何人かは 涙目になって肩を震わせていた。 「この程度のものでこの私が怖がるとでも?」 幽霊だの騒霊だのはそれこそ腐るほど見てきてる。今更作り物のそれを見たところで 悲鳴一つ上がらないだろう。 自信満々な私の顔を見た○○は口の端を吊り上げ、なら試してみようと私の手を引いて入口をくぐった。 ……… …… … 「いや、なんか悪かった」 「……ぐす」 あんなの幽霊じゃない。怖いなんてもんじゃ無かった。 けど○○にべったり引っ付けたから良しとしよう。 その後も昼ご飯を食べたりお土産を見たり、色々回った。 一つひとつが幻想郷には無いものばかりで新鮮で、時間を忘れて楽しんだ。 「やー楽しかった楽しかった」 帰り道の途中。両手に土産の入った袋を提げて、魔理沙と並んで歩いている。 「ありがとな、○○」 「ん?お礼を言われるような事はしてないだろ」 一緒になって楽しんでいたわけだし。 すると魔理沙はそんな事は無い、と俺の目を真っ直ぐ見つめ、 「お前がいなかったら、そもそも外界に来ようとも思わなかったかも知れないからさ」 だからさと一呼吸おいて、 「私の事を好きになってくれて、ありがとう」 「そんな事でそれを実感するのか」 安っぽいなと思ったが、つい昨日同じ事を言われた事を思い出し、つい笑ってしまう。 「さ、早いとこ帰ろう。母さん達も晩飯作って待ってる」 「ああ。と、その前に」 何事かと訝しむ俺の唇を魔理沙が自分のそれで塞いだ。 一時舌を絡ませ合い、離れた魔理沙は顔を仄かに赤く染めて、 「今日のお礼だぜ」 晩飯の後、自室でごろごろしていると不意に携帯電話の着信音が鳴った。 画面には良く知った名前が。 「どした、メリー?」 「ちょっと話したい事があるの。今から出て来れないかしら?」 「まあいいけど」 「ありがと。それじゃあ……」 待ち合わせの場所を告げると、それじゃあ、と通話が切れた。 何の話かは大方予想はついている。 掛けてあった上着を手に取り、出掛けてくる、とだけ言って家を出た。 待ち合わせの場所には、既にメリーが立っていた。 「悪い、待たせたか」 「私も今来たところよ」 恋人同士のそれに聴こえる会話。そんな間柄でない事は当事者である俺が一番良く知っているのだが。 メリーが二つ持っていた缶の片方を差し出した。中身はホットコーヒーで、受け取った手から伝わる熱が心地いい。 「話ってのは?」 コーヒーを啜りながら話を切り出せば、 「蓮子、貴方にキスしたんだって?」 想像通りの言葉が返ってきた。 「本人から電話があったわ」 酷く慌てていたとの事。俺の目から見てもテンパっていたし、大方勢いでしてしまいどうしようかとメリーに相談したんだろう。 「で、気付いているんでしょ?あの子の気持ち」 「まあ、な」 「それは当然として。今、私の手にはこんな物が」 メリーがポケットから取り出したのは、一枚の写真。 移っているのは俺……と魔理沙。 “今日のお礼”を貰っている決定的瞬間を捉えていた。 背筋が凍った気がした。 「ちょ、いつの間に!?」 「たまたま居合わせたのよ。それで貴方に二つ質問」 これが本題だと真っ直ぐ俺の目を見据える。 「この子の事、好きなの?」 「……ああ」 「蓮子には?」 「ちゃんと伝える」 「そう、ならいいわ」 拍子抜けだった。 もっと問い詰められると思っていたのに、予想に反して あっさり引き下がったから。 呆然とした表情をしていただろう俺に、メリーはさも当たり前かのように。 「答えが出てるなら私に出来る事は無いわ」 「……そか」 背を向けたメリーを無言で見送る。と、 「蓮子は、私の親友なのよ。だから、」 持っていた写真を、 「泣かしたら握りつぶすわ」 乾いた音と共に握りつぶした。 何を、とは聞けなかった。 目に映るのは一面の森。 燃えるような夕日に照らされたそれを、屋根の上から眺めている。 傍らには魔理沙がいる。 “あの日”の夢だとすぐに気付いた。 そう。俺はこの日、魔理沙に想いを伝えた。 夕日よりも赤くなった魔理沙の顔を良く覚えている。 受け入れてくれた事が本当に嬉しくて。 最初のキスで積極的に求めてきた魔理沙が本当に可愛くて。 今までで一番、目の前の少女を愛おしいと思った。 「うん……うん、分かった。すぐ行く。じゃあ」 通話の切れた携帯電話を閉じる。 今日、○○がこの町を去る。 元々帰郷が目的で来ていたらしく、もう戻らないといけないらしい。 だから最後に話がしたい。○○はそう言った。 何の話かは分かっている。 一方的にキスして逃げてそれっきりなんだ。ちゃんと話したいと思うのは当たり前だ。 だから私も、ちゃんと伝えよう。 好きだって、伝えよう。 待ち合わせ場所の場所。二年ぶりの再会を果たしたあの場所に、○○はいた。 「ま、待った?」 うまく喋れない。すごく緊張してる。 「五分ほど」 「ご、ごめん。中々寝癖取れなくて」 気にするな、と言った○○はすごく落ち着いているように見える。もう返事は決まってるんだろうか。 沈黙が二人を包む。 「蓮……」 「待って!……私から言わせて」 破裂しそうなくらい心臓が高鳴る。でも言うんだ。 あんな不意打ちみたいなやり方じゃなくて、ちゃんと。 私の想いを伝えるんだ。 一度だけ大きく深呼吸。そして、 「好きです。付き合ってください」 実際は十数秒、でも数時間にも感じられた。 「……ごめん」 明確な拒絶の言葉。 「そっ…か。残念」 想いは実らなかった。 すごいショックな筈なのに、不思議と心はさほど揺れてはいない。 心のどこかでは気付いていたのだろうか。 「ごめんね、こんな事に時間割いちゃって」 「こんな事…じゃないだろ」 「そ、そうだよね」 またも沈黙が包む。 「えと、今日、講義あるからこれで」 「あ、ああ」 「たまには帰ってきなさいよ。○○の事、忘れたりしないから」 「ああ、必ず」 ○○の言葉を最後に、お互い自分の家に向かった。 体が軽い。肩の荷が下りた気がする 自宅に着くと、玄関の前に親友の姿があった。 「何でいるのよ」 「ちょっとね。それより、酷い顔してるわね」 親友の言葉に首をかしげてしまう。 何を言っているんだろう。気分的にはすっきりしていてむしろいい顔をしているはずなのに。 不意にメリーが私を抱きしめた。 「め、メリー?」 「泣いていいから」 今日のメリーは何かおかしい。いきなり泣いていいだなんて。そもそも 泣くような事をされた覚えは無い。 「ちょ、何言ってるのメリー?私泣きたくなんか……」 「いいから、泣いて」 止めて欲しい。こんな姿誰かに見られたら誤解されてしまうから。 肩の荷が下りたのではなく、心にぽっかり穴が開いたんだと気付いてしまうから。 本当に、泣いてしまうから。 「……う」 もうだめだ。無意識に耐えていられたのに。 せっかく○○とは態度を変えずに話せたのに。 もう、だめ。 メリーの肩に額を当てて。 飲み込んだ感情を全部吐き出すように。 思いっきり、泣いた。 ……… …… … どれくらい時間が経ったのだろう。 泣き止んだ私の両肩に手を置いて、 「蓮子」 「ぐすっ……何?」 「○○の事、好き?」 何を言うのかこの親友は。 今さっき振られて、子供みたいに泣いた人間にかける言葉とは思えない。 慰めてくれたのではないのか。 「振られて、思いっきり泣いて、それでも、彼の事が好き?」 「……好き、だと思う」 というよりまだ心の整理がついていないと言える。 二年も想っていて、その日の内に忘れられるほど軽い性格はしていない。 「よし、じゃあちょっと付き合ってくれる?」 「いいけど、何考えてるの?」 私の問いにメリーは笑顔で、 「諦めるには早いってこと」 駅のホーム。 そろそろ戻らないといけない事を伝えると、母と妹はわざわざ見送りに来てくれた。 「もう少しゆっくりしていけばいいのに」 母の言葉に妹もそうだそうだと頷いた。 そう言われてもこちらにも都合がある。主催者と連絡がつかない以上、予定通りに動かなければ戻れないし、書くもの書かないと天狗から催促が来る。 「また帰ってくるからさ。父さんにもよろしく言っておいてくれ」 「……分かったわ。いつでも帰ってらっしゃい」 母の言葉に頷くと、乗車を促すベルが鳴り響いた。 魔理沙は既に乗車済みなので、後は俺が乗るだけ。 じゃあ、と一言だけ言って乗り込む。と、 「○○!」 声の方を見れば、蓮子が息を切らせて走って来ていた。 「よかっ…た。……間に合った」 「だ、大丈夫か?」 呼吸を整えながら頷く蓮子の手には小包が。 「これ、餞別」 受け取った直後、音を立てて扉が閉まった。 新幹線が緩やかに動き出す中、蓮子の口が動いていたが、扉に阻まれて良く聞こえなかった。 駅が遠ざかっていき、やがて視界から消えた。 幻想郷に帰ると思うと、流れていく景色を名残惜しく思う。 「あ、そういえば」 受けとった小包の事を思い出した。 席についてから開けようかと思ったが、魔理沙の前で中身を確認する事に 何となく抵抗を感じ、この場で開けることにした。 中には携帯電話用のストラップと一通の手紙が入っていた。 ストラップにはフェルトで出来た蓮子とメリーと俺の人形が付いている。 その出来の良さに感心しつつ、手紙に目を通す。 親愛なる○○へ。 蓮子を泣かせた罪は重いわよ。 次帰ってくる日を楽しみにしてるわ。 貴方の恋人二号 マエリベリー・ハーンより 追伸 諦めないから!by宇佐見蓮子 もう一度人形を見る。 メリーの人形の背中には、俺とメリーの相合傘が。 蓮子の人形の背中には、俺と蓮子の相合傘が。 「……え?」 乙女の想いは消える事無く。 来るべき再会の時を待つ。 了 新ろだ859 「ごめんね……。ごめんね……○○……。」 そう言って幽々子は謝る。何度も、何度も。 その美しい眼に涙を浮かべ、私の胸に縋りつきながら。 本当のところ、幽々子が謝ることはないのだ、幽々子は何も悪くはないのだから。 「ごめんね、○○……。私じゃ貴方の子供、産んであげられない……。」 大丈夫、大丈夫なんだよ幽々子。私はそういうことを全て承知して、君と結婚したのだから。 幽々子が謝る度に、私は彼女の頭を優しく撫で、慰める。 私の手が、私の言葉が、どれだけ幽々子に安らぎを与えられるのかは分からない。 だけども只人のこの身には、出来ることなど何も無く。だから私はただ只管に、彼女の頭を撫で慰める。 事実私は、幽々子が子を宿せないことなどは承知していたのだ。 私は人間で、彼女は亡霊で。しかしそんなことは関係なく、私と幽々子は愛し合えたのだから。 私は人間で、彼女は亡霊で。しかしそんなことは関係無しに、私と幽々子は愛し合えたと思っていた。 しかし、私が些事だと気にしなかった事柄は、彼女の心を深く苛んでいたらしい。 毎夜行う交わりの最中、幽々子はとても幸福そうで、熱に浮かれたように何度も私の名を呟く。そんな幽々子の声を聞くと、私の心は満たされる。 毎夜行う交わりの後に、幽々子は深く悲嘆に暮れて、何かに耐えるように何度も私の名を呟く。そんな幽々子の声を聞くと、私の心に穴が開く。 「ごめんね……。ごめんね……。○○……。」 幽々子……。幽々子が謝ることはないんだよ、幽々子は何も悪くない。悪いのは全てこの私じゃないか。 閻魔も見捨てる程の大罪を犯しているのは、この私なんだよ、幽々子。 今夜も響く謝罪の中、私は心で懺悔する。 「ごめん……。ごめんな……妖夢……。」 そう言って○○さんは謝る。何度も、何度も。 凛々しい顔をくしゃりと歪め、強く私を抱きしめながら。 実際のところ、○○さんが謝ることはないのだ、これは私が望んでいたことなのだから。 「ごめんな、妖夢……。こんな辛い役目を押し付けてしまって……。」 違う、違うんです○○さん、私は嬉しいのですよ。叶わぬ筈の私の夢が、敵わぬ想いが叶(敵)ったのですから。 謝罪の言葉を聞きながら、私は彼を抱き返す。 女性らしいとは全く言えない、骨張り固いこの身だけれど。半人半霊のこの身だから、体温もとても低いけれど。 そんな私の身体だけれど、とても柔らかいと言ってくれた。とても温かいと言ってくれた。 だから私は抱き返す。彼に温もりを与えるために、彼の温もりを感じるために。 そう、私は○○さんを愛している。あの日あの時あの庭で、初めて会ったその時から。 だけども彼が愛するのは、私ではなく我が主。後に出会った幽々子様。 二人はとてもお似合いで、誰が見ても仲睦まじく、桜の花がその身を散らす、春の終わりに結ばれた。 結婚式は盛大で、知人の全てが参加をした。皆に囲まれ祝福され、二人はとても幸せそうだった。 勿論私も祝福した。大好きな二人が一緒になるのだ、こんなに目出度いことはないと。 しかし夜の帳が下りた後、自室で独りになったその瞬間。目から溢れた一滴に、込み上げてきた強い嗚咽に、私はとうとう気づかされたのだ。 嗚呼、私も彼のことが好きだったのだな……と。 どうしようもない感情と、どうしようもなくなった想いとに、私は静かに涙を流した。 三月もして夏を迎えた頃だろうか、唐突に私は幽々子様に呼び出しを受けた。とある頼みごとがあるそうだ。 頼みごと、とは言っても相手は我が主、それは事実上の命令であった。 そして対面に座る幽々子様の口から告げられた命(頼み事)は、女性にとってはとても残酷なもので、私にとってはとても……とても、魅力的なものだった。 そして今宵も主の命で、私は彼に抱かれるのだ。 指が這う。 この身は固くはないでしょうか? 腕が這う。 この身は冷たくないでしょうか? 舌が這う。 この身は汚くはないでしょうか? 指が、腕が、舌が、足が、腰が、肉が絡み合う。嗚呼……この身は、私は、貴方の『女』足りえてますか? 気持ちいいですか? この快感は私の一方的なものではありませんか? この悦びは……。 温かいです。気持ちいいのです。幸せで、怖いくらいです。○○さん。○○さん……。だから……だから…… 「ごめん……。ごめん……。妖夢……。」 だから、そんなに謝らないでください。私は幸せなのですよ? 貴方は悪いことはしていない。謝る必要なんて何処にも無いんですから。 悪いのは、謝るべきはこの私です。天をも見放す罪業を、抱いているのはこの私。 今宵も上げる嬌声の中、私は独り業を燃やす。 「ごめんなさい……。ごめんなさい……幽々子様……。」 そう言って妖夢は謝る。何度も、何度も。 その幼さの残る眼に涙を浮かべ、私の前に跪きながら。 言うまでも無いことだ、妖夢が謝る必要は無い。この子には何の罪も無いのだから。 「ごめんなさい……、ごめんなさい……。私は、私は喜んでしまいました。」 そんなことは分かっていたのよ、妖夢。私はそんな貴女の気持ちを知っていて、この命を下したのだから。 妖夢が謝り泣く度に、私の心は締め付けられる。それは彼への罪悪感。それは彼女への劣等感。 この子は○○を愛していた。それは恐らくこの私が、彼を愛するその前から。 その眼差しは彼を追い、その仕草は彼を求めて、発する声に愛を込め。半人半霊の未熟ながらも、幼い身体で精一杯に、彼女は懸命に恋をしていた。 そんなことは解っていたのよ、妖夢。だけど自分も知らぬ内に、私も彼を愛してしまっていた。 彼の優しい眼差しに、彼の温かいその掌に、彼の愛しいその声に。それは妖夢の後にだけれど。 そして恋しい○○が、その愛を向けてくれたのはこの私。妖夢ではなくてこの私だった。 それはどれだけの幸福だったのか、彼は私を好いてくれた。 それはどれだけの幸運だったのか、彼は妖夢の想いに気づかなかった。 彼は人間、私は亡霊。だけど彼は好いてくれた。種族なんかは関係ないと、私は幽々子を愛していると。 彼は人間、私は亡霊。私は彼の子を産めない。そんなことは解っていた、そんなことは分かっていた筈。 甘く見ていた、この問題を。甘く見ていた、この感情を。 例えばそれは人里で、道行く親子を見掛けた時に。 例えばそれは真夜中に、彼の腕(かいな)に抱かれた時に。 例えばそれは私の中で、彼のぬくもりを感じた時に。 例えばそれは行為の後で、彼が寝入った独りの時に。 その感情は襲ってきた。嫉妬、羨望、哀情、絶望。私は、彼の子を産めないのだ。私は、彼の『女』にはなれないのだ。 その感情の名は罪悪感。亡霊の私に恋をして、我が子を残せぬ運命の、彼に対する罪悪感。 かの感情の名は劣等感。半人半霊の身の上なれど、赤子を産める体を持った、妖夢に対する劣等感。 だから私は妖夢を呼び出し、無垢な彼女に頼んだ(命じた)のだ。 「妖夢。彼の……○○の子を産んでちょうだい。」 だから妖夢、謝らないで。これは分かっていたことだから。 だから妖夢、謝らないで。これは私の命令だから。 襖に仕切られた部屋の向こうで、貴女は喜んでいたじゃない。喜べたのならいいことでしょう? 彼に抱かれて上げた声は、とても濡れていたじゃない。悦べたのならいいことでしょう? だから妖夢、謝らないで。劣等感に潰されそうなの。 だから妖夢、謝らないで。嫉妬心に狂いそうなの。 だから妖夢、謝らないで。丸く収まっているでしょう? 貴女は何も悪くない。謝る必要なんて何処にも無いんだから。 悪いのは、謝罪すべきはこの私。冥府に似合わぬ罪科に、狂っているのはこの私。 今日も響く二人の声に、私は独り涙を流す。 十月十日(とつきとおか)の其の後に、産声上げた子が一人。果たしてそれは誰の子か? (了) 最近のスレの流れ(出産ラッシュ)を見て、ふと思いついた小ネタを文章に起こした結果がこれだよ! 暗いですね救われないですね報われないですね。ぶっちゃけ私にはNTR属性なんて無かった筈ですがね。思いついちゃったんだから仕方ない。 「幽々子様亡霊だし、子供産めないんじゃね?」とか思って「でも妖夢は半身半霊だし産めるんじゃね?」とか思っちゃったんだから仕方ない。 最初はもっと明るいと言うかギャグというか、ハッピーなエンドを予定していた気もしないでもないけど、そんなの全くの気のせいだったぜ! 何にせよ次はもっと明るい話を書きたいな。何も思いついちゃ居ませんけど。 新ろだ863(新ろだ829続き) 「すいませーん、プリズムリバー楽団ですがー」 「はーい、今開けます。……○○さん、お久しぶりです」 「こんにちわ魂魄さん。あぁ、つまらないものですが、どうぞ」 「あ、どうもすいません。ではこちらへ。幽々子様もいらっしゃいます」 「また持ってきたお茶菓子が瞬殺されそうですね……」 「すいません本当に……」 「さて、今日二人に家にいてもらったのは他でもないわ。 ○○の件でどうしても話をしないといけないと思ってね」 メルランがルナサ、リリカをリビングに呼んだのはつい先ほど。 ○○がコンサートの事で白玉楼や紅魔館に行くこの日こそが彼女達の会議を取れる数少ない日であった。 「どうしたのよ姉さん。○○に何か問題でもあったの?」 リリカが訝しげに聞く。 「ねぇリリカ、この前みーんなぎくしゃくしていた朝食あったわよねぇ? あの時あなたと○○と何があったか、教えてくれる?」 その言葉にリリカはもちろん、ルナサも一瞬にして頬が赤くなる。 その時の事を思い出しているのだろう。 ちなみにメルランも少し赤くなっていた。 「起こしに行った順番は姉さん、私、リリカ。 この時何があったか、リリカのは当てずっぽうだけど……皆、ファーストキスを○○にあげたと思うんだけど、どう?」 「えっ!?皆!?姉さん達も!?」 「……知ってたのね、メルラン」 ○○からルナサの件に関しては直接聞いたので間違いは無い。 リリカも同じような感じで朝食を取っていたのでおそらくと思っていたメルランの読みは当たっていた。 つまり彼女達は同じ日に同じ相手にファーストキスをしたということになる。 それはつまり、3人の思い人が同じである事に相違なかった。 しかしこれについては皆薄々気づいてはいた。 時折そう思わせられるアクションはあり、一つ屋根の下1年位を過ごし彼の人柄に触れるには十分過ぎる程の時間があった。 彼女達が皆○○を好いているのは最早疑いようがない事実であった。 それによる行動が朝のそれである。 故にメルランはそろそろ決めなくてはならないと思った。 「それで、メルランはどうしたいの?」 ルナサが少し眉を顰めて尋ねる。 姉妹で取りあうとなればそれこそ大変な事になる。 今まで3人で過ごしてきた中に1年位前から入ってきた○○。 しかしもう既に彼無しの生活は考えられない。 だが事は穏便に進めたい。 彼女はメルランが無茶な事を言いださないか気が気でなかった。 「……日和を決めて○○と3人別々にデートをして。 それで○○に決めてもらおうと思ってるの」 無論○○が他に好きな人がいた場合、この計画は頓挫する。 しかし今のところそういう話は誰も聞いていない。 もちろん○○が誰も選ばないという可能性もある。 彼女たちにとっては一世一代の勝負でもあり、そして博打でもあるのだ。 「……姉さん、もしそれで○○が誰かを選んでも恨みっこ無し、だよね?」 リリカのその言葉はメルランの案に乗るという事に相違ない。 メルランはそれに頷く。 「……姉さんはどうする?私の案に乗る?」 ルナサは他に何か案は無いかと考えを巡らせる。 しかし現状維持、とは既にいかなくなってしまっている。 そうなれば一番これが決めるのに問題がなく、相応しいのかも知れないと思った。 「わかったわ、あなたの案に乗るわ。 それで、他に何か決めごとはあるの?」 んーとメルランが思案する。 「行為はキスまで、誰が選ばれても恨みっこなし。 ○○には……私がい「私が言う」」 メルランに被さる様にリリカが挙手をした。 はぁっ、やっぱりこうなるのかとルナサは心の中で溜息をつく。 既に牽制し合っている二人を落ち着かせるルナサの頭の中には少しだけ自分が言うと言いたい感情はあった。 「皆で言えばいいでしょう?まったく……」 「わかりました、ではその日に皆で御伺いします」 「よろしくね、それにしても相変わらずお茶菓子の選択、上手いわね」 「いえいえ十六夜さんのお料理には敵いませんから、せめて良い物を持っていきませんと」 「でも、サボってる門番に餌は与えないようにね」 「知ってましたか……」 「そりゃあホクホク顔で食べてりゃわかるわよ、まったく……」 「ただいま戻りました」 戻ってきたら何やら妙な雰囲気が。 何が、かはわからないが何だろうか、嫌な予感がする。 何かが起きている、そしてそれから何かが始まるような感じが。 「おかえり~どうだった~?」 メルランが出迎えをしてくれた。 彼女の雰囲気に特別妙な感じはしない。 ……気のせいだったのかなぁ? 「白玉楼と紅魔館でコンサート取りつけてきたよ。 日程は明後日紅魔館、6日後に白玉楼」 「成程ね、3、4、5日後は予定なし、ね」 ?何かあるのだろうか。 彼女達自身がどこかで話を貰ってきたのだろうか? そうなるとまた予定を少し調整したほうがいいかもしれないな。 「別の場所で演奏するのかい?」 「いいえ、私達にとっても○○にとっても重要な三日間になるの」 ……どういうことだ? 「詳しくは皆揃った時に、ね。 あぁ、そうだ、おかえりの……」 不意にメルランが近づいてきたかと思ったらキスをされていた。 驚く俺を尻目にメルランは抱きつく力を強め、キスも情熱的になっていく。 されるがままに吸いつかれ、舌を交わし、唾液を送り合う。 おかえりのキスでこんなに激しくしないだろ普通とか的外れな考えをし始めたくらいにようやく解放された。 「ん……ぷはぁ……覚悟、しておいてね。 私達があなただけにする特別でとっておきの3日間になるから」 少し顔を赤らめてはにかみながらメルランはリビングに入って行った。 何が特別な物を感じない、だ。ばっちり大変な事になってるじゃないか。 この前の彼女とのキスを思い出し、俺は少しの間玄関で立ちっぱなしになっていた。 きっと顔は物凄い真っ赤だったろうなと後で思った。 そしてこれを誰かが見ている事も少し経って知る事になるのであった。 「ふぅ……何が起こるんだこれから……」 先程のメルランの一件を思い出しながら部屋で着替える。 3日後からの3日間、彼女達が俺に何をするのか、よくわからない。 今までメルランにじゃれつかれる事はあってもあそこまでされた事は前の朝の時以外はない。 しかもあれは事故みたいなものだ。 「何だろう、何かやっばい地雷踏んでいるどころか踏みながら歩いているみたいな感じがする」 とにかく他の二人も何かしらアクションがあるに違いない。 用心はしておかないと、と思った刹那、ドアがノックされ部屋のドアが開いた。 部屋に入ってきた人物はドアを閉めてこちらを向いた。 「○○ーちょっと……あ」 「あ」 見事にズボン下ろした俺とリリカちゃんの目があった。 一瞬にしてリリカちゃんの顔が真っ赤になった、あ、嫌な予感。 「な、ななななななななにしてんのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「え、ちょ、弾幕はだめぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 スペルカード宣言するのは勘弁してくれ……あれ、目の前が弾でいっぱいだは、ははは……アッー!!! 「ま、まったく、○○が悪いのよ、そ、そんな下着姿で私の前にいるのが」 「あぁ、おれのせいだね、うん、色々と何か間違ってる気がするけど俺のせいだね…」 こういう時は自分が悪いとしたほうがいい。 なぜならば下手に何か言うとさらにとんでもなく面倒な事になるからだ。 弾幕を直撃しまくった俺は気絶し、気付いたら目の前にリリカちゃんの顔があり、凄い怒っていた。 ん?何か頭が柔らかい物の上にあるような・・・? 「あれ?もしかして……膝枕してくれてる?」 おまけにズボン元通りだし。 言ってみると恥ずかしさであろう怒っていた時よりもリリカちゃんの顔が真っ赤に染まっていく。 「そ、そそそそそそそそういう事は言わないの!」 リリカちゃんは顔をぷいっと背けた、何か可愛いじゃないか。 少しだけお互い無言だがそろそろ夕ご飯の時間だろう。 今日はルナサさんが作ってくれると聞いていたので少しは手伝いにいかないと。 名残惜しいが顔を上げようとするとリリカちゃんが手で制した。 顔はまだ真っ赤で何かを決心したようである。 「まだ何か?」 「ね、姉さんだけするなんて不公平だから……その、お帰りのキス……」 は?と言おうとしたら眼前に既にリリカちゃんの顔が迫ってきていた。 そして抗う事も考えずにたどたどしく、そして軽いキスをされていた。 唇をつけるぐらいのだが何だろうか、それだけで彼女の恥ずかしさが移ってくるようなそんな感じだ。 唇が離れると彼女は「じゃ、じゃあ夕飯の時にね!」とすぐさま立ちあがり部屋を出ていった。 後に残された俺は唇の感触の余韻と頭の痛さにしばしそのまま動けなかった。 いきなり頭を床にぶつかったら痛いんだぞ……本当に…… 「ルナサさん、手伝います」 「……ゆっくりしていればいいのに」 台所ではやはりルナサさんが夕食の支度をしていた。 時折やり方を忘れたくないからとルナサさんが作る時がある。 俺はそんな彼女の手伝いをするのが毎度の事となっていた。 ルナサさんは断っても食い下がらない俺にいい加減諦めたのか直ぐに少し横にずれてくれる。 「いえいえ、居候ですから」 「……もう居候じゃないよ○○は」 包丁を置いてこっちを見るルナサさん。 何時になく真剣な表情でこちらを見るルナサさんに俺は吸い寄せられるように彼女と向き合っていた。 「居候なだけなら家の妹達があんなに懐かないし、私も信頼しないわ」 「あ、あはは……そ、そう言って貰えると嬉しいです、いてっ!」 気恥ずかしさから野菜を切るのに戻ると手元が狂い少し指を切ってしまった。 「だ、大丈夫?……んっ」 「うぇ!?」 ルナサさんが心配してくれたと思ったら切った指を咥えられていた。 ルナサさんは一生懸命に俺の指を咥える姿は豪く背徳的であり、俺は少しだけゾクゾクとしてしまう。 台所でルナサさんの俺の指を咥える音がするこの状況、傍から見ればどんな光景に見えるのか。 どうしても思考がまともにならない。 そんなどうしょうもない俺自身に、心の中でどうしようか会議が始まろうとしたくらいにルナサさんの口から俺の指が解放される。 助かった……これ以上いくとどうなってたことか。 「ちゃんと消毒してね?」 「は、はい……」 赤い顔で心配そうに言われると男として駄目になる一歩手前になりそうで困る。 俺も絶対今顔が真っ赤だ、うん絶対。 「じゃ、じゃあ……消毒してきますんで」 何時までもここにいると地雷どころか核ミサイルを踏みかねないので一旦台所から撤収し、心を落ち着かせねば。 一応傷の手当てもしておくべきだしな、うん。 「えぇ……あ、そうだ○○?」 「はい、なんでございまっ!?」 台所からリビングに行こうとし、ルナサさんに声をかけられ振り向いたらルナサさんの顔が間近に。 肩に腕を置かれ、少し背伸びをして俺に口付けを彼女はしてきたのだ。 しかもそれだけではなくおずおずと舌を交わす始末。 メルランのような積極的な動きではなく、恥ずかしがりながらも必死に絡めようとする感じだ。 さすがに3度目ともなれば少しは対応できるような物だがどうすればいい…… 何かこれに答えたら物凄いフラグをぶったてちゃう気がするんだ。 そんな葛藤をしている内にルナサさんが離れた、色々と危なかった…… 「二人とも、たぶんしたんでしょ?おかえりの……キス」 「うぇ!?あ、い、いえその……あ、あははははは」 真っ赤な顔で尋ねてくるルナサさんに俺は一気にクールダウンしていた。 い、いえねぇ。いくら向こうからしてきた事でも言えないだろこれは…… しかし何なんだこの状況は、一体今日何が起こるんだ!? 「じゃ、じゃあ料理、済ませちゃうね。 聞いてるとは思うけれど夕飯の時、皆で話があるから」 は、はい。と機械的な動きで戻る俺。 何だろう、俺今日命日になるのかなぁ? 凄い幸せな感じだが凄い嫌な予感がする。 夕飯……逃げようかなぁ。 結局逃げられるはずもなく、夕飯は4人で取る事に。 この前の朝を思い出すような感じだが違うのは俺だ。 いくらなんでも前のような事故では済まない。 ここまでくれば鈍いとか宴会で言われまくった俺でも少しは気付く。 それで夕飯の時に話があるとか言われれば第三次プリズムリバー抗争とかそんな事でもあるのかと思ってしまう。 ちなみに第一次は誰がルナサさんのプリンを食べたのかで第二次はメルランさんの下着が一着消えた件だった。 さらに余談だが犯人は両方ともリリカちゃんだった、美味しそうだったからと羨ましかった、が犯行の動機だった。 ってそんな事は置いておく。 「「「……」」」 実に視線を感じる。 あぁ何だろう、DEADENDまで俺には考えられるぞ…… 「……さて、○○」 「ふぁい!」 やべ噛んだ。 皆が食べ終わった後ルナサさんの突然の声に俺は緊張を隠せない。 この手の流れからすれば取り合い修羅場デッドエンドだ。 平穏だったプリズムリバー亭が戦場となる、そんな考えに俺は埋め尽くされている。 「さすがに気付いているとは思うけど……私達、○○の事が好きよ?家族の一員として、そして男として」 続くメルランの発言に俺の顔は真っ赤になっているだろう。 今ならばわかる、彼女達の今までの好意を示していたものを。 鈍感な俺はそれに気付けないでいた、だから彼女達は遂にああいう行動を示したんだと。 「もしも○○が他に好きな人がいるんだったら私達は諦める。 でも、私達の中にもしも好きな人がいるんだったら……選んで。私達はそれを受け入れるから」 リリカちゃんの言葉に俺は選択を迫られる。 今更今まで通りというのは虫が良すぎる話だ、もう戻れない。 かといって他に好きな人がいるわけではない……むしろ…… 「俺は……3人が好きだ、家族として。 外から迷い込んだ俺を受け入れてくれて優しくしてくれた3人が。 でも、それが今は家族としてなのか一人の女性だから好きなのかわからなくなった。 だから……時間をくれないか?少しだけ、決める時間を」 今まで彼女達を一人の女性で見た事はほとんどなかった。 故に彼女達の好意を知った時自分の好意は果たしてどちらなのかわからなくなった。 誰か一人だけはそうなのかそれとも全員家族なのか、わからない。 「ならば私達は待ちます、あなたが答えを出すのを」 「でもね、私達からもお願いがあるの」 「休みの三日間、私達一人ずつとデートして、それで白玉楼のコンサートの後に答えが欲しいの」 三日間の話はそれだったのか…… そう言われてみれば彼女達と一緒に過ごしてきたが個人個人でどこかに行ったなんてほとんどなかったな。 ……いい機会なのかもしれない。 「わかった。コンサート後までに答えを出す」 覚悟を決めなくてはいけない。 彼女達の思いを無碍にしない為にも。 「うん、その、なんだ……よろしく頼むね」 「さーてどこ連れて行ってもらおうかなぁ~」 「へ、変な事したら許さないからね!」 さて、どうなる事やら…… 何これ、どうなってんの。 電波に赴くままに書いたらこの結果だよ? さて、誰から書いていくか……
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ハーレム?1 2スレ目 382 ふと、寝苦しさに目が覚める。 確か、昨夜は宴会をして、酔い潰れて寝てしまったのか。胡乱な頭で記憶を辿る。 そして気付く。すぐそばに何者かの気配。 というか右腕が重い。 何かと思って見てみたら、そこには萃香が寝ていた。俺の腕を枕にして。 姿は少女…いや幼女。 その寝顔も幼い。 異なることは頭の角。彼女はこの地で一二を争う実力者、鬼だ。 ……こうして見ていると信じられないがな。 そしてようやく気付く。 左腕も動かない。そしてなにやら柔らかい。 大体予想はつくが顔を向ける。 目が合った。いや、眠っているので実際は合ってないが。 綺麗な黒髪、あどけない寝顔、穏やかな寝息。 一人の少女が、俺の腕を抱えて眠っていた。 射命丸文。この少女が今度は天狗だというんだから、わからないものだ。 しかしこれでは寝苦しいわけだ。身動き一つ取れない。 でもまあ、こんな幸せそうな寝顔を崩すこともあるまい。俺ももう一眠りしよう。 でも、一つだけ愚痴らせてくれな。 「酒臭ぇ……」 ゴスッ!!! 右から小さな拳、左から細い膝が体にめり込む。 ああ、俺が、悪かっ……(ブラックアウト 261 … …… ………うぷっ… も、もう飲めない… 「萃香…文…もう、帰っていいか?さすがにもう飲めないよ…」 「「だめ(だよ)(です)」」 「今日はとことん付き合うって約束したのは○○じゃないの。私たちがいいって言うまでだめだよ」 「そうですよ。麻雀で負けたら酒に付き合ってやるって言ったのは○○さんですよ」 「うう…にしても限度があるだろ…これで一升瓶何本空けたんだ…」 「ええーっと…23本ありますけど…」 「紫に頼んでいくつか処分してもらってるからもっと飲んでるでしょ」 「…絶対飲みすぎだろ…」 「何言ってんの?まだまだ足りないよぉ~」 「まだ序の口ですね」 「…ありえねぇ…」 ちなみに僕がこの二人に付き合う羽目になった原因である麻雀だが… もともと、紫も入れてやって僕が二人より下位になったら何でも言うことを聞くというルールで始めたその麻雀。 …南三局と南四局を回想してみよう。 南三局 親 萃香 「うーんと…⑨捨てっ」 「悪いな萃香、それだよ。ロン!立直、平和、純チャン、二盃口、ドラドラ。三倍満の24000だ」 一一二二三三①①⑦⑦⑧⑧⑨ ロン⑨ 「えぇーっ!?今日ツキすぎだよ○○…」 「ハッハッハッ、二位と9万点差でトップか。もう勝ったも同然だな」 「まだわかりませんよ。勝負は時の運とはよく言ったものですから」 南四局 親 ○○ 「うーん…發を捨てないと役が進まないな…」 四四四五五五六六六④⑤⑥發 ツモ④ 「よし、發を捨てて立直だ!」 「「ロン!」」 「…え?ダブロンかよ…」 「大三元、役満です!」 一二三④④白白白發發中中中 ロン發 「まぢかい…これで文には抜かれたのか…」 「国士無双、役満だよ!」 一九①⑨19東東南西北白中 ロン發 「え゛っ…萃香も役満かよ…って役満のダブロンってことは-68000…負けた…」 「「やったーっ!!」」 「あらあら、○○ツいてないわねぇ」 「全くだよ…トホホ…」 … …しかし、本当に役満のダブロンなんてあるんだな… …ハァ…気持ち悪くなってきた… 「○○さんの盃がぜんぜん減ってないですねぇ」 「こらぁーっ、○○ーっ、どんどん飲めぇーっ、キャハハハハハハ」 「おい、萃香やめろって。もう勘弁しt、ガババゴボゴボ…」 「盃に注ぐのもまどろっこしい、ラッパで行けーっ!」 「一気!、一気!、一気!、一気!」 「ガバババ、やめてくrゴボボボ、もういいかrゴボッゴボッ」 「キャハハハハハ、もっと飲め飲めぇーっ!」 「○○さん、今日は昼まで飲み明かしますよぉーっ」 「ゴボッ、ゴボッ…がはぁっ…ハァ、ハァ、ハァ…」 結局この幻想郷の大酒豪二人に囲まれて(半ば強制的に)飲まされた○○は、急性アルコール中毒で3ヶ月ほど寝込む羽目になったという… あとがき はい、"駄作製造機"30人目です。 今回は…イチャってません(ダメじゃん 多分萃香&文に酒に誘われたらこうなるのかな?って思って書いてみたんですが…うん、微妙。 287 「○○ーっ」 「ん?なんだい、萃香?」 「これから文と一緒に一杯やんない?」 「文と?」 「そうそう、知ってると思うけど文ってお酒強いからね。多分持ってくるお酒も美味しいよ」 「なかなか魅力的な話だな…だが断る」 「えぇーっ、何で?」 「この前麻雀で負けて飲まされたときにそのあと3週間急性アル中で寝込んだからな、お前らと一緒に飲むと癌やら肝硬変やら起こしかねない」 「別にいいじゃん、○○が飲む量を調整すれば」 「…前回はお前らが無理やり飲ませたんだろうが…」 「ん~…忘れた」 「ぉぃ…」 「じゃあこれから飲みにいくことで決定ね。さぁ行こうか!」 「いや、僕はまだ了承してない…」 「知らん!早く行こう!」 「…おっとそうだ、今日は早く帰らないといけないんだ!じゃあな、萃香!(逃走)」 「あっ、逃がすかーっ!酔夢『施餓鬼縛りの術』!」 「うわっ、鎖が巻きついて…ち、力が…抜けて…(へなり)」 「へっへーん、捕まえた~♪(引き寄せ)」 「うぅ…痛っ!萃香…引きずらんでくれ…」 「さぁ!飲みに行こうか!」 「いやーっ!攫われるーっ!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「文~、お待たせ~♪」 「遅いですよ、危うく先に飲んでしまうところでした」 「ゴメンゴメン、今日は○○も連れてきたから(親指立て)」 「…グッ(親指立て)」 「「ふっふっふっ」」 「…帰りたい…」 「さて、今日はスピリタスっていうお酒を持ってきたんですが…」 「スっ、スピリタスって…人間界では世界一アルコール度数が大きいお酒…確か96度…」 「おぉ、いいじゃん。早速飲もう飲もう!」 「か、勘弁してくれ…」 「さぁ、○○、グビッと逝こう(盃になみなみ注いで)」 「ムリムリムリムリ!絶対ヤヴァイって」 「○○さ~ん…せっかく私が持ってきたのに飲んでくれないんですか?(上目使い)」 「うっ…でも前みたいにアル中で寝込むのは勘弁…」 「○○さ~ん…(潤み目)」 「うっ……わかったよ…飲みゃいいんだろ…」 「おっ、そうこなくちゃ!さぁさぁ飲んだ飲んだ!」 「うーん…(グビッ)」 「おぉ…流石○○、一気飲みで逝った!」 「…ッ!!!!!!!!!!ゲホッゲホッ」 「だ、大丈夫ですか!?○○さん!」 「の、喉が…焼け…ぐぁぁっ…」 「うわぁー…そんなに強いのかね?このお酒」 「○○さんが言うには人間界最強のお酒とか…」 「ゲホッゲホッ…うぐっ…がはっ(吐血)」 「「!!!!!」」 「ぐ…(倒れ伏す)」 「ちょっ、○○さん!?大丈夫ですか?しっかりしてください!」 「ちょっとこれヤバイんじゃない!?早く永遠亭連れて行こう」 「は、はい!!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ -永遠亭 永琳の研究室- 「急性の脳溢血ね…どれだけ飲んだかは知らないけどかなり危ない状況よ」 「えっ!?死ぬかもしれないんですか?」 「最悪の場合ね…出来るだけの処置はするけど…今夜が峠ね…」 「うぅ…○○…」 「わ、私が…こんなお酒を持ってこなければ…こんな事には…」 「違うよ、文は悪くない。私が無理に誘ったから…」 「はいはい、二人とも罪の被りあいはまだ早いんじゃないかしら…ってどんなお酒を飲ませたの?」 「えっ?スピリタスというお酒を…」 「…ストレートで?」 「うん、しかも一気飲み」 「…ハァ…人間がそんな強いお酒を一気飲みしたらどうなるかぐらいわかるでしょう?確かに○○は酒に強いけどあなた達と違って弱い人間なんだから…」 「「は、はい…」」 「スピリタスは人間界では果実汁と混ぜてカクテルで飲んでいるのよ。ストレートで飲むだけでも危ないのにましてや一気飲みなんてもっての他よ」 「「…はい」」 「まぁ、薬が効いてくれれば助かるけどね…しばらく○○にはお酒を飲ませないで」 「「…わかりました…」」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ん…」 「あら、目を覚ましたわね。もう大丈夫ね」 「あれ、僕は一体…てかなんでこんなところにいるんだ?」 「あなた、スピリタスをストレートで一気飲みしたそうね」 「うっ…あれは…その…」 「わかってる。文と萃香に無理やり飲まされたんでしょ?」 「…はい、まぁ…」 「でもねぇ…あなたもいけないのよ。一気飲みするなんて」 「…スミマセン…早く飲めば大丈夫かな?って思ってしまって…」 「全く…女の子の前でいいとこ見せたいのはわかるけどもう少し考えてね」 「…返す言葉もありません…」 「二ヶ月はお酒を飲んじゃだめよ。もし飲んでしまったら再発の恐れがあるからね」 「…ハイ…」 「「○○(さん)!!」」 「ん、文と萃香か…すまないな、心配させてしまったようで…っておわっ(抱きつかれ)」 「良かった…生きてて…(ぎゅーっ)」 「死んだら…許さないんだから…(ぎゅーっ)」 「ちょっ…君たち…苦しいって…」 「あらあら…モテる男は辛いわね…」 「そんな、ちょっと永琳さん…助けてくださいよ」 「うーん…拒否」 「ハハハ…はぁ…」 あぁとぉがぁきぃ(黙れ ども、駄作製造機の二つ名がピッタシ当てはまる30人目です 今回のは前回の続きっぽいものです。 ~チラシの裏~ 実は先日、スピリタスの一気飲みをマジでやった先輩が脳溢血で死にそうになったから…このネタは不謹慎なんですけどね… その先輩は…自分の住んでいる地域では一番酒に強いって言われてましたから… 皆さんもスピリタスに限らずアルコール飲料の一気飲みはなるべく控えてください… ~チラシの裏~ 290 ―その後、さすがに脳関連の病気だったということで、 大事をとってしばらく永遠亭に入院(?)することになった。 …なったのだが…、 文「あ、食事ですか? なら私が持ってきますよ」 鈴仙「え、でもこれちょっと食べ方が特殊な…」 萃香「はい○○、薬とお水」 ○○「いや、それ座薬だから、つかどこから持ってきたそんな毒々しい色のやつ!?」 必ずといって良いほどどっちかが見舞いに来ている。 …内容はご覧のとおりだが。 てゐ「…男冥利に尽きる?」 ○○「場合によるよ…」 まあ、これもあれだ、 永琳「本当は頭の良いこの二人がここまでねぇ… 恋は盲目とはよく言ったものね」 ということだろう。 文「あれ!? ○○さんが泡吹いてますよ!?」 萃香「うわ~ん、えーりーん!」 …だから天国のばあちゃん、向こう岸からそんなイイ笑顔で手振んなや、頼むから。 …(。∀ ゚)アレレ? ぶち壊しスマソorz 310 少し早い(?)けどクリスマスネタをば …そういえば今日はクリスマスだったな…今日の酒盛りはあの二人にプレゼントでも持っていってあげよう。 うーん…何がいいのかな? 萃香には…何がいいんだろう… 文には…うーん…… … …… ……… …………そうだ! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ -酒盛り会場(○○自宅)- 「「「乾杯!そしてメリークリスマ~ス!」」」 「まぁ、クリスマスとか関係なしにいつも結構飲んでるけどな…」 「○○さん、そこは突っ込んじゃ駄目です」 「カタイ事言うなっての。今日は朝まで飲むぞーっ!」 「ちょっと待った、今日はクリスマスだ。だから二人にプレゼントを用意したよ」 「「えっ?」」 「ちょっと待ってて」 「なになに~?」 「○○さん、早く見せてくださいよ」 「まずは、萃香からだな」 「なんだろう…ん?毛糸の…帽子?」 「…なんか穴が開いてません?」 「萃香、君には角というものがあるだろうが…まぁ、かぶってごらん」 「おぉ…あったか~い♪」 「僕の手製だ。今日の昼からずっと編んでたんだよ。間に合って良かった」 「○○、ありがとうっ!(抱きつき)」 「おわっ、おいおい喜び過ぎだって…(頭撫で)」 「ん~♪」 「あ…萃香さんいいなぁ…」 「さて、次は文だな」 「何なんでしょう…(ワクワク)毛糸の…手袋ですか」 「新聞配達のときに使うといいよ。この時期は文ほどの速さで飛ぶととても寒いだろう。もちろん僕の手製だよ」 「○○さん…嬉しいですっ!(飛びつき&抱きつき)」 「おぅっ、文も過剰に喜びすぎだよ…やれやれ…(額をこつん&撫で)」 「う~…○○、私も撫でてよ!」 「駄目です。今は私の番ですから。んふふふ…」 「…猫みたいだな…烏だけど…(顎撫で)」 「んゅ~…ごろごろ…」 「おいおい…」 「あーっ、文やりすぎだよっ!むーっ!(抱きしめ)」 「あっ、負けませんよ萃香さん!(抱きしめ)」 「うーん…参ったなこりゃ…」 -その状態で一刻…- 「そうだ、私たちも○○さんにプレゼントをあげましょう」 「うん、そうしよっか!」 「おっ、なんだろなぁ…」 「ふふふ…○○さん、目をつぶって下さい」 「で、ちょっとしゃがんでよ」 「わかった…はい、いいよ」 「「ちゅっ(両頬にキス)」」 「ッ!!」 「…ふぅ、いいよ(真っ赤)」 「…ふふっ、恥ずかしいですね(赤らめ)」 「…うん、最高のプレゼントだったよ…さて、宴会の再開と行こうか!」 「うんっ!」 「はいっ!」 聖夜の夜…その家は翌朝の光が差し込むまで騒ぐことをやめなかった… あとがきですたい(何故博多弁? ども、クリスマスは家で一人で妄想を繰り広げる予定の"音速駄作製造機"30人目です。 今回はクリスマスということで、いつもの二人に主人公がプレゼントをする…といった設定の下、書きました。 「俺の萃香はこんなんじゃねぇ!」、「私の文はこんなものじゃないわ(?)」という方は…その文句をぜひSSにぶつけてください(何 -クリスマスツリーの裏- 290氏、どんどん幻視しちゃって下さい。僕が書くよりも名作が生まれますのでw …実はこの酒豪コンビのSSをシリーズ化しようと考えていたりする… -ここまでクリスマスツリーの裏- 315 文 「あ、そういえば永遠亭の皆さんからもプレゼントが届いてるんですよ」 萃香「へえ、なになに?」 文 「永遠亭一同の連名で…私たち3人にですね。中身は…」 ガサゴソ ○○「…マフラー?」 文 「でもそれにしては…」 萃香「何か…長い…」 「これで3人、暖かな冬をお過ごしください。永遠亭一同・代表鈴仙」 文 「って言われても…」 萃香「無駄に長いマフラー1本でどうやって…?」 ○○「まさかどこぞのカップル用マフラーみたくこの1本を3人の首に巻いて…とk(顔真っ赤)」 文 「ああ…(イイ笑顔)」 萃香「なるほどぉ…(イイ笑顔)」 ○○「あー、うー…(汗)」 文&萃香「「○○ー(さーん)(はぁと)」」 ○○「あー、多分すごく恥ずかしいと思うんだが…だめ?」 文&萃香「だめー(はぁと)」」 文 「お披露目は新年の宴会のときにしましょうか」 萃香「あ、いーねー。それなら…」 ○○「おーい…」 文 「あ、じゃあ今使い心地を試しておきましょう!」(抱きつき) 萃香「さんせーい」(抱きつき) ○○「え、今? いや暑いから、確実に暑すぎるから、ね?」 文&萃香「だめー(はぁと)」」 ○○「あー…(赤面)」 鈴仙「てゐー、この前あんたが名前を貸してくれって言ってたあのプレゼント、 結局中身なんだったのー?」 てゐ「新年が楽しくなるものですよー」 …ではいつもの (。∀ ゚)アレレレ? 329 最近…思いっきり過疎化しましたね… 「ここの掃除はこれで終わりだな。さて次は台所だ」 「○○さんの家は毎回酒盛りに使ってますからね」 「ぱっと見は結構綺麗だけど…よく見ると汚れているところがあるしね」 「まったく…今年は365日中310日酒盛りをやったからな…」 「えっ?そんなに少なかったの?」 「うーん…まだまだでしたね」 「ぉぃ…」 というわけで、今僕はいつもの二人と家の大掃除をしている。 三人寄れば文殊の知恵だっけ?そんなような言葉もあった気がしたから二人に手伝わせることにしたんだが… 「○○~?埃を萃めておいたよ」 「おう、サンキュ…っておい!こんなところ(居間)に集めずに外でやってくれ!」 「○○、埃は外へ出したよ」 「そうか…ってこらぁっ!玄関先に捨てても何の意味もないだろ!」 …萃香のやることはワザとなのかよくわからないが…どっか抜けている… 結局そのおかげで二度手間なのである… 「○○さん、これはここでいいですね」 「おう、すまないな」 …文は結構気が付くほうなんだがな… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ふぃ~…ようやく終わったな…」 「お疲れ様でした」 「ふーっ…掃除って疲れるねぇ」 「…萃香は結局は何もしなかったろうが…」 まぁ、二度手間が重なっても面倒なので…萃香には途中から外れてもらっていた。 「ふふふ…で、○○さん、約束ですよ」 「そうそう、家の手伝いをしたら一緒におでかけをするって約束だよね」 「…そんな約束したっけなぁ…?(目逸らし)」 「「○○(さ~ん)、や・く・そ・く」」 「…わかったよ…はぁ…」 「じゃあ永遠亭からもらったマフラーを着けていきましょうか(ニヤリ)」 「おっ、いいねぇ(ニヤリ)」 「いやちょっと待て、本当に外であのマフラーを使うのか?(滝汗)」 「「当然(です)♪」」 「…どうしても?(げっそり)」 「「どうしても(です)(はぁと)」」 「…逃げるか…(脱兎の如くDASH!)」 「あっ、逃がすかぁーっ!」 「待って下さい○○さん!」 「待てといわれて待つ奴はいないっ!逃げろーっ!」 「むぅーっ、酔夢『施餓鬼縛りの術』!」 「ぬぁっ、鎖がっ!?ち、力が…」 「へっへ~ん、捕まえたぞぉ~♪」 「…なんだか即視感(デジャヴ)を感じるんだが…」 「多分作者がネタに詰まったんでしょう。後でお仕置きですね♪」 「…そういう裏の話はしないように…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「うう…恥ずかしい…」 結局3人用の長いマフラーを着けて出ることに… しかもそれだけでも恥ずかしいのに二人が○○に密着して腕を組んでいるから恥ずかしさ倍増なのである… しかし、やはり3人でマフラーを着けるには…身長差という敵が… 「く、苦しい…(頸部圧迫中)」 「あったかいね~、これからはずっとこれだねっ!」 「心も体もぽっかぽかです♪」 「ううーっ…(圧迫度増し)」 「○○さんも暖かいですよね?」 「○○~?もちろん貴方も暖かいよね?」 「…きゅぅぅ…(落ちた)」 「○○?おーいっ」 「○○さ~ん?生きてますよね?」 「ぶくぶくぶく(泡吹き)バタンキュー(倒れ)」 「きゃあっ!?○○さん、しっかりしてください!」 「早く永遠亭に連れて行こう!」 「はいっ!」 -永遠亭 永琳の部屋- 「…まったく、3人用のマフラーを着けるのはいいけど外の二人が引っ張り合ったら真ん中の人は苦しいに決まってるじゃないの…」 「「しゅーん…」」 「心配しなくても○○は"落ちた"だけだからもうすぐ目を覚ますわ」 「よ、よかったぁ…」 「…あの、○○さんが起きたら…周りの世話は私たちがやっていいですか?」 「ええ、かまわないわ。○○もそのほうがいいと思うわ」 「「やったぁ!」」 「ふふふ…○○も大変ねぇ…二人の恋女房に押しかけられて…」 さてと、世話するシーンは他の人に(特に 315氏に)任せるとしますか…(ぉぃ しかし…最近ネタがマンネリ化しつつあるなぁ… 「そのことについてお話があるんですが(怒)」 …あ、文… 「ちょっとこっちまで来てくれませんかねぇ(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」 …THE 脱兎!(逃走) 「逃がしませんよ!疾風『風神少女』!」 うわちょっとまt…ギャー 333 ○○「いや、任されてもっ!?(がばっ!)」 文 「あ、起きましたね」 ○○「え…? ああ、ここは永遠亭か…」 萃香「よかったぁ…。でも、任されるって何を?」 ○○「え、あー…いや、何か知らない場所でパソコンいじってる誰かがいてさ、 そいつと電波っつーかチャンネルがつながったって言うか…」 文 「…」 萃香「…」 (´;ω;`)ぶわっ(×2) 文 「かわいそうに、酸素欠乏症にかかって…」 萃香「うあーん! 私達のせいだー」 ○○「いや待て待て、俺正常だから、まともだから、真面目だから、無事だから! つか俺はどこぞのニュータイプの父親か!?」 文 「真面目な顔でそんな話ができる時点で手遅れなんです! てゆーかニュータイプって何ですか!?」 萃香「うあーん!! 手遅れー! ○○がバカになったー!」 文 「落ち着いて、バカはもともとです!」 ○○「…ああ、わかっててやってるのか(落ち着き)」 文 「…ち、耐性ができてきたみたいですね…(悔しげ)」 萃香「つまんないなぁ…(がっくし)」 ○○「あのな…(ひきつり)」 文 「ともあれ大事をとるにこした事はありません、今日は休んでてください」 萃香「私達が世話するから、大船に乗った気でいなよ」 ○○「大きな泥舟じゃあるまいn」 萃香 文「何か言った(言いましたか)? ○○(さん)」(←イイ笑顔) ○○「イエナニモ(ガタガタブルブル)」 萃香「私達だってそうそう何度もへまはしないよ。…はい、あーん」 ○○「あー、むぐむぐ…。いやそれはいいんだがさ、単なる気絶で こういうことまでする意味あんの?」 文 「…いやですか?(ごそごそ)」 ○○「いやじゃないけど大げさって言うか、別に一人で食えるっつーか…。 …いやちょっと待て文、何で俺の服を脱がす?」 文 「体を拭こうと思っただけですよ? この前(入院したとき)だって やったじゃないですか」 ○○「え!? いや待てマジ? いつ!?」 萃香「あー、それやろうとしたら○○が恥ずかしがって抵抗したから、 永琳が睡眠薬使ってその間にやってたんだよ」 ○○「!!?」 文 「ま、細かいことは沖になさらず、さ、脱いで脱いで(ハァハァ)」 ○○「いやなんか鼻息荒いから! 怖いから!」 萃香「覚悟を決めろー(フゥフゥ)」 ○○「いやぁぁぁぁぁっ!!??」 鈴仙「師匠、○○さんの部屋から久々に絶叫があがってますけど」 永琳「ほっときなさい、どうせバカップルの戯れだから」 鈴仙「いえ、何かてゐがカメラとマイク持ってその部屋に…、 お正月宴会のいい話のネタだとか言って…」 永琳「…連れ戻してきて」 鈴仙「ラジャ」 萃香「あ、じゃあ寒くないように暖かさを萃めとこう」 ○○「言いつつ何故布団に入ってくるかな!?」 文 「熱を逃がさないためです」 ○○「かえって暑いわぁぁぁぁっ!?」 鈴仙「師匠、てゐが今度は盗撮用小型カメラを…」 永琳「捕まえて、私はてゐの部屋のそういう機器を破壊しとくから」 鈴仙「いえ、もう捕まえときました」 永琳「ならてゐの目の前で壊しましょうか」 てゐ「ひどっ!?」 てるよ「○○ー、なぜかあんた宛にメールよー」 ○○「うーす…(げっそり)何々…『これが限界、ごめんなさい by315』…何これ」 てるよ「私が知るわけ無いでしょ、あ、更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」 ○○「???」 てるよ「どうでもいいけど両手に花ね」 ○○「…(赤面)」 萃香 文「○○~(さ~ん)…(すぴー)」(←しっかと両側からホールド) (。∀ ゚)アレレレレ? つか長ぇよorz 376 あけましておでめとうございます(ぉぃ ずぞーっ、ずぞぞーっ …ふぅ…年越し蕎麦が美味いなぁ… しかし…あの二人が飲んで年を明かそうって言ってこなかったのが不思議だなぁ… 絶対誘ってくると思ったんだが…まぁ、一人で静かにやるのもそれもまた一興だな… ふぅ… …お、眠くなってきた。 水道水(酒の銘柄)を飲みすぎたかな…? ちょっと寝るか… 初詣は明日の昼にでもゆっくりと行k…(zzz… ……………… ……ん?朝か… …なんか暑いような…?ってうをい!文!萃香!いつの間にお前ら入ってきたんだ? 「zzz~♪」 「zzzzzz…」 っていっても…寝ているのか… …まいったなぁ… トイレにも行けやしないぞ…(Wホールドで固められてる+足まで巻きつけてる) … …… ……… …………起こすか… 「おい、文、萃香、朝だぞ」 「んみゅ~…(寝ぼけ)」 「んむ…(ネボケ)」 「おいこら起きろって。雑煮食べるぞ」 「……んふ♪(抱きつき+押し倒し)」 「っておいこら文!寝ぼけるなっての!」 「……えへへ~♪んむ…(覆いかぶさるようにKiss!)」 「むぐっ!?んーっ!むーっ!ぷはっ!す、萃香…お前寝ぼけすぎ…(赤面)」 「……ん~っ…(頬擦り×n)」 「…ぉ~ぃ…」 「…ん…(頬にKiss×n)」 「…これを誰かに見られたら…恥ずかしい…(あきらめ)」 ……………… 「…はぁ…なるほど、つまり朝の3時頃に僕の家に来て飲もうと思っていたけど僕が寝てたから一緒に寝たと…」 「そうなんですよ」 「○○さぁ、寝るの早すぎなんだよ」 「僕は毎年寝正月を決め込むって決めているんだから…まぁ、飲み正月でも良かったけどな…はむ(餅食べ)」 「私たちは1時ごろから二人で飲んでいたんですけど…やっぱり○○さんがいないと…張り合いがないんですよ。む、結構伸びる(餅食(ry)」 「そうそう、やっぱり○○がいないと話が盛り上がらないね。くちゃくちゃ(餅(ry)」 「そうか…で、僕はこれから初詣にでも行こうと思っているんだが…一緒に「「行くーっ!(行きますっ!)」」…まぁ、そうだよな」 「あのマフラーを着けて「却下」なんでですかぁ?(涙」 「この前死にそうな目にあったのは他でもないこの僕だっつぅの…」 「ねぇ~、○○~…(涙目+上目遣い」 「着けていきましょうよぉ~(涙目+上(ry」 「いやちょっと待て、そんな目で僕を見ないでくれ」 「「ねぇ~(はぁと)(顔近づけ」」 「…わかったよ…はぁ、僕って弱いなぁ…」 「「やったぁ!」」 -博麗神社- 「あら○○さん、ラブラブね」(紅白) 「おやおや、目も当てられないぜ」(白黒) 「…いつか私も魔理沙と…」(七色) 「…えーっと…目の前のバカップルを無視する方法は…」(パチュ萌) 「仲睦ましいことですね」(みょん) 「まさに両手に花ね~」(ゆゆ) 「…てゐの言ってた正月が楽しくなる物って…これかぁ…」(饂飩) 「…あの三人も懲りないわねぇ」(えーりん) 「…さて、盗撮の用意を…」(詐欺兎) 「も、妹紅っ!私たちもあれをやるぞ!」(けね) 「えっ、ちょっ、何を言って、慧音…(赤面)」(もこ) 「咲夜、私にもあのマフラーを用意しなさい。霊夢とやりたいから」(う~) 「お、お嬢様…私は…お嬢様と…くぅっ!(血涙+鼻血)」(瀟洒) 「…うわぁ、みんな見てるよ…なぁ二人とも、やっぱりやめな「「駄~目っ(です)(はぁと)」」…はぁ…」 「どうせならもっと見せ付けてやりましょうよ(腕組み+体密着)」 「そうそう、みんなが嫉妬するぐらいね(腕組み+体(ry)」 「「「「「「「「「「「「「おぉ…」」」」」」」」」」」」」 「いや、勘弁してくれないか…(真っ赤)」 「「いや(です)(はぁと)ちゅっ(両頬にWkiss)」 「「「「「「「「「「「「「おおーっ!!!」」」」」」」」」」」」」 「はぅ…(ゆでだこの如く(ry)」 あとぐゎき(ぇ どうも、音速駄作製造機の30人目です。 今回は…正月をテーマに露骨にもほどがあるイチャイチャぶりを発揮させて見ました 最初の場面…あわやネチョになるところだった… 妄想をふっとばし、理性をギリギリまで保って作った作品ですw あ、37氏、どうぞ続きをお願いしm(百万鬼夜行 378-379 霊夢「あら○○さん、この前はすごかったわね」 魔理沙「お、○○、その後あいつらとはイチャイチャしてるか?」 アリス「こ、今度意中の人と仲良くなる秘訣とか教えてくれない?」 ○○「てな感じで、あれから会う人会う人にからかわれまくってるんですよねぇ…」 永琳「まあ、しょうがないわね。…最後のはちょっと微妙だけど」 ○○「これというのも鈴仙があんなものを送ってくるから…」 永琳「あら? あれを送ったのはてゐよ? 鈴仙は名前を貸しただけ」 ○○「そうなんですか? あの詐欺兎…!」 永琳「ちなみに編んだのは私」 ○○「あんたですかいっ!」 ○○「迷惑って訳でも無いですけど、さすがに恥ずかしいですよあれは…」 永琳「まあ、いいんじゃないの? そのうち慣れるわよ …慣れないなら慣れないで、いつまでも初々しいって事でいいと思うけど」 てるよ「助けてえ~り~ん、ノーパソの容量が~」 永琳「だからデスクトップを主にしてくださいと…。追加のハードディスクが向こうの部屋にありますから!」 てるよ「ありがとえ~り~ん」 ○○「今の手際…慣れは慣れでもいやな慣れですね…」 永琳「どこでもパソコンできるからって手放さないのよ…あのノートパソコン」 ○○「真性ニート…」 永琳「あなたはああはならないでね、あの二人のためにも」 ○○「はい」 永琳「じゃ、これ今回分の肝臓の薬。一日一回飲むように」 ○○「どうm「○○肝臓病気なの!?」…って、萃香?」 萃香「どういうこと永琳、何で隠してたの!?」 ○○「いや、別に病気じゃ…つかどこから?」 萃香「ずっと○○の回りに散ってた! でも薬って!」 ○○「まとわりつかれてたっ!?」 永琳「落ち着きなさいな、本当に病気じゃないわ。それは予防薬よ」 萃香「予防?」 永琳「○○は酒に強いわ、酔う酔わない以前に、内臓の面でね。 でも、それはあくまで人間の域。…それは分かってるでしょ? 去年のスピリタス一気飲み事件とか」 萃香「あ…うん」 永琳「何事にも限界はあるのよ。でも、彼はあなた達との酒を楽しみたかったの 酒豪であるあなた達との酒をね。…で、頼まれたのがその薬」 萃香「これ?」 永琳「肝機能を助けて、肝硬変とかの発症を可能な限り防ぐ効果があるわ あなた達と張り合うほど…とまでは行かないけど、少なくとも今までよりは 酒に強くなってるはずよ。…さすがにあのときのような無茶は無理だけどね」 萃香「…」 永琳「あの事件以後あなた達もセーブできてるようだから大丈夫とは思うけど… まあ保険のようなものよ。まさか大好きな酒で思い人を亡くしました なんてのはいやでしょ?」 萃香(こくこく) 永琳「彼も、そう思ってるわ。そんな思いをあなた達に抱かせたくないから、 内緒で今回の事を頼んだの。…もし応えてあげるなら、これから変に お酒を制限するより、いつもどおりに楽しむ事。彼はそれがしたいから こんな事をしてるんだからね」 萃香「うん」 ○○(赤面) 永琳「ただし、変に制限はしなくて良いけど、節度は守ること。 この前みたいな事にならない様にね。…まあ、今の時点でそれが 出来てるあなた達なら問題ないでしょうけど」 萃香「うん! …よ~し今日は帰って宴会だ! ○○んちで新年会だ! 飲むぞ~!」 ○○「お~う!」 永琳「ふふ、これなら心配なさそうね」 夜 萃香「え~り~~~~ん!!(泣)」 文 「○○さんがまた倒れました~~~~~!!!(泣)」 えいりんは つくえに あたまをぶつけた! えいりんに 35の ダメージ! 永琳「あなた達ねぇ…(汗)」 永琳「さっき話してたばかりなのに…今度は何したの?」 文 「えっと、その…」 萃香「鼻血出して倒れた」 永琳「何やったのあなたたち!?」 ○○「う~ん、う~ん、もやが…ピンク色のもやもやした何かが…」 鈴仙「○○さんどうしたんですかね」 てゐ「何気に満ち足りた顔してるし」 383 …○○気絶中… 永琳「で、どうしてこうなったのかしら?」 文「それは…その…(真っ赤)」 萃香「あ、あのね…(真っ赤)」 ~回想~ ○○「うー…酔ってきたかな…」 萃香「あははははは!○○ペース落ちてるよーっ!(激酔)」 文「ほらほら、もっと飲みましょうーっ!(爆酔)」 ○○「…ははは…まだマシか…」 萃香「いやーっ、暑いねぇ」 文「私も暑いです…」 ○○「そりゃあ…そんなに飲むからだろ…っていっても僕も暑いな…上着を脱ぐか…」 萃香「おっ、○○のストリップショーか?」 文「いいぞー、やれやれー」 ○○「いやいや、僕は裸を見せるつもりはないぞ…暑いから上着を脱ぐだけだ(Tシャツ姿に)」 萃香「なるほど…じゃあ私も脱ぐね」 文「私も脱ぐことにします」 ○○「…二人ともそれって上着だったのか…」 萃香&文「「違うよ(違いますよ)」」 ○○「…へ?じゃ、じゃあその下には何を着てるんだ?」 萃香&文「「下着(です)」」 ○○「ほぉ…やっぱりそうだよな…………ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」 萃香&文(脱ぎ中) ○○「いや、ちょっと待て!お前らはここで下着姿になるつもりか!?」 萃香&文「「うん、そうだよ(はい、そうです)」」 ○○「いやちょっと待てコラ!Hey Aya Suica! Stooooop! Please Stop taking it off! Stoooop!」 萃香&文「「えっ?何か言った?(言いました?)(脱ぎ終わり)」 ○○「…い、いや、何でもない…(視線逸らし)」 萃香「あれっ、○○?なんでこっち向いてくれないの?」 文「○○さーん…こっち向いてくださいよ」 ○○「い、いや……そっちを見たら…僕は男として終わる気がする…」 萃香&文「「○○(さ~ん)(はぁと)(近づき)」」 ○○「な、なんだい?(滝汗)」 萃香&文「「えいっ(抱きつき)」」 ○○「ッ!!!!!ブッハァァァァァァァ(吐血&鼻血ブーッ)バタンキュー・・・(倒れ)」 萃香「えっ!?ちょ、ちょっと○○!?」 文「は、早く永遠亭に!」 ~回想終わり~ 文「ということがありまして…(赤面)」 萃香「うー…(赤面)」 永琳「…(絶句)」 ○○「う゛~…下着がぁ…下着が迫ってくるぅ~…」 鈴仙「…なんだかものすごい悪夢にうなされてるわね…」 てゐ「(マイクを持って来ようかな)」 385 これは、避難所383における30人目氏の作品に 「勝手に続きを作っちゃえ企画」でつくった作品です。ご注意を。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 永琳「さすがにこれは薬の処方の仕様が無いわね…」 文 「うう…」 萃香「○○…」 永琳「まあでもある意味喜ばしい事じゃない? 少なくとも、彼にとってあなた達のあられもない姿は効くという事だし」 文 「こういう展開だと喜んで良いのか…」 萃香「微妙だよぅ…」 永琳「二人とも… そんな(´・ω・`)ショボーンとしてないで(`・ω・´) シャキーンとしなさい(`・ω・´) シャキーンと! そんなんじゃ目が覚めたら○○さんに笑われるわよ? むしろ心配かけるかしら?」 文 「そんな輝夜さんに毒されまくった言い方で励まされても…」 萃香「ニートがうつったみたい…」 つうこんの いちげき! えいりんのこころに 999の ダメージ! こうかは ばつぐんだ! 永琳「姫と同類…(ひざかかえ泣)」 鈴仙「ししょー、○○さん少し落ち着いたみたいってうわあ!? 何ですかこの引きこもりチックなドクオ空間は!(ぐさあっ!)…ぐさ?」 永琳「ドクオ…(さらに滝涙)」 文 「永琳さーん」 萃香「私達が悪かったからー、元に戻ってー」 鈴仙「…何があったんです?」 鈴仙「…はあ、事情は分かりました(赤面)」 萃香「落ち着いたって言ってもまだうなされてるんでしょ? どうしたらいいかなぁ?」 鈴仙「師匠が壊れたまま戻らないんで意見が聞けないのが何なんですけど… いっそのことお酒と同じ手で行ってみたらどうです?」 文 「同じ手…って?」 鈴仙「うわばみ仲間の間じゃこういうんでしょ? 『二日酔いには迎え酒』って。 実際健康にいいかときかれたらどうかとは思いますけど…」 萃香「それは確かに言うけど…この場合どうするの?」 鈴仙「そうですね…」 文 「ほんとにこれで良いんですかねぇ…」 萃香「さっきはこれでこんな事になったんだよ? かえってひどくなるんじゃ…」 鈴仙「それは格好が格好だったからですよ。 それで彼の許容量を超えちゃったんです。 ほら、よく『薬も過ぎれば毒となる』って言うでしょう? 逆に言えば、彼の許容量を超えない範囲であれば、効き目はあると思います」 文 「そういうものですか…?」 鈴仙「多分」 萃香「たぶんかぁ…」 鈴仙「とにかく、ちゃんと寝巻きは着てくださいね」 文&萃香「はーい」 …昨夜は酒を飲みすぎたようで、頭の痛みの割には何があったかとんと思い出せない。 あえて言うなら悪夢を見ていた…様な気がする。 本当に悪夢か? と聞かれたら、ちょっと微妙な気がするが。 それは『怖い』というよりむしろ、『穢してはいけない』大事なもののようにも思えて、 だから逃げていたようにも思う。よく分からないけど。 …いつの間にか、夢は終わっていて、代わりに何か暖かいものに、包まれてる感じがした。 心の底から安らげるゆりかごの中、そんなイメージ。 だからだろうか、今日の目覚めは、すごく気持ちのいいものだった。 …すぐ頭痛が来たけどね ○○「…ああ、納得」 体を起こしてみると、左右にはやっぱり二人がいた。 僕のパジャマのすそを握って、すやすやと眠っている。 二人の寝顔を見ていると、今ガンガン響くこの頭の痛みさえ、なんだかひいていく気がする。 …場所がなんだか見覚えがあるのは…まあ、またいつものパターンだったんだろうなあ、と。 鈴仙「おはようございます。…よく眠れたみたいですね」 ○○「おはよう。うん、すごく良く眠れた」 鈴仙「それはよかった。…アドバイスした甲斐がありました(ぽつり)」 ○○「ん、なに?」 鈴仙「いえ、何でも。じゃあ、ご飯持ってきますね」 ○○「ああ、ありがと」 そういって出て行く鈴仙を見送った後、再び二人に視線を向ける。 幸せそうな寝顔の二人、その頭を軽くなでて一言。 ○○「ありがとな、二人とも」 なんだか二人が、笑ったような気がした… 永琳「さて、ウドンゲ、覚悟はできているわね?」 鈴仙「い、いや師匠、何の覚悟ですか!? 私身に覚えが全く…」 永琳「言うに事欠いてドクオねぇ…、ねえ、私はそんなに引きこもりっぽいかしら?」 鈴仙「ええっ!? い、いえ、あれは別に師匠に言ったわけじゃ…」 永琳「自分でも珍しいと思うけど、あの時は打ちひしがれていたのよ。本当に… そこえ追い討ちをかけるように…あなた鬼? ねぇ、あなた鬼なの?」 鈴仙「いえ、う、兎です。そ、それに、あの時は私何にも分からな…」 永琳「問答無用よ、ウドンゲ。憂さ晴らしに付き合ってもらうわ…」 鈴仙「八つ当たりじゃないですかぁ!?」 永琳「逝って良し!」 鈴仙「きゃあぁぁぁぁぁぁ~っ!!!!? っていうか何か台詞が姫っぽい~~っ!?」 永琳「まだ言うかぁ~っ!!!!」 鈴仙「これがはじめてですよぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― …(。∀ ゚)アレレレレレレ? どんどん長くなった挙句とうとううpろだ行き… だから短くまとめる努力をと何度もorz 何気に『(。∀ ゚)アレレレレレ?』が欠番になってたり(爆) て言うか一言で言うなら○○俺と代われ(核爆)。 特に下着姿の二人に抱きつかれるあたりぜひかw(大鬼) 途中無駄にシリアスになっちゃったので最後にオチ。鈴仙ゴメス。